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キタサンブラックの“影武者”黒岩悠騎手にお話をお聞きしました!

  • 2018年05月01日(火) 18時00分
黒岩騎手

名馬を鍛え上げる黒岩悠騎手の“秘訣”に迫りました!



「騎手として認めてもらえるように頑張りたいです」


 春の伝統の盾争奪戦。父ステイゴールド譲りの魂の走りを見せたレインボーラインがインを突き、クビ差でシュヴァルグランを交わし栄光をつかんだ。メンバー最小タイの452kgの馬体を伸ばし切っての懸命の盾制覇に感動。

レインボーライン

父ステイゴールド譲りの魂の走りを見せたレインボーライン


 でも、大歓声が一瞬にしてどよめきに変わった。岩田騎手がゴール直後に異常に気付いて下馬し、レインボーラインを気遣う様子がターフビジョンに映し出された。ウイニングランのないさみしい表彰式になったが、レインボーラインの懸命の走りに拍手(パチパチ)。

岩田騎手

岩田騎手会心の騎乗も、笑顔のない会見に


天皇賞春

▲▼ウイニングランもなく、主役不在の表彰式

天皇賞春

 ドキッとはしたが最悪の事態は免れ、歩様の異常などが見られる「右前肢ハ行」の診断。大仕事をやってのけたレインボーライン、ゆっくり休養し復活してください。ファンは待っています。

 阪神大賞典の再現のようなレース展開でしたね。岩田騎手の勝負へのこだわりが全開、見ごたえのあるとっても素晴らしいレース展開でした。

天皇賞春

見ごたえのあるとっても素晴らしいレース展開でした


 今後もシュヴァルグラン、クリンチャー、そしてガンコとの対戦が楽しみです。早くも秋競馬への夢が膨らんできますね。興奮さめないですがダービーまでまだまだ、GIレースが続きますよ。まだまだ続くレースを楽しんでください。

クリンチャー

クリンチャー


ガンコ

ガンコ


 昨年覇者のキタサンブラックが引退し期待がかかったシュヴァルグランは、連続銀メダルになってしまったけれど、ハッピーな気分で走れたのではないでしょうか。巻き返しに期待したいですね。

***

 さて今回は、ずっとキタサンブラックの調教をつけていた“影武者”黒岩悠騎手を取材しました。

常石 今日はよろしくお願いします。この間…ちょっと前になるね。ドバイへも行ってきたそうですね

黒岩 清水調教師の馬が出走するので調教に行きました。初めての経験だったのでウロウロしていましたね。

常石 いい経験になりましたね。いつも名馬の調教を担当しているでしょう。凄いなぁ。エイシンヒカリ、そしてキタサンブラックも調教されGI馬に仕上げていく過程は、すごいと思う。秘訣?を教えてください。

黒岩 それは企業秘密なので教えられません(爆笑)。特に何にもないですよ。馬が立派なので走ってくれるんですが、調教は調教師や厩務員さんの指示どおりこなすだけです。緊張しますよ。それにいい馬に乗せていただくと自分自身の不甲斐なさを感じてしまいます。もう少しうまく乗れたらなーと思う。

常石 いやいや、上手く調教をやってくれるから騎手は安心してレースに出られるんですよ。豊さんも「黒岩の言ったとおりに乗ったら勝ったよ」と話されていましたね。「彼に任せたら問題ない、きっちり仕上げてくれる」と信頼されていたんですね。

黒岩 ありがたいと思いますが、僕も騎手ですからね。騎手として認めてもらえるように頑張りたいです。ブラックの引退式の時もそばでずっと見守っていたかったのに、調教要員として名前を呼ばれたので壇上に上がりましたが、嫌でしたね。淋しいのもありましたが…。

黒岩騎手

「僕も騎手ですからね。騎手として認めてもらえるように頑張りたいです」


常石 なんか分かるような気がするわぁ。でも黒岩騎手の知名度がアップし今後へつながっていくと思います。これを機会にどんどんアピールしたらいいと思います。

黒岩 そうですね。調教に乗せてもらえることが光栄なことだと思っていますし騎乗チャンスもあると思ってます。デビューの頃は吉岡調教師にお世話になり、その時に佐藤哲三さんにいろいろ教えていただきました。

常石 哲三さんは上手いからなあ。若い時にいい先輩に出会うのは、役に立つと思う。キタサンブラックと出会ったきっかけは、何だったんですか?

黒岩 清水先生が厩舎開業して1・2年目くらいの時にヘルパーを募集していたので「是非お願いします」と言って、調教に乗せていただくようになりました。ブラックには2歳の頃から乗っていますが、最初はゆるかったです。だから時間のかかる馬かなって思っていましたが、特に癖のない馬だったので順調に成長してくれ、嬉しかったです。

 担当の辻田厩務員さんがいつも変わらないケアをきちんとしてくれたのが大きいと思います。僕もGI馬だから緊張するとか入れ込むとかしないで、いつも同じように調教をしました。

黒岩騎手

“チームキタサンブラック”の(左から)黒岩悠騎手、清水久詞調教師、武豊騎手(撮影:大恵陽子)


常石 GI馬に成長したらレース前などはどうしても緊張などあると思うのですが、平常心を保ったのがブラックには良かったんですね。

黒岩 坂路3本乗りもよく耐えてくれる心肺機能はあの馬の自慢できるところですね。2本乗ってから厩舎へ帰る方向とは違う方へ向いても嫌がることはなかったですね。CWコースも2周半していました。すごいスタミナのある馬でした。

常石 体力もすごかったんですね。走ることが好きな馬だったのかもね。ブラックもですが、黒岩君も体力が要ったでしょう。

黒岩 ブラックと出会い僕が健康的な生活を送れるようになりましたよ(笑)。お酒も控え早寝早起きになりました。追い切りの前なんかは夜9時くらいにはもう寝ようかなって感じ。

常石 それは一石二鳥ですね(笑)。でも、僕もレース前は9時ぐらいに寝ていましたね。だんだん強くなっていくブラックを見てプレッシャーかかってきたでしょう?

黒岩 2歳の頃から乗っていたので強くなっていくことが嬉しいし、そういう成長過程の馬だと思っていたので、そんなにプレッシャーは感じなかったです。プレッシャーで馬を変化させてはいけないという責任感は、強く感じました。それよりもいつもどおり、平常心で馬に接しないとと思っていました。

常石 トウケイヘイローやエイシンヒカリなども調教してきたんでしょう。名馬の背中を自分自身の体で体験できたのは大きな財産ですね。GI馬を仕上げられる秘訣は、黒岩君の素直に馬と接する姿勢にあるんだなーと感じています。

黒岩 いえいえ、そんなことはないですが、馬の走る気持ちや成長を邪魔しないように乗りたいと思っています。エイシンヒカリに乗せていただいた時はすでにGI馬だったので「勝つ馬ってこんな感じか…」と感触を感じ取ることができ、緊張もありましたがいい経験をさせていただきました。僕の大きな財産です。

黒岩騎手

「馬の走る気持ちや成長を邪魔しないように乗りたいと思っています」


常石 これから騎手をやっていく上で大いに役に立つでしょうね。期待しています。

黒岩 ありがとうございます。騎手として認められるよう頑張ります。応援してください。

 とっても素直で明るく対応する姿が多くの厩舎人から認められていくんでしょうね。大きな騎手になってください。

***

つねかつこと常石勝義でした。

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常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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