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リバーセキトバ以来の地方馬による勝利なるか?ブルドッグボス/黒船賞

  • 2018年03月19日(月) 18時00分


注目が集まる浦和のブルドッグボス


 3月20日(火)、高知競馬場で行われる『第20回黒船賞(JpnIII・1400m)』。昨年はロジータの血をひくブラゾンドゥリス(祖母シスターソノ、曾祖母ロジータ)が勝利。父は2001年・03年の勝ち馬ノボジャックで、見事親子制覇を果たしました。その後1年間のダートグレード競走・短距離戦線は混戦模様が続き、2012年13年14年を3連覇したセイクリムズン、2015年16年を連覇したダノンレジェンドのような絶対的な存在不在。各馬にチャンスありの戦いになりそうです。

 今回、俄然注目が集まるのは浦和のブルドッグボス。JRAから昨年夏に移籍後2戦目のクラスターCで重賞初制覇。その後もテレ玉杯オーバルスプリント3着、東京盃2着、JBCスプリント3着、カペラS3着、大晦日の大井・おおとりオープン1着ののち、前走・根岸Sでは復活を遂げたノンコノユメの5着。中央・地方を問わず常に上位争いを演じ、馬券圏内を外したのは前走のみ。中でもJBCスプリントでは1着ニシケンモノノフ、2着コパノリッキーと同タイムの3着で、JpnIに手が届く存在であることを証明しました。

 NARグランプリ2017・最優秀短距離馬を受賞。その際の共同記者会見で小久保智調教師は「(受賞できたことは)感謝の気持ちでいっぱいですが、悔しい思いの方が強い。もっと活躍させないとダメだと感じています。今年の目標はブルドッグボスでJBCスプリントを勝つこと」と力強く語りました。今年は京都競馬場で行われるJBC競走を大目標に、ここはきっちりと結果を出したいところ。ブルドッグボスが勝利すれば1998年第1回の覇者リバーセキトバ以来の地方所属馬による制覇となります。20回目を迎える節目の年に、待ちに待った勝利なるか?気持ちが高まります。

リバーセキトバ以来の地方馬による勝利なるか、ブルドッグボス(写真は2017年おおとりオープン優勝時、撮影:下野雄規)


 対するJRAからの出走馬は4頭。昨年の黒船賞で2着だったキングズガードは、7月のプロキオンSで重賞ウイナーの仲間入り。盛岡のマイルチャンピオンシップ3着、みやこS3着など重賞戦線で活躍。前走フェブラリーS6着より相手が楽になるここは当然勝利に近い1頭です。

プロキオンSで重賞ウイナーの仲間入りを果たしたキングズガード(写真は2017年プロキオンS優勝時、(c)netkeiba.com)


 昨年3着のグレイスフルリープ。2016年8月の佐賀・サマーチャンピオン、2017年9月の韓国・コリアスプリント、さらに前走・兵庫ゴールドトロフィーを制して重賞3勝目をマークしたばかり。8歳になっても衰え知らずで、昨年以上を目指します。

8歳になっても衰え知らずのグレイスフルリープ(写真は2017年兵庫ゴールドトロフィー優勝時、撮影:稲葉訓也)


 コパノマイケルは1000万下、1600万下を連勝中で昨年の覇者ブラゾンドゥリスを彷彿させる勢いある1頭。父ゴールドアリュールで村山明厩舎所属、馬主・ドクターコパこと小林祥晃さんというのはあのコパノリッキーと同じ。今後、偉大なる先輩にどこまで迫れるか?初の重賞挑戦での走りに注目です。

連勝中で勢いがあるコパノマイケル(写真は2018年初春S優勝時、撮影:下野雄規)


 ラインシュナイダーは昨年8月の佐賀・サマーチャンピオンを制し重賞初制覇。その後は勝ち星から遠ざかっていますが、久しぶりの地方競馬の舞台で復活できるでしょうか。

久しぶりの地方競馬の舞台で復活できるか、ラインシュナイダー(写真は2017年サマーチャンピオン優勝時、写真提供:佐賀県競馬組合)


ブルドッグボス以外の地方勢にもチャンスあり


 ブルドッグボス以外の地方勢にも見逃せない存在が。エイシンスパルタンはJRAの芝で6勝を挙げたオープン馬で、2016年のスワンSでサトノアラジンの3着、京阪杯でネロの2着と芝の短距離重賞で上位争いを演じている実力馬。兵庫に転入初戦、初ダートだった前走・園田のレースを7か月ぶりの休み明けで圧勝。逃げて後続を離し、スピードの違いを見せつけ持ったままで7馬身差。ダートグレード競走でいきなり結果を出し、アッと言わせる可能性大で大注目です。

JRAの芝で6勝を挙げた実力馬エイシンスパルタン(写真は2016年春雷S優勝時、(c)netkeiba.com)

 
 そのほか笠松グランプリでラブバレットの2着だった兵庫のエイシンヴァラー。現在地元高知で3連勝中、元JRAのワイルドコットン。昨年10着だった牝馬ディアマルコらも出走。

 混戦模様のダート短距離戦線。今年もまたJRA優勢の結果なのか?久しぶりの地方勢による制覇なるか?今後を占う意味でも見逃せない『第20回黒船賞』。ぜひ馬券を買ってご参加ください。

※次回の更新は3月28日(水)18時。翌日に名古屋競馬場で行われる「名古屋大賞典」のコラムをお届けします。



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【ダートグレード競走とは】
中央競馬・地方競馬の交流を促進し、ダート適性のある実力馬の出走機会の拡大を図るため、全日本的な見地から体系づけられたダート交流重賞競走の総称。

埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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