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堅く収まっている近年の高松宮記念

  • 2018年03月20日(火) 12時00分


◆単勝10倍未満の馬がグループとして堅調

 コース改修をまたいでいるので無茶な集計ではあるが、気が付けば高松宮記念はすっかり堅いGIになっている。

 過去10年で単複を均等買いした場合の回収率は単が31%で複が51%。08年以降の中央平地GI(フェブラリーSのみ11回となる)のうち単勝でこの数字を下回るのは大阪杯、ホープフルS、そして2011年のみ東京で施行の南部杯と、要するに過去10年中1回だけやって堅く収まったレースのみ。高松宮記念は阪神JFと並んでいちばん単が堅いG1となっている。

 複のほうは先の1回のみに該当する3レースに加えて天皇賞秋が45%で最も安くなっているが、高松宮記念より下はそれだけ。20以上ある平地GIのうち、単は実質的に堅いほうのトップ、複は2位ということになる。

 厳密に言うと、高松宮記念は堅いというよりも上位人気馬が崩れないというイメージ。1番人気馬の成績ももちろん良いことは良いのだが、単勝10倍未満の馬がグループとして堅調ともなっている。

 高松宮記念で単勝10倍未満の馬を08年以降すべて買った場合の回収率は単130%・複101%。単は2位のオークスを抑えてトップ。複も1回だけの南部杯と、実質2位の天皇賞春を抑えてトップだ。

 もちろん今年いきなり荒れる可能性はあるのだが、短距離路線の構図としてこうなっている可能性もあり、あまり無茶な穴狙いはしづらいかもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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