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トーセンスターダムが土曜のブレイミーSに出走、昨年2着の雪辱を

  • 2018年03月15日(木) 18時01分
ビクトリア競馬便り

▲今週土曜日のブレイミーSに出走するトーセンスターダム


(3月15日号 文=ポール・シムズ)

 オーストラリア・ビクトリア州から競馬にまつわる話題をお届けするコラム第3回目となる本日は、先週末にフレミントン競馬場で行われたスーパーサタデーについてお伝えする。

 メルボルンと言えば、世界的にも良く知られているスプリング・レーシング・カーニヴァルがあるが、秋のこの時期も、興味深い競馬が毎週行われている。

クイーンエリザベスSでウィンクスと対戦する可能性も


 2016年に豪州に移籍したトーセンスターダムが今週土曜日、フレミントンで行われるGIIブレイミーS(1600m)に出走。昨年2着だった雪辱に燃えている。

 このレースには、トーセンスターダムと同じオーストラリアのチャンピオントレーナーであるダレン・ウィーア厩舎からヒュミドールも出走予定。

 昨年のGIコックスプレートで、完全無欠の女傑ウィンクスに半馬身差まで迫り、あわや彼女の無敗神話を崩すかという好走を見せたヒュミドール。2頭はトップハンデの59kgを背負って出走する。

 現在、ブックメーカーによって1番人気となっているトーセンスターダムは、2017年のスプリング・レーシング・カーニヴァルで行われたフレミントンのGIエミレーツS(2000m)とコーフィールドのGIトゥーラックH(1600m)に続き、オーストラリア移籍後3つ目の重賞タイトルを狙う。

 前走GIフューチュリティS(1400m)で、元日本調教馬で同じくウィーア厩舎所属のブレイブスマッシュに僅差の2着と迫ったトーセンスターダムについて、管理するウィーア調教師は、前走と同じく良い状態でレースができれば、そう簡単に負けることはないだろう、と自信を覗かせる。

「前走後2度追い切りを行いましたが、内容は非常に良かったと思います。レースに向けてとても順調です」と語ったウィーア調教師は、昨年のパレンティノに続き、ブレイミーS連覇を狙う。

 ウィーア調教師によると、トーセンスターダムはブレイミーSを使った後、4月7日にランドウィックで行われるGIドンカスターマイル(1600m)から、その翌週に同じくランドウィックで行われるGIクイーンエリザベスS(2000m)に向かう予定とのことで、クイーンエリザベスS出走が実現すれば、デビュー以来の連勝が“23”まで伸びていて、現在ワールドランキング芝部門首位を独走中のウィンクスと対戦する可能性が大きくなった。

過去にさかのぼると・・


 ブレイミーSの歴代優勝馬を見ると、豪州調教馬で初めてジャパンカップを制したベタールースンアップの名前が挙げられる。

 “カップ・キング”の異名を持つ豪州競馬史上有数の名伯楽であるバート・カミング師の管理馬であったベタールースンアップは、リンジーパーク調教チームに移籍後、1990年と1991年にブレイミーSを連覇しているのだ。

 ベタールースンアップは、メルボルンカップ優勝騎手のマイケル・クラークを鞍上に迎え1990年のジャパンカップに出走。最後の直線でオーデとカコイシーズとの3頭の大激戦の末、わずかに突き抜けて優勝したのである。

 GI8勝を挙げたベタールースンアップは、1990/1991シーズン豪州年度代表馬に選出され、現役を退いたのち、2004年に豪州競馬の殿堂入りを果たしている。

ブレイブスマッシュ、歴史的快挙にあと1歩せまる


 先週末にフレミントンで行われた「スーパーサタデー」には、豪州へ移籍した日本産馬ブレイブスマッシュとアンビシャスの2頭が登場した。

 ブレイブスマッシュは、GIレクサスニューマーケットH(1200m)で実力の高さを証明した一方、GIオーストラリアンC(2000m)で豪州デビューを果たしたアンビシャスは9着に終わり、2頭は明暗を分ける結果となった。

ビクトリア競馬便り

▲先週末にレクサスニューマーケットHに出走したブレイブスマッシュ


 同じ年にGIフューチュリティSとGIレクサスニューマーケットHを制した馬は過去に6頭しかおらず、ブレイブスマッシュが史上7頭目の快挙達成なるかとの期待が高まったが、リンジーパーク所属のレッドカークウォリアーがゴール寸前でブレイブスマッシュを差し切り、このレース連覇を達成した。

 また、アンビシャスが出走したGIオーストラリアンCは、レッドカークウォリアーと同厩舎の伏兵ハーレムが優勝。ハーレムは、昨年のGIIブレイミーSで、パレンティノとトーセンスターダムの3着に入っている。

1864年に創設された、オーストラリアのビクトリア州における競馬主催団体。メルボルンCなどの大競走が行われるフレミントン競馬場をはじめとした、ビクトリア州各地の競馬場で開催される競馬の運営・統括をしている。近年では日本調教馬の移籍も多数実現しており、日豪の関係に重要な役割を担っている。

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