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好メンバーが集まった大阪杯、「中距離GIらしい決着」となるか?

  • 2018年03月30日(金) 18時00分


◆右回りと、道中の折り合いが鍵となるスワーヴリチャード

 大阪杯は好メンバーが集まったが、どちらかというと2400mがベターな感じの馬も多い。中距離GIらしい決着になるかどうかが焦点だ。

 スワーヴリチャードは右回りと、道中の折り合いが鍵だろう。前走にしてもぎりぎりのところで走っている。そういう馬だけに外国人騎手とのコンビは生きるが、外枠を引いてしまったので、結局折り合いの問題は解消しない。恐れず前走のように位置を取っていくのか、いったん引いて差し構えか、とる戦法にも興味がある。

 サトノダイヤモンドはもう少し距離があったほうがいいと思う。内回りコースだとこの馬の良さが生きない可能性も。ただ本来の能力が高いので、能力だけでどこまで進出してこられるか。逆に、ここで結果が出なくても天皇賞春で狙うべき馬にはなる。

 アルアインは能力の絶対値だと上記2頭に勝てないのかもしれないが、中距離適性と持続力型の競馬への適性はある。展開次第では皐月賞と近いニュアンスの競馬になる可能性も。川田騎手とこのコースの相性も良い。

 ダンビュライトは緩みの無い流れになったときにチャンスがありそうな1頭。ただペースはやってみないと分からない話なので、速い上がりを使えないぶん位置はとっておきたい。そう考えると外枠はちょっと痛い。

 ペルシアンナイトはいったんマイルまで距離短縮したあと1ハロンずつの延長で、今回はテン乗り。2000mをこなすスタミナはあるはずだが、ペースが緩むと折り合いリスクはかなり出てくる。ファンが考える以上に難しい一戦ではないかと思う。

 シュヴァルグランはちょっと距離不足かと思う。JCのときは積極策が功を奏したが、2000mの流れで同じことはできないはず。能力はある馬なので展開次第で届く可能性はあるが、自分で競馬は作れず、展開待ちの身となる。

 ミッキースワローは決め脚もあるし捲りもあって引き出しの多いタイプ。無理をせずに位置が取れれば面白いが、格の問題は立ちはだかる。ビッグネームたちが距離や折り合いで能力を出し切れなかった場合にかわって浮上するイメージ。

 ウインブライトはこのところ先行寄りになっている点が魅力。今回はヤマカツライデンが逃げてくれると思うので、その後ろから圧をかけて極端に緩むラップができないようにしたい。いわゆるよーいドンの競馬になると分が悪いが、全員なし崩しに脚を使うような競馬になるとこの馬にチャンスが出てくる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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