スマートフォン版へ

今年も牝馬か?牡馬の反撃か?NHKマイルC有力馬の追い切りチェック!

  • 2018年05月02日(水) 18時00分


前走時とほぼ同じ状態で臨めそうなカツジ


 今週から東京競馬場での5週連続G1。そのスタートは芝1600mのNHKマイルC。個人的にはあまり的中した印象がないレースですが(笑)、やっぱり最初が肝心。なんとか的中を目指したいところですが、まず予想のアプローチの照準を定めるところから悩んでいます。これに関しては、ウマい馬券の入稿までに決めるとして、まずはそれぞれの追い切りについてしっかり下記で解説したいと思います。

 netkeiba.comの予想オッズを見ると、上位を占めるのは美浦所属馬。特にタワーオブロンドンは少し抜けた人気になりそうですし、クイーンCを勝ったテトラドラクマも昨年の勝ち馬と同じ性別の牝馬ということで人気になりそう。この2頭では、やはりレース間隔が詰まっている前者を評価したくなってしまいます。

【NHKマイルC/ギベオン】

 先週、M.デムーロ騎手が跨って、CWでの追い切りを行いましたが、その動きは抜群。このジョッキーが跨れば、ゴール前で仕掛けないことが定番ですが、この時に限っては仕掛けています。これは最終追い切りに向けた布石だったと思います。また、先行していたフランドルが3秒以上も前にいたのに追い越していったという意味で、かなり負荷がかけられています。

 これがあるからこその最終追い切り。前走同様、D芝でかなりゆっくりな追い切り。前走時が併せ馬だったのに対して、今回は単走。ゴール前もほぼ流すような感じだったので、いわゆる息を整える程度といった内容。芝馬場での追い切りは今回で3走連続になりますが、単走は今回が初めて。ここをどう評価するかで、印の重さが変わってくると思いますが、個人的には客観的には決して重い印は打てないものの、先週の動きが忘れられない、そんな感じです。

ギベオン(5月2日撮影)

先週ハードな分、ゆっくりと追い切ったギベオン(5月2日撮影)


【NHKマイルC/パクスアメリカーナ】

 こぶし賞を勝った時に未勝利を勝った時と同じ稍重馬場で、京都芝1600m内回りという条件が見事に合致した結果と判断。よって、前走は無印の評価でしたが、結果はきっちり2着。直線の長いマイルでも結果を出し、しかもその走破時計が1分33秒5ということで、自身の持ち時計も大幅に詰めてきました。

 いろんな意味で収穫があったと思われる前走ですが、今回はいろんな問題があります。デビュー戦で低いパフォーマンスだった左回りの直線長いマイル戦。そして中2週という最もレース間隔が詰まるローテーション。そのあたりを考慮して、しっかりと調教を課してくるあたりはさすが中内田充正厩舎といった感じですが、それでいて上位人気に支持されるようなら、あえて評価を下げてみたいというのが個人的な思い。これって、前走があってのひねくれでしょうか(笑)。

パクスアメリカーナ(5月2日撮影)

間隔のせまいローテでもしっかり調教してきたパクスアメリカーナ(5月2日撮影)


【NHKマイルC/ケイアイノーテック】

 中3週は今回で3走目。2走前が最も一般的な中3週での調教内容、前走は正味、1週前追い切りと最終追い切りだけでのレース。これで連勝していますから、陣営がうまく工夫しながら調教内容を変化させているといってよいでしょう。そして、今回は前走に引き続き、関東圏への輸送がある中3週。追い切りは1週前とレース週、これは予想通りでした。

 ただ、1週前追い切りは前走時よりもかなり遅くなっています。これは馬場差もあると思いますが、それ以上に遠征が続くところにあると思います。ここで思い出したのは、厩舎の先輩であるカレンブラックヒル。NZTを勝って、G1を制していますが、先輩は1週前の坂路でもある程度時計を出して、最終追いはCWで6Fから速い時計。それに比べると、軽めに終わったのが本馬。馬が違うのですから、それで当然といってしまえばそれまでですが、本数が少ないなら、その分、しっかりと負荷をかけた内容なら評価できたけど、というのが調教捜査官としての判断です。

【NHKマイルC/カツジ】

 松山弘平騎手が跨った1週前追い切りが坂路で4F52.6秒。これは自己ベストを更新する時計で、ラスト1Fが12.1秒の伸びは時計を要する馬場だったと考えると、高く評価できる終いだったと思います。中3週で再び関東圏への輸送があるにも関わらず、これだけしっかり負荷をかけることができたのは、状態の良さでしょう。

 最終追い切りは前走と同じCW。松山弘平騎手が跨っての単走でしたが、向正面はかなり遅いラップ、コーナーからしっかり加速という緩急をつけた内容。終いはしっかり伸びていましたし、時計は6F84.1秒なので前走時とほぼ同じ。調教内容からは勝った前走となんら変わりない状態で、なんら変わることない状態でレースを迎えることができるという判断でよいでしょう。

1週前追い切りでは自己ベストを記録したカツジ(5月2日撮影)


【NHKマイルC/ミスターメロディ】

 新馬戦での驚異的な強さの後、スピードが諸刃の剣になっているようなレースもありましたが、陣営の工夫により、スピードコントロールができるようになった現状。追い切りでもそれを感じますが、テンを抑えて、終いしっかり伸びているところが時計にも表れるようになりました。

 前走はD芝での最終追い切りでしたが、今回はCW。1Fで1秒くらいの加速ラップで、時計は5F67.4秒、1F12.0秒。前走で完成したわけではなく、前走から更に上昇しているのが現状というのが個人的な印象。この動きなら東京マイルでも全く問題ないと思いますし、重賞ウイナーにも関わらず人気が落ちるようなら馬券的にも狙いたいところ。

ミスターメロディ(5月2日撮影)

加速ラップで前走から更に上昇気配のミスターメロディ(5月2日撮影)


◆次走要注意

・4/29 3歳500万下【アメリカンワールド】(4人2着)

 好走しても人気にならない、馬券に対する貢献度の高い馬。今回も4番人気の低評価でしたが、きっちり勝ち負けに加わる末脚。3走前も京都芝1800mでメンバー最速上がりをマークしているように、この条件なら上のクラスでも通用するものを持っています。

[メモ登録用コメント] [京都芝1800m]最終追い切りCWでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・NHKマイルC【アンコールプリュ】

 前走の惨敗で一気に人気落ちとなりそうですが、この中間の調教量は半端ありません。最終追い切りも4Fとはいえ、速い数字をマークしており、東京競馬場までの輸送を考慮して手控えるなんてことは一切ありません。この調整が嵌るようなら。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング