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南関東に仲間入りをしたモズライジン

  • 2018年03月05日(月) 18時00分


今後に向けての手応えをつかめた移籍初戦


 中央5勝馬でオープンレースを中心に走ってきたモズライジン(中央時代は栗東・矢作芳人厩舎)が、大井の松浦裕之厩舎の一員になりました。2月21日の重賞・金盃(大井・2600m)に出走し、柏木健宏騎手を背に10番手付近から徐々に進出していく内容で5着。そもそもは金盃トライアルを使う予定でしたが、降雪の影響により中止になってしまったことで、ここからの始動。

「矢作先生のところにいた頃からレースは見ていましたが、見た目の印象と自分のところでやらせて頂くのとでは全然違います。普段の調教ではかなり行きたがるところがあるのでレースも積極的な競馬になるのかなと見ていましたが、スタート直後に挟まれる不利はあったものの、思っていたよりもズブくて前に行けませんでした。一度使っていればまた違ったと思いますが、それでも今後に向けては手応えをつかめました」(松浦調教師)

南関東初戦となった金盃は5着。今後に向けても手応えのつかめた1戦


 レース後は、普段の調教の動きも素軽くなり、心臓面も良化してきたそうです。この後は3月29日の名古屋大賞典(名古屋・1900m)や4月17日の新設重賞ブリリアントカップ(大井・2000m)などを視野に入れているそうです。

「今は中央から南関東に移籍してきた馬も多いですが、やっぱり負けたくありません。まだ6歳で馬も若いですし、一緒に大きなところを狙っていきたいです。心臓がとても強いので疲れも見せないしへこたれません。力も相当ありますね。普段はいい意味で我の強さはありますが、利口で扱いやすい馬なんです。今後もこの馬のペースに合わせて調教を積んでいって、その中でうまくレースに導いてあげられれば。もうひと花咲かせてあげたいです」(松浦調教師)

レースを終え、先日のモズライジン。次のレースに向けて順調に調整を進めているそうです


並んで談笑している姿も見られた矢作調教師と松浦調教師


 金盃のパドックには、中央時代に管理していた矢作調教師と松浦調教師が並んで談笑している姿が見られました。

金盃パドック中の矢作調教師と松浦調教師。矢作調教師と言えばお帽子ですが、松浦調教師も必須アイテム


 松浦調教師は元騎手で、お父様は偉大な騎手であり調教師でもあった松浦備さん。矢作調教師も大井競馬場で育ったことはあまりにも有名ですが、年代が違うだけに当時の2人は顔見知り程度。松浦調教師が18歳の時に進路を決めるにあたって思い悩んでいた頃、当時はすでに中央競馬で働いていた矢作調教師が、たまたま大井競馬場へ遊びに来た時にバッタリ会い、『馬をやるなら海外に行け』とアドバイスをもらい、アイルランドへ渡ったそうです。その経験がホースマン生活を送る上でも、とても大きなものになっていることは松浦調教師もよく言っています。

 それ以降も松浦調教師の人生の節目に矢作調教師からアドバイスをもらうことが多々あり、調教師になる際には中央で勉強するきっかけも作ってもらったそうです。プライベートでもよく一緒に過ごしているそう。松浦調教師は矢作調教師のことを心からリスペクトしています。

 ちなみに、矢作厩舎から松浦厩舎へという流れはこれまでもあり、矢作厩舎にいたタカオセンチュリーが松浦厩舎に移籍して、重賞アフター5スター賞を制したこともありました。その時も、柏木騎手&担当が秋本厩務員で、モズライジンとは同じ面々。さらに、東京ダービーを制したマカニビスティーは、矢作厩舎からお父様の松浦備厩舎にやって来たことも有名です。

 この金盃のパドック中に、モズライジンを見つめながら、矢作調教師と松浦調教師がどんなお話をしていたのか聞いてみたところ、「矢作先生からは『よく仕上げたな』と言って頂けたので、とてもうれしかったです。矢作先生は厳しさと優しさがある方でいつも応援してくださっていて感謝しています」(松浦調教師)

 南関東の一員となったモズライジンが、今後どんな競走生活を送っていくのか楽しみにしています。

7日は中央卒業生もいるフジノウェーブ記念


 さて、話は変わりますが、3月7日には地方競馬の希代なる名馬フジノウェーブの名を冠した重賞フジノウェーブ記念(大井・1400m)が行われます。(枠順はこちら)中央からの卒業生たち、皆さんご存知の名前がズラリと勢ぞろいしていますよ。こちらも注目です!

 次回は3月19日(月)にお会いしましょう!

南関東競馬リポーター。宮城県仙台市出身。元NHK山形放送局キャスター。タイキフォーチュンがきっかけで競馬の世界を知り魅了され、競馬を伝える仕事に就きたく上京。MXテレビ大井競馬中継を経て、現在は南関東競馬内で取材活動を行っている。南関東競馬公式ウェブサイト内・南関魂、大井競馬ホームページ、サンケイスポーツ、楽天、ウェブハロン、ターファイトクラブ会報誌、馬事通信など。

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