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弥生賞は実績だけでなく生月日が明暗を分けそう

  • 2018年03月03日(土) 20時00分


 今年2月のWIN5は549万8220円(2月4日)、439万3240円(2月11日)、460万520円(2月18日)、471万4650円(2月25日)と、ほぼ同水準の好配当決着が続きました。この4回に共通していたのは、単勝オッズ1倍台(2倍未満)の馬が一頭も勝っていない点。該当馬は計4頭いたものの、すべて2着以下に敗れています。

 2018年のWIN5対象レースにおける単勝オッズ1倍台だった馬の成績は、これまでのところ[4-2-2-3]で勝率36.4%。ちなみに、2017年は49戦16勝で、勝率にすると32.7%です。2011〜2016年のWIN5対象レースが261戦126勝で勝率48.3%、2017年のJRA全レースを対象にした勝率も49.4%ですから、最近の数字がいかに低いかおわかりいただけるでしょう。正直なところこれといった理由は思い付かないのですが、こうした“流れ”はもうしばらく続くのかもしれません。

 明日3月4日のWIN5は総出走頭数が62頭、総組み合わせ数が26万8800通り(土曜16時現在)とそれぞれ少なめ。単勝オッズ1倍台の支持を集めそうな馬もおり、買い目を作りやすそうな印象を受ける構成となりました。もっとも、すべてのレースが順当に収まるとは限りませんし、波乱の目を見逃さないようにしたいところです。

◆総武Sは実績や距離適性がポイント

 1レース目は4歳以上1600万下、ハンデキャップ競走の武庫川S(阪神10R)。4歳のクリアザトラック、実績上位のヒーズインラブが人気の中心だと思います。

 2レース目は4歳以上オープンの総武S(中山10R)。格の高いレースで善戦してきたコスモカナディアン、戦績に安定感のあるセンチュリオンあたりが注目を集めるでしょう。

 3レース目は4歳以上1000万下の太宰府特別(小倉11R)。比較の難しいメンバー構成で、上位人気勢の支持は割れるかもしれません。

 4レース目は4歳以上オープン、ハンデキャップ競走の大阪城S(阪神11R)。こちらも混戦模様ですが、昨年の優勝馬アストラエンブレム、休養明け2戦目のハクサンルドルフ、プラチナムバレットあたりが上位人気グループを形成しそうです。

 5レース目は3歳GIIの弥生賞(中山11R)。土曜16時の時点ではダノンプレミアムが断然の支持を集めており、オブセッション、ワグネリアンが続いていました。

[伊吹式WIN5ランキング 2018年03月04日版]

1位 阪神10R 1.ヒーズインラブ
2位 中山11R 8.ワグネリアン
3位 中山10R 8.コパノチャーリー
4位 小倉11R 1.タンタグローリア
5位 阪神11R 7.ハクサンルドルフ
【以上すべての馬を買うと1点買い】

6位 阪神11R 5.プラチナムバレット
7位 阪神11R 11.アストラエンブレム
8位 小倉11R 12.ダンツペンダント
9位 中山10R 16.コスモカナディアン
【以上すべての馬を買うと12点買い】

10位 中山11R 9.ダノンプレミアム
11位 阪神10R 3.オブリゲーション
12位 阪神11R 2.トリコロールブルー
13位 小倉11R 9.エッジースタイル
14位 中山10R 4.センチュリオン
【以上すべての馬を買うと144点買い】

15位 中山11R 3.ジャンダルム
16位 阪神10R 4.クリアザトラック
17位 阪神11R 1.マイネルスフェーン
18位 阪神11R 6.アングライフェン
19位 小倉11R 7.ウインクルサルーテ
20位 小倉11R 10.エマノン
21位 小倉11R 5.ヤマニンエルフィン
22位 中山10R 3.サクラルコール
【以上すべての馬を買うと1296点買い】

23位 中山10R 7.ブレスアロット
24位 中山11R 1.オブセッション
25位 阪神10R 8.ボールライトニング
26位 阪神10R 5.ヤマカツグレース
【以上すべての馬を買うと3600点買い】

 5レース目の弥生賞(中山11R)は実績馬が強いレース。「“JRA、かつ中山以外、かつオープンクラスのレース”において連対経験のない馬」は2014年以降[0-1-1-30]なので評価を下げるべきでしょう。また「生月日が4月中旬以降だった馬」も2014年以降[1-0-0-14]、2009年以降[1-1-1-34]といまひとつ。皐月賞の前哨戦やトライアル競走の中でも特別な位置付けの一戦であるせいか、馬体の成熟度を意外とシビアに問われます。これらの条件をクリアしているダノンプレミアム、ワグネリアンが有力候補です。

 2レース目の総武S(中山10R)も前年以降の実績を素直に評価したい一戦。「前走の着順が1着、かつ馬齢が5歳以下だった馬」を除くと、「“前年か同年、かつJRA、かつ1800m、かつオープンクラスのレース”において3着以内となった経験のなかった馬」は2015年以降[0-0-0-18]と上位争いに食い込めていません。さらに「前走との間隔が中8週以上だった馬」も2015年以降[0-0-0-12]と苦戦していました。先行有利な展開になりそうなことを考えると、コスモカナディアンやコパノチャーリーを重視すべきでしょう。

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競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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