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ここは中穴狙いがオイシイ!/スプリングS

  • 2018年03月14日(水) 18時00分

■スプリングS(G2・中山芝1800m)フルゲート16頭/登録15頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 スプリングSにおいてかなり重視したいのが、前走馬体重というファクターである。基本的には「デカイ馬のほうが強い」という傾向にあり、前走馬体重が500キロ以上だった馬は、トータル[3-5-1-18]で連対率29.6%、複勝率33.3%という優秀な成績をマーク。対照的に前走馬体重が469キロ以下だった馬は、[0-1-3-29]で連対率3.0%、複勝率12.1%と、その信頼度は非常に低い。できれば前走馬体重480キロ以上、最低でも470キロ以上の馬格が欲しい。

 好成績である前走馬体重480キロ以上馬については、今回の枠番をチェック。こちらは完全に「内>外」で、馬番1〜8番に入った馬であればさらに期待できる。以上のデータから、人気になりそうだが危なっかしいのが、前走馬体重が460キロであるステルヴィオ。逆に、前走馬体重が500キロ以上であるゴーフォザサミット、ビッグスモーキー、レノヴァールの3頭は、狙う価値アリといえそうだ。

【コース総論】中山芝1800m Aコース使用

・コースの要所!

★人気サイドの過信は禁物。4〜6番人気など中穴狙いのほうがオイシイ。
★中山芝だが内外での成績差は非常に小さく、外を狙ったほうが儲かる。
★ハッキリと先行勢優勢で、最速上がり馬は低調な成績。逃げ馬も残る。





 正面スタンド前から発走する中山芝1800m。最初のコーナーまでの距離が205mと短めなので、スタート直後はけっこうゴチャつきそうだ。また、スタート直後が急坂というのも、このコースの特徴。いきなりスタミナを消耗するというタフなコース形態で、スピードや末のキレ味だけでは勝ち負けに持ち込めない。

 1番人気の信頼度は「並以下」であり、人気サイドは全体的に信頼できない印象。対照的に絶好調なのが、中穴ゾーンである4〜6番人気だ。単勝適正回収値や複勝回収値はココがもっとも高く、連対率20.4%、複勝率28.4%と信頼度の高さも十分。7〜9番人気や10〜12番人気もそれなりには来るが、こちらは2〜3着で狙ったほうが効率はいい。

 次に枠番。コース形態からも内枠が有利そうなのだが、実際はさにあらず。内枠である馬番1〜4番の連対率や複勝率がもっとも低いという、イメージとは真逆の結果が出ている。枠番の内外による有利・不利はほとんどないが、ファンが内枠を過剰に高く評価しているため、外枠を積極的に狙ったほうが儲かりそう。回収率ベースの数値は、外枠のほうが明らかに高い。

 脚質面はハッキリと先行勢優勢。逃げ〜先行勢と中団待機組とでは、信頼度に倍近くの大差が出ている。4コーナー11番手以下からでは間に合わず、最速上がり馬も[2-2-0-18]という低調な成績。器用さがなく、直線での末脚勝負に賭けるようなタイプは、たとえ1番人気であっても買いづらい。先行勢重視の姿勢を貫くべきコースである。

【レース総論】スプリングS(G2) 中山過去10年(9回)

・レースの要所!

★1番人気の信頼度は高いが勝率は低め。中穴を1着で狙う馬券が面白そう。
★コースデータとは異なり内枠が好成績。外枠は評価を少し割り引きたい。
★脚質面はコースデータ以上に前が優勢。逃げ〜先行勢を重視する方向で。
★前走着順が今回成績に直結するレース。前走大敗馬の巻き返しは期待薄。








 レースの平均配当は、単勝731円、馬連5518円、3連複6248円と低めの水準。3連複平均配当の低さが、とくに目立っている。それもそのはずで、6番人気以内[9-6-7-32]に対して7番人気以下[0-3-2-67]と、馬券に絡んだ馬の8割以上が6番人気以内。ふたケタ人気で激走した馬も4頭いるとはいえ、極端な穴狙いはオススメできない。

 では、1番人気が鉄板級の強さを見せているかといえば、そうでもないのが面白いところ。複勝率88.9%と信頼度は非常に高いのだが、勝ったのは2回だけで、2〜6番人気が8勝をあげている。中穴が強いというのはコースデータと共通する傾向で、ここも4〜6番人気を1着で狙うような馬券に、もっとも妙味を感じる。

 次に枠番だが、コースデータとは大きく異なる結果が出た。こちらは少頭数となった年が含まれているので正確さに欠ける部分はあるが、勝率、連対率、複勝率のいずれも内枠である馬番1〜4番がトップ。信頼度だけでなく、回収率ベースの数値も高い。対照的に成績不振なのが外枠で、連対率5.0%、複勝率10.0%という信頼度の低さ。こちらは、少し割り引いて考えたほうが良さそうである。

 しかし、脚質についてはコースデータとほぼ同じ傾向。4コーナーを5番手以内で回った馬が7勝12連対と、中団待機組とは比較にならないほどの強さを見せている。最速上がり馬が[2-2-2-10]と低空飛行である点もコースデータと同じで、末脚一辺倒では勝ち負けできないこと間違いなし。ハイレベルなスタミナや持久力が問われるレースといえる。

 前走クラス別で好成績なのは前走G1組だが、意外に取りこぼしが多く、単勝適正回収値は38.6という低さ。買うべきではあるが、上位には評価しないほうが良さそうである。それ以外では、前走で500万下を使われていた組が[4-4-2-29]と好成績。前走G3組やOP特別組との比較でも、内容はこちらのほうが間違いなく上だ。

 あとは、巻き返しがきかないレースであるのも覚えておくべきポイント。前走3着以内馬[9-7-8-59]に対して前走4着以下馬[0-2-1-40]という成績からも、後者が期待薄なのは明白である。そして、連闘〜中3週の「詰まった」ローテではなく、ゆったりしたローテのほうがベターであることや、鞍上の乗り替わりがマイナス材料ではないこと、関東馬のほうが関西馬より好成績であることなども押さえておきたい。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 引き続きAコース。少しずつ前有利の馬場へとシフトしてきている印象。

・天候予測
 週末にかけて少しずつ天候が崩れそうだが、道悪はあって稍重程度か。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ステイゴールド産駒○

 今週も引き続きAコースで開催される、中山芝コース。フラットな馬場で差しも相応に決まっていたが、土日ともに稍重だった影響か、先週は前が残る馬場へとシフトしたように感じた。今週も週末にかけて天候が崩れる見通しで、土日に雨が降る場合もありそうな雰囲気。馬場が渋るケースも想定に入れて予想したいところである。

 血統面は、ディープインパクト産駒とステイゴールド産駒をプラスに評価。勝率の高さはディープインパクト産駒が断然だが、連対率や複勝率の高さならば、ステイゴールド産駒も負けてはいない。ハーツクライ産駒などの成績も決して悪くはないが、この「二強」と比較すると見劣る内容であるのも事実。ちなみにロードカナロア産駒は、これまでに3走して[0-1-0-2]という成績だ。

★出走登録馬・総論×各論

 少頭数によるハイレベル戦だった弥生賞とはうってかわって、多頭数による混戦模様となりそうなスプリングS。重賞勝ち馬は1頭も登録がなく、朝日杯フューチュリティSの2着馬ステルヴィオや、東京スポーツ杯2歳Sで2着に食い込んだルーカスなどが人気を集めそう。共同通信杯の2着馬サトノソルタスも、出走してくれば上位人気の一角となりそうだ。

 しかし、当データ分析のトップ評価はレノヴァール。前走馬体重506キロという雄大な馬格の持ち主で、前走が500万下の若竹賞であることや、そこから中7週という余裕のあるローテで出走することなど、プラス評価となった項目は非常に多い。その若竹賞が、今回と同じ中山芝1800mであるのも好印象。この相手関係でどうかだが、内枠からスッと好位でも取れれば、アッサリ通用してしまいそうだ。

 二番手評価にサトノソルタス。堀厩舎らしく、最終追い切りの内容次第では回避する可能性もあるが、キャリア2戦で重賞で勝ち負けしてみせたのだから力がある。登録馬で唯一のディープインパクト産駒で、前走馬体重488キロと馬格も十分。関東馬が強いレースであるのも、この馬にとって追い風となる。出てくれば怖いのは間違いなしだ。

 三番手評価にエポカドーロ。父のオルフェーヴルよりも母のダイワパッションの影響が前面に出ているのか、ここまで逃げる競馬で結果を出している。中山では初出走となるが、脚質的にも展開的にも有利そうで、急坂さえこなせれば一発があっておかしくない存在といえる。うまく内枠を引き当てて先行できれば、なおさら面白い。

 以下はゴーフォザサミット、ハッピーグリン、ステルヴィオ、マイネルファンロン、ビッグスモーキー、ルーカス、カフジバンガードという評価の序列。波乱含みであるのは言うまでもないが、ドカン!と大荒れする傾向のレースではないので、ソコソコの配当を狙うスタンスのほうがいい。現時点ではレノヴァールの単複に魅力を感じるが、どうか。


■総論×各論・先週の馬券回顧



阪神11レース フィリーズレビュー(G2)
1着 10リバティハイツ
2着 09アンコールプリュ
3着 02デルニエオール

久々の大ハズレに(#^ω^)ビキビキ

前走が平場の500万下で、しかもそこで負けていた10リバティハイツ。いくら混戦模様とはいえ、ここを1着で狙うのはけっこう難しかった。同様に02デルニエオールの3着も狙いづらいパターンで、この3連単が5万馬券というのは「配当が低すぎる」と思えたほど。今の競馬ファンって本当に馬券が上手デスヨネ(敗北感)。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2008年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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