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芝中距離で大きなところを狙えるコントラチェック

  • 2018年04月18日(水) 12時00分
≪2歳≫
●ガルヴィハーラ(牡 美浦・萩原清 父ゴールドアリュール、母ポロンナルワ)
 新馬戦、中京2歳S(OP)を連勝し、阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)とデイリー杯2歳S(GII)で4着となったディーパワンサ(父ディープブリランテ)の半弟。全兄ヒシシンハラは2016年のセレクトセール1歳において落札価格7700万円ときわめて高い評価を得たものの、残念ながら競走馬となる前に死亡してしまった。母ポロンナルワはシンハライト(16年オークス-GIなど重賞3勝)、リラヴァティ(16年マーメイドS-GIII))、アダムスピーク(11年ラジオNIKKEI杯2歳S-GIII)、ミリッサ(17年ローズS-GII・4着)の半姉にあたる超良血馬。名牝Glorious Song 2×3という強度の牝馬クロスを持っているのも魅力的だ。一方で、ポロンナルワ自身や、競走年齢に達した産駒3頭中2頭が中央でデビューできていないように、体質の弱さを伝えている可能性もある。そうした点がなければ楽しみ。ダート向きの中距離タイプ。

●キアレッツァ(牝 美浦・萩原清 父ディープブリランテ、母フォルテピアノ)
 母フォルテピアノは現役時代にダート短距離で3勝。デビューした4頭の産駒はすべて勝ち上がり、現4歳のパルティトゥーラ(父マンハッタンカフェ)は3勝を挙げて準OPまで出世している。2代母キョウエイフォルテはブリリアントベリー(ヒストリカルの母)、エヴリウィスパー(トーセンホマレボシの母)と全姉妹の関係にあり、ディープブリランテを父に持つ本馬はディープインパクト産駒のヒストリカル(12年毎日杯-GIII)、トーセンホマレボシ(12年京都新聞杯-GII)と血統構成がよく似ている。それらと4分の3同血のトーセンスターダム(17年エミレーツS-豪G1、17年トゥーラックH-豪G1)とも似ている。マイルから中距離でいい仕事をしそう。

●グランアレグリア(牝 美浦・藤沢和雄 父ディープインパクト、母タピッツフライ)
 母タピッツフライは北米で24戦7勝。ジャストアゲームS(米G1・芝8f)、ファーストレディS(米G1・芝8f)などを制した芝の一流馬で、2012年のファシグティプトンノベンバーセールでノーザンファームが185万ドルで落札した。来日後、2年連続不受胎のあと、3年目の種付けでようやく受胎したのが本馬。母の父TapitはA.P.Indy系のトップサイアーで、14年から3年連続で北米リーディングサイアーの座につき、種付料30万ドルは現在北米ナンバーワン。「ディープインパクト×Tapit」は、デビューした5頭中3頭が勝ち上がり、クイーンC(GIII)3着のアルーシャ、現1000万下のエイプリルミストなどが出ており悪くない。母のNijinsky 4×4も好ましく、瞬発力に特長のあるPerfect Pigeon牝系に属しているのもいい。芝向きの中距離タイプ。

●コントラチェック(牝 美浦・藤沢和雄 父ディープインパクト、母リッチダンサー)
 バウンスシャッセ(14年フラワーC-GIII、15年中山牝馬S-GIII、15年愛知杯-GIII)、フロアクラフト(13年オークス-GI・5着)の3/4妹で、ホーカーテンペスト(12年ニュージーランドT-GII・6着)の半妹にあたる良血。母リッチダンサーは日本で産んだ7頭中6頭が勝ち上がっており、確実性と大物感を兼ね備えた優れた繁殖牝馬。これだけの実績を残しているにもかかわらずディープインパクトと交配するのは今回が初めて。母方にFairy Kingを持つディープインパクト産駒はこれまで14頭がデビューして11頭が勝ち上がり、ハープスター(14年桜花賞-GIなど重賞4勝)、ジュールポレール(17年ヴィクトリアマイル-GI・3着)、ファタモルガーナ(12、14、16年ステイヤーズS-GII・2着)、トーセンブレス(18年フラワーC-GIII・2着)などコンスタントに活躍馬が出ている。芝中距離で大きなところを狙える器だろう。

●ダノンファンタジー(牝 栗東・中内田充正 父ディープインパクト、母ライフフォーセール)
 母ライフフォーセールは南米アルゼンチンで10戦8勝。ブエノスアイレス大賞(亜G1・ダ2200m)、ラプラタオークス(亜G1・ダ2000m)など6つの重賞を制した。母の父Not for Saleはアルゼンチン生まれのスプリンターで、シウダッドデブエノスアイレス大賞(亜G1・ダ1000m)を制覇。種牡馬としては距離の壁はなく、2000mはもちろん2400mの大レースを勝った子もいる。Swaps 4×3なのでダート向きの適性は高いが、芝でも問題なく、豊かな成長力と大レース向きの底力も特長のひとつ。クラシック向きの血統として魅力的だ。半姉ロクセラーナ(父キングカメハメハ)は新馬戦(芝1600m)でクビ差2着のあと未勝利戦(芝1600m)を2馬身半差で勝ち上がった。芝中距離向きで、切れる脚があれば楽しみ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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