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人生と馬の歩みは本当によく似ている…生きる勇気をもらい競馬場へ足を運ぼう/吉田竜作マル秘週報

  • 2018年04月25日(水) 18時00分


◆サラブレッドから生きるヒントを

 何かと人生に例えられるのが競馬。その流れで言うなら、POGは“青春時代”だけを切り取って楽しむゲームなのかもしれない。甲子園を目指す高校生に熱い声援を送る国民性だからこそ、このゲームが受け入れられているのかなとも思う。

 POGの肝といえば、もうすぐ始まるドラフト会議。この一大イベントが終わってしまうと、頂上決戦までが間延びしてしまうものだ。1年間飽きずにPOGを楽しめるように…という趣旨でこのコラムを書いてきた。そうした日々を重ねて、人生と馬の歩みが本当によく似ていることに気づいた。トレセンに来たばかりの2歳馬は、幼稚園に入園したての子供のよう。時にはケンカをしたり、わがままを言ったりしながら、先生=厩舎スタッフの指導を受けて、才能を開花させていく。娘の成長が重なる時期もあったため、このPOGのサイクルが何ともいとおしく感じたものだ。

 しかし、馬の成長にまつわるサイクルは早い。クラシックが終わって目標を見失う馬、途中で脱落する馬も当然出てくる。それは人間の競争社会よりも、はるかに厳しい。ダービーまでの道のりが、自らの歩いてきた道のりなら、馬も記者も、その先こそが重要なのではないか。

「まずは少々無理をしてもダービーを目指す。ただ、年を重ねていくと、適性というものが出てくるからね。その後は馬に合った路線を――」

 多くの関係者が口にする言葉だ。現実と向き合いながら、馬たちはそれぞれに合った道を歩みだす。人もまた同じ。サイクルの早いサラブレッドの行方を追うことは、私たちがこれから生きていく上で何かのヒントにならないだろうか。

 ダービーを目指す若駒たちは、かつての若いあなたが頑張っていた姿。そして、青春を燃やし尽くした後、途方もない現実に挑む古馬は、これからのあなたが進む道なのかも…。

 成功も失敗も理解できない馬は、人の助けを得て懸命に生きる。馬が人の助けを得て生きているのなら、人が馬の助けを借りてもいい。馬に生きる勇気をもらいに、競馬場へと足を運ぼうではないか。そのキッカケがPOGになれば、記者も20年近くこのコラムを担当してきたかいがあるというものです。

「吉田竜作」の冠は取れますが、「POG(秘)週報」は続きます。長い間、本当にありがとうございました。と同時に、これからも変わらぬご愛顧よろしくお願いします。

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2010年に創刊50周年を迎えた夕刊紙。競馬確定面「競馬トウスポ」(大阪スポーツは「競馬大スポ」、中京スポーツは「競馬中京スポ」)は便利な抜き取り16ページで、中身は東スポグループだからこその超充実ぶり。開催3場の全36レース(2場開催の場合は全24レース)の馬柱を完全掲載しています。

関東・舘林勲、大阪・松浪大樹の本紙予想のほか、記者による好評コラム(「一撃・山河浩、馬匠・渡辺薫など)、そして競馬評論家・井崎脩五郎、爆笑問題の田中裕二、IK血統研など超豪華執筆陣の記事も読みごたえたっぷり。馬券作戦に役立つ情報が満載です。

関連サイト:競馬トウスポWeb

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