スマートフォン版へ

今年に関しては人気薄の激走もある!/高松宮記念

  • 2018年03月21日(水) 18時00分

■高松宮記念(G1・中京芝1200m)フルゲート18頭/登録23頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 高松宮記念のデータ攻略で、抜きにしては語れないのが「馬体重」だ。スプリント戦らしく大型馬が強く、2015年の覇者エアロヴェロシティや2016年の勝ち馬ビッグアーサーのように、当日520キロ以上で制した馬も出ている。昨年も、1着のセイウンコウセイが500キロちょうど、2着のレッツゴードンキが506キロと、500キロ以上馬によるワンツー決着。大型馬のほうが期待できるレースであるのは、間違いない。

 対照的に馬格のない馬は成績不振で、前走馬体重が479キロ以下だった馬は、3着にくるのが精一杯。前走での馬体重が480キロ以上であるのが、好走の必要条件といっても過言ではない。あとは、巻き返しがきかないレースであるのも特徴で、前走で「5着以内」の成績を残しているかどうかも重要。前走馬体重480キロ以上、かつ前走5着以内の馬であれば、高確率で好走が期待できそうだ。

 以上のデータからの注目馬が、キングハート、セイウンコウセイ、ナックビーナス、ファインニードル、レッツゴードンキの5頭。キングハートやナックビーナスは人気薄となりそうだが、軽視は禁物といえそうだ。ちなみに、香港から遠征するブリザードも、前走馬体重510キロ&前走5着と、好走条件をクリア。日本の芝コースに対する適性も証明済みとなると、やはり軽くは扱えない。

【コース総論】中京芝1200m Bコース使用

・コースの要所!

★波乱傾向が強いコースで超人気薄の激走率も高め。少しひねって買いたい。
★外枠は信頼度だけでなく回収率ベースの数値も低め。相応の割引が必要か。
★最後の直線は長いが、スプリント戦らしく先行勢が優勢。逃げ切りも多い。





 バックストレッチの中央付近からスタート。スタート直後は緩やかな上り坂だが、そこから4コーナー出口までは下り坂で、その後には今度は急坂が待ち構えている。スプリンターズSの舞台である中山芝1200mと同様に、短距離戦ながら起伏が大きなコースだ。ただし、中山とは違って最後の直線が400m以上と長いので、差しも届く。

 ならば人気馬が強いはず──と思いきや、1番人気の勝率は18.8%という低さで、単勝適正回収値も56.3と低空飛行。2〜3番人気との勝率差がほとんどないという、イマイチな内容である。これなら人気薄を狙ったほうが面白そうで、ふたケタ人気の激走率もけっこう高め。リスクとリターンのバランスがいいのは4〜6番人気や7〜9番人気だが、思いきって超大穴を狙うのもアリだろう。

 枠番は内であればあるほど有利という傾向で、外枠である馬番13〜18番はかなり不利。信頼度の低さもさることながら、単勝適正回収値や複勝回収値、枠番値などもかなり低く、非常に買いづらい。内〜中であれば問題なしだが、外枠に入った馬は人気であっても、相応の割引が必要不可欠。外枠不利なコースと結論づけたい。

 最後の直線が長く、直線の入り口に急坂もあるので差し届くが、トータルで見るとスプリント戦らしく先行勢優勢。道中のラップは序盤〜中盤とけっこう厳しいのだが、それでも4コーナーを先頭で回った馬は[8-3-3-35]で勝率22.4%、単勝適正回収値209.3という好内容を残している。差せなくはないが先行勢優勢で、後方から一気の脚で突き抜けるのは難しいコース。レッドファルクスやレッツゴードンキの過信は禁物だろう。

【レース総論】高松宮記念(G1) 過去6年(リニューアル以降)

・レースの要所!

★1番人気[2-0-3-1]、3番人気以内[4-4-5-5]と人気サイドが圧倒的に強い。
★内枠の人気馬は鉄板級の信頼度。コースデータ通りに内のほうがベター。
★コースデータ以上に前が優勢。好位追走→早め先頭で押し切るのが王道。
★前走での人気や着順が成績に直結。関東騎手騎乗馬や7歳以上馬は割引。







 中京のコース改修以降は、かなり堅く決まっている高松宮記念。1番人気[2-0-3-1]、3番人気以内[4-4-5-5]と人気サイドが非常に強く、当然ながら平均配当も単勝533円、馬連3723円、3連複6562円という低さとなっている。7番人気以下がトータル[0-1-1-69]という成績なのだから、これはかなり穴党泣かせ。そろそろドカン!と荒れる気がしないでもないが、極端な穴狙いはオススメはしかねる。

 次に枠番。外枠である馬番13〜18番の複勝回収値や枠番値が高く、コースデータとはいささか異なる結果が出ているが、それでもやはり有利なのは「内」だろう。馬番1〜6番はトータル[4-2-1-29]で連対率16.7%、複勝率19.4%という成績だが、5番人気以内に限れば[4-2-1-1]で連対率75.0%、複勝率87.5%という鉄板級の信頼度に。「真ん中よりも内かつ5番人気以内」という条件を満たす馬は、絶対に買うべきだ。

 脚質に関しては、コースデータ以上に先行勢が優勢。中団待機組はトータル[1-3-2-35]で複勝率14.6%、複勝回収値23とイマイチで、後方から追い込んで馬券に絡んだ馬は、2014年2着のスノードラゴンしかいない。超一流のスプリンターが集う頂上決戦で、先行勢はそうそう簡単には止まらない。好位追走から早め先頭で押し切る──といった競馬ができる馬に、本命を打つべきである。

 年齢別では6歳以下馬か、それとも7歳以上馬かが分水嶺。データ集計対象とした2012年以降、このレースで好走した7歳以上馬は香港のエアロヴェロシティだけだ。つまり国内勢は全滅しているワケで、人気を集めるであろうレッドファルクスやダンスディレクターは、イメージ以上に危なっかしい面がありそう。さすがに、これを理由に「消し」で勝負するのは危険だろうが、盲信するのはもっと危険だ。

 あとは、現在の高松宮記念が「巻き返せないレース」であるのも押さえておきたい。前走での人気や着順がそのまま結果に繋がっている印象で、前走6番人気以下から巻き返したのは、不良馬場で水を得た魚と化したスノードラゴンのみ。前走6着以下から巻き返したのも、前走が海外遠征だった昨年のレッドファルクスと、まだ本格化前の2013年ハクサンムーンだけだ。厳密にいえば、前走人気は「4番人気」以内、前走着順は「5着以内」であるのが望ましい。

 そして最後に騎手関連データ。鞍上が乗り替わっても好走したのは人気馬ばかりで、「人気薄×乗り替わり」のパターンは大幅割引。また、関東所属騎手の成績が[0-2-0-33]ときわめて悪いという点も、覚えておいて損はない。ここは「人気馬×継続騎乗×関西騎手・外国人騎手」という、G1で強いパターンを素直に狙うのがベターだ。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 A→Bコース替わり。フラットな馬場から前残り馬場へのシフトを警戒。

・天候予測
 金曜日から天候が回復する見込み。土日ともに好天で良馬場となるはず。

・注目血統
 ディープインパクト産駒△、ヨハネスブルグ産駒△、オレハマッテルゼ産駒△

 前が残るも差しが決まるも展開次第──という印象だった、先週までの中京芝コース。内外での偏りも見られず、かなりフラットな馬場だったと思われる。ただし、今週末からA→Bコース替わりで、内ラチ沿いを通れる馬や先行勢のほうが有利な馬場となる可能性が高そう。馬場バイアスは、土曜日のうちにしっかり見定めておこう。

 血統面では3種牡馬の産駒をプラスに評価したが、評価内容はいずれも△。ディープインパクト産駒も「横の比較では優秀だが縦の比較ではイマイチ」で、コース適性が高いとは言えないはずだ。同様に、回収率ベースの数値が優秀なヨハネスブルグ産駒や、出走数は少ないが内容的に侮れないオレハマッテルゼ産駒も、コレを理由に「買い」とまでは言えない。血統というファクター自体を軽視しても、おそらく差し支えないと思われる。

★出走登録馬・総論×各論

 現在のスプリント王であるレッドファルクスが、海外遠征帰りだった昨年とは違い、今年はいたって順調なローテを消化。前走の阪急杯は3着に取りこぼしたが、得意の中京替わりで圧倒的な人気を集めることだろう。それに対するは、昨年のスプリンターズSで2着に好走しているレッツゴードンキや、シルクロードSを圧勝したファインニードル、阪神カップの2着馬ダンスディレクターなど。香港から参戦するブリザードも侮れず、G1らしいハイレベルな戦いが期待できそうだ。

 当データ分析のトップ評価はファインニードル。あらゆるファクターでプラス評価を獲得しており、マイナス評価となった項目はひとつもないという完璧な内容で、迷わずの筆頭評価となった。スプリンターズSで12着に大敗しているように、乗り難しい部分も抱えている馬だが、初の中京でもここは非常に面白いはず。外枠さえ引かねば、好勝負必至と見ている。

 二番手評価にレッツゴードンキ。ダートのフェブラリーSで素晴らしい末脚を見せ、馬券を買っていなかったファンをヒヤリとさせた。昨年の芝スプリントG1でいずれも2着という実績は、レッドファルクスに次ぐもの。強調材料の多さも十分で、今年の芝スプリント戦線でも主役級の活躍が期待できそうだ。過去に好走例のないローテだが、そこは気にしなくていいだろう。

 三番手評価に、人気薄のナックビーナス。短距離戦で大崩れしていない安定感は高く評価できるもので、近走内容から一線級が相手でも勝負になりそうな気配を感じる。プラス評価となった項目の多さは驚くほどで、割り引いたのは、鞍上が横山典騎手から三浦騎手に乗り替わるという点のみ。内枠からスッと先行できれば、なおさら面白い。

 以下はレッドファルクス、ブリザード、セイウンコウセイ、キングハート、ダンスディレクター、ダイアナヘイロー、ネロという評価の序列。ここまでの文中で何度も指摘しているように、今回のレッドファルクスはけっこう危なっかしい面があり、「実績や人気から買うべきではあるが、本命で買うべきではない」という評価となった。

 ハイレベルなメンバー構成で、近年より波乱の気配を感じるだけに、チョイ穴を狙ってみるのもアリ。中京芝1200mというコースを考えると、このところの高松宮記念は堅く決まりすぎている感がある。どのような枠番になるかも注目で、外枠に入った馬は、やはり評価を割り引きたいところである。


■総論×各論・先週の馬券回顧




中山11レース スプリングS(G2)
1着 08ステルヴィオ
2着 05エポカドーロ
3着 12マイネルファンロン

惜しいハズレとか一番アカン(#^ω^)ビキビキ

トップ評価だった04レノヴァールの単複で勝負しましたが、「届きそうで届かない5着」という冴えない結果に。もう、フツーにステルヴィオが強かったデスネ。この結果を受けて評価がさらに高まるのが、ステルヴィオを朝日杯FSで退けているダノンプレミアム。朝日杯組がここまで強い牡馬クラシック戦線って、ものすごく久しぶりな気がします。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2012年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング