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日高自動車道、厚賀まで延伸

  • 2018年03月21日(水) 18時00分
生産地便り

開通パレード風景


一般参加者と軽種馬関係者など約70人がパレードに参加


 今月17日(土)、午後2時より、日高自動車道日高門別インターチェンジ〜日高厚賀インターチェンジ間(14.2キロ)の「開通前記念優駿パレード」が、厚賀トンネル前〜出入り口付近約650メートルにて行なわれた。来る4月21日午後4時に予定されている供用開始を前に、開通を祝して実施されたもので「優駿日高道!!オールひだか魅力発信協議会」が主催。浦河町のJRA日高育成牧場と新冠ホロシリ乗馬クラブのサラブレッド9頭、ポニー1頭を先頭に、ホッカイドウ競馬マスコットのホクト君とナナセちゃん、とねっこ君、クルミちゃんなど、沿線各町のゆるキャラや、公募による一般参加者と軽種馬関係者など約70人がパレードに参加した。

 日高自動車道は、道央道の苫小牧東インターチェンジから分岐し、計画では、浦河町まで120キロを結ぶとされている。今回の日高厚賀インターまでの開通によって、全120キロのうちの約半分、57.9キロが開通することになる。

 現在、日高自動車道の終点は日高門別インターだが、ここの開通が2012年のこと。以来、6年かかって、ようやく厚賀まで伸びたことになる。今を去る20年前の1998年に苫小牧東インター〜厚真インター間が開通して以来、ようやくこれで計画の半分まで完成したわけだが、問題はこの後であろう。

 すでに、新冠町内のあちこちで日高自動車道をさらに延伸させるための工事が始まっているものの、次の目標ともいうべき新冠、そして新ひだか町静内まで開通するのは果たしていつのことになるだろうか。

 私たち浦河町民はもちろんのこと、新ひだか町以東の各町の住民にとっては、日高自動車道が計画通りに浦河まで延伸する(完成する)のは、悲願だが、実際問題として、それが本当に実現するのだろうか、と懐疑的にもなってくる。現在の工事の進捗状況から考えても、10年後くらいに新ひだか町静内まで到達したら、ひとまずそれで工事が終了してしまうのではなかろうか。

 すでに日高町の人々にとっては、日高自動車道は「開通」しているので、その恩恵を十分に受けており、今後どこまで延伸されるかについては、本音の部分では「あまり関心がない」という人が多い。自身の居住エリアまで到達してくれたら、それで終わりなのである。

 もっとも、建前では、決してそんなことは口にしない。計画通り浦河までの一日も早い完成を願っている、と言う。だが、日高管内に住む人々の多くは、所用にしろ仕事にしろ、東(えりも岬方向)に向かうよりも、西(苫小牧、千歳、札幌方向)に向かう割合の方が圧倒的に大きく、さらに言うならば、日高町厚賀以西の人々にとっては、これで高速道路問題は半ば解決したも同然という受け止め方になっているものと推測される。

 だが、もともと日高管内を走る国道は、海岸にほぼ沿って作られており、自然災害にはひじょうに脆弱であることが以前より問題視されていた。つい先ごろ(3月9日)もこの時期としては異例の豪雨に見舞われ、一時、235号線の日高町内と236号線(浦河〜大樹間)、さらには336号線(広尾町内)の3ヶ所が通行止めになったばかりだ。通行止めになればとたんに物資の輸送や人々の移動に支障を来すことになり、急患を搬送する際などには人命にかかわることも起きてしまう。

 国道と並行して内陸部を走る日高自動車道は、やはりせめて新ひだか町静内までは、一刻も早い完成、開通が待たれる。自然災害に脆い現在の国道だけに頼るのでは、ひじょうに危うい。日高中部と東部の過疎化に歯止めをかけるためにも、日高自動車道のさらなる延伸をぜひ実現して欲しいところだ。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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