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豪華メンバーが集結した大阪杯!有力馬の追い切りをチェック!

  • 2018年03月28日(水) 18時00分


まだまだ伸びしろがありそうなアルアイン


 今週のコラムの冒頭部分を書いているのは、28日の調教開始前。今週の大阪杯出走組はもちろん、桜花賞の1週前追い切り、皐月賞の2週前追い切りと「G1組」の追い切りを見逃すことができないと思うと、わくわくする気持ち以上に焦る気持ちの方が大きくなるのが現状。とはいっても、なるようにしかならないので、あらかじめ目星をつけたところを、といった感じです。

 でも大阪杯に関しては、どこに目星をつけるか迷ってしまうラインナップ。27日に坂路馬場で出走予定馬のキャンターを見ていましたが、どれもこれも「前走よりイイ」状態。何を基準にするかは、追い切りで感じた直感に過去の好走時のパターンである客観がマッチングした馬ということになりそうです。

【大阪杯/サトノダイヤモンド】

 前走は凱旋門賞後はじめてのレース。1週前追い切りまで、併せ馬では覇気を感じることができませんでしたが、最終追い切りでC.ルメール騎手が跨った動きが3歳時や4歳春に見せていたものに近いと判断。これでどんなレースをするかと思っていましたが、終いはしっかりと伸びてくる内容でした。

 そして今回。ひと叩きしたことで、普段の歩く様子にも力強さが出ています。これは単純にひと叩きしたことによる肉体的な上積み。あとは精神的にひと叩きがどう出るのかというところでしたが、戸崎圭太騎手が跨った最終追い切りではラスト1F11.6秒で併せ馬に先着。決して悪い内容ではなかったと思います。

 ただし、6Fが85.4秒と遅め。中2週をむしろ6Fから追ったことで評価することもいいかも知れませんが、今回は前走のようなスローペースにはならないはず。その時に速いペースで追走して、前走のような脚を使えるかどうか。ここは気になるところではあります。

サトノダイヤモンド(3月28日撮影) style=

サトノダイヤモンドは前走のような脚を使えるかどうか。ここは気になるところ(3月28日撮影)


【大阪杯/スワーヴリチャード】

 1週前追い切りがCWで3頭併せの外。かなりしっかりとやってくる印象でしたが、25日の日曜日に追い切っていないので、2本の追い切りできっちり負荷をかけるという予定だったのでしょう。最終追い切りはM.デムーロ騎手が跨ったので、見た目にはかなり軽い内容でした。

 とはいっても、時計は6F83.0秒。終いも1F12.4秒と伸びています。単走だったので、あまりスピード感はありませんでしたが、それだけゆったりと走れている証拠でしょう。あとは実戦スピードになった時の右回りでのささり癖。勝負どころで急かされた時にきっちり対応できるかどうか。これが右回りのG1を勝てるかどうかの分岐点になりそうです。

スワーヴリチャード(3月28日撮影) style=

スワーヴリチャードはこれが右回りのG1を勝てるかどうかの分岐点になりそう(3月28日撮影)


【大阪杯/シュヴァルグラン】

 今春の最大目標は天皇賞・春。なのに、しっかりと負荷をかけられているので、馬がかなり前向き。この距離も全く気にならないくらい、俊敏に動ける態勢が整っているというのが、先週までの追い切りを見た印象です。

 そして27日の坂路キャンターでも同じことを感じて、最終追い切りの坂路での動きも同じ。最終追いはインヴィクタを追走しましたが、最後は楽々と交わして、4F目が最速になるラップ。4F53.0秒の時計は速いと思いますし、1F12.4秒も高く評価できる数字。レースでの位置取り次第では、十分に勝ち負けが期待できる状態だと思います。

シュヴァルグラン(3月28日撮影) style=

十分に勝ち負けが期待できる状態だと思うシュヴァルグラン(3月28日撮影)


【大阪杯/アルアイン】

 京都記念の追い切りで4歳になってのパワーアップを感じていましたが、今回はパワーは変わらず、無駄な力みがなくなった印象。成長力というか、進化というか、まだまだ伸びしろがある素材という気がします。

 それだけにここでどんな競馬をするのか。ここまでの中間の追い切り内容、そして先週の追い切りで今回の最終追い切りが4F追いになることは想像できました。その動きが素晴らしいですね。毎日杯も含めて、阪神競馬場は2戦2勝。池江厩舎4騎の中でも、個人的には一番魅力を感じる存在です。

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池江厩舎4騎の中でも、個人的には一番魅力を感じるアルアイン(3月27日撮影)


【大阪杯/ヤマカツエース】

 前走は「太かった」というのが、担当する土屋均調教助手のコメント。今回は昨年よりも坂路での追い切りを1本増やして、確実に前走よりシェイプアップ。あとは最終追い切りで好走時の機敏さが出るかどうかが注目でした。

 結論から言えば、昨年と同じく、追われてからぐんぐんと伸びていく走り。数字的にも前走よりも馬体が絞れていると思いますが、それで動けるということをこの追い切りで実感させてくれました。前走のパフォーマンスが低く、それで老いたというのは調教過程が関係ない見方。前走と今回の調教内容の流れを見れば、決して侮ることはできません。

ヤマカツエース(3月28日撮影) style=

決して侮ることはできないヤマカツエース(3月28日撮影)


◆次走要注意

・3/25 六甲S【ハクサンルドルフ】(3人4着)

 メンバー最速上がりを使っても、いつも届かないレースばかり。前半はそこそこ流れたレースですが、中盤が少し緩んだので結果的に届かなかったのでしょう。個人的にはエプソムCなど厳しい流れになった方が勝負圏内に来れる馬。やっぱり東京競馬場でこそ持ち味が出ると思います。

[メモ登録用コメント] [東京芝]最終追い切り栗東坂路で4F目最速該当なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・御堂筋S【テーオーフォルテ】
 連勝中ですが、その勢いを感じずにいられない最終追い切りの動き。6F80.4秒という動きはもちろんですが、道中がうずうずするような行きたがる仕草を見せていながら、終いしっかりと11.9秒で伸びたところが評価できます。併せ馬でも一瞬で相手を抜き去る機敏さが素晴らしいと思います。

テーオーフォルテ(写真奥、3月28日撮影) style=

併せ馬でも一瞬で相手を抜き去る機敏さが素晴らしいテーオーフォルテ(写真奥、3月28日撮影)



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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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