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安田翔師、宿命ケイティクレバー/吉田竜作マル秘週報

  • 2018年04月11日(水) 18時00分


◆「ケイティブレイブ事件」の真相とは…!?

 2月いっぱいでのベテラン調教師の引退、3月からの新規調教師の開業に伴い、トレセンでは情報が錯綜することがある。今年最大の“迷惑情報”は「杉山厩舎に転厩する話だったケイティブレイブは、なんでも安田翔厩舎に行くことになったらしいぞ」との噂。ご存じの通り、ケイティブレイブは当初の予定通り、目野厩舎から杉山厩舎へと移り、ダイオライト記念で移籍後初勝利を飾ったわけだが、なぜ急に安田翔厩舎の名前が挙がることになったのか?

 ケイティブレイブが所属していた目野厩舎のスタッフが安田翔厩舎に移籍した背景から、“ない話ではない”ため、噂が真実のように伝わったのだろうが、当の安田翔調教師を直撃してみると…。

「研修に出ている時、千葉サラブレッドセールに出場する予定だったオメガパフュームとケイティクレバーの調教にまたがったことがあるんです。オメガパフュームを落札していただいた原オーナーにあいさつに出向いた時に、ちょうど瀧本オーナーがケイティクレバーを落札して。またがっていたことを伝えると、“目野先生が引退した後は、お願いします”と」

 ちょっと待ってくださいね。ケイティクレバーじゃなくて、ケイティブレイブの噂話の真相を知りたいのだが…。

「その時に“一緒にケイティブレイブの妹(ケイティマドンナ=父サクラプレジデント)もお願いできませんか?”となって(現在は安田隆厩舎)その話がどこかで間違って伝わったのかもしれませんね。いちいち説明するのも大変なので、放っておきましたけど(笑い)」

 というわけで、「ケイティブレイブ事件」の真相は解明できたが、皐月賞を前にして興味深いのは、ケイティクレバーのデビュー前に、安田翔調教師に騎乗経験があったこと。何か宿命めいたものを感じずにはいられない。その師がケイティクレバーについて「逃げて勝ってはいますが、性格的には合わないんじゃないか」と注目の発言をしている。

 2月いっぱいで定年を迎えた目野調教師の決めゼリフが「逃げればええんや」だったのは周知の話。その戦法は特にローカル小回りにマッチしたことで、かつて2歳戦で猛威を振るったものだ。しかし、その戦法も合う、合わないがある。

「馬と一緒に歩いていると安心するタイプで、むしろ馬を追い越すと不安になってイライラし始める。だから性格的には合わないんじゃないかと。そのあたりは浜中騎手に乗ってもらった上で判断しますが、おそらく同じようなことを感じると思いますよ」(安田翔調教師)

 ウッドで併せ馬を敢行した1週前追い切り(5日)は追走先着フィニッシュ。引き揚げてきた浜中は「“逃げなきゃダメ”って馬ではないと感じました。抜け出した時に反応が悪ければ、アクションをしてほしいと言われてましたが、そんな必要もなかったですから。いい反応をしていたし、最後も余裕があった」

 その数時間後に主役のダノンプレミアムの戦線離脱が発表され、今年の皐月賞は一転して混戦ムードになった。

「正直、もう少し時間があれば、とは感じます。でも本当にいい筋肉、いい身のこなしをする馬なんです」

 開業してわずか1か月半。運良く転がり込んできただけのチャンスとは思えない。助手時代にあのロードカナロアを育て上げた若き才能は、トレーナーとして最初のクラシックの舞台で、どのような輝きを見せるのか。彼を“デビュー当時”から見続けてきた者として非常に注目している。

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