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急きょ騎乗したアーリントンC 小牧騎手が一番焦ったこととは!?

  • 2018年05月15日(火) 18時01分
小牧太

今週はレース回顧、さらには急きょ騎乗することになったアーリントンCについてもお話しします!


なかなか3勝目に届かない小牧騎手ですが、ご自身も「勝ったと思ったんだけどなぁ」というハナ差、クビ差などが多い今日この頃。とはいえ、そういった馬たちは穴馬ばかりで、密かに(?)穴党ファンの注目を集めています。今回はそんな僅差のレースと、急きょ騎乗することになったアーリントンCを振り返ってくれました。
(取材・文:不破由妃子)


僕は2、3着じゃうれしくないんやけど(苦笑)


──今回は4月14日以降のレースを振り返っていきたのですが、「勝った!」と思ったレースがたくさんあったのではないかと…。

小牧 あったねぇ。それにしても勝てん(苦笑)。でも、僕自身は調子がいいし、楽しく乗ってるんやけどね。この前のメイショウツバキ(5月5日・京都4R・3歳未勝利2着)は勝ったと思ったなぁ。

──大外でしたが、スムーズないい競馬でしたよね。

小牧 そう思うんやけど、あとでレースを見返したら、勝った馬は上手いこと内で脚をタメてたからね。そのレースもそうやけど、それなりにいい競馬はしてると思うんやけどね。でも、勝たなアカン、ジョッキーは。勝っていかんことにはチャンスのある馬が回ってけえへんから。ま、いい意味で焦ってないし、そろそろ勝ち出しそうな気もしてるんやけど。

小牧太

でも、勝たなアカン、ジョッキーは


──ほんのちょっと歯車が噛み合えば…という感じですよね。あとは、4月15日のリンクスナナ(福島1R・3歳未勝利3着)。直線半ばで後ろと5馬身近く差があって、これは楽勝だなと思ったのですが(5月12日の次走も騎乗し、4番人気5着)。

小牧 あれば僕も楽勝やと思った! 長年馬に乗っているけど、あんなケースは稀やね。何をしようが、何も利かなくなった。あそこまでセーフティリードがあれば、普通は楽勝しているからね。

──常にハナを切れるスピードはある馬ですが、直線で追われてからもうひと踏ん張りが利かないんですよね。難しそうな馬です。

小牧 この前は直線で舌を出して物見をしていて、反応がなかったからね。何か対策があれば…。福島でいうと、ジェスロも勝ったと思ったよ。最後はすごい脚だったからね。

──脚色では完全に小牧さんが勝っていましたから、私も届いたと思いました。

小牧 僕もそう思うんやけど負けてる。たしかにそういうレースが多かったね。あと、アドマイヤロマンも惜しかったなぁ。人気はなかったけど、いいところやと思ってた馬で。

──狭いところからよく伸びてきたんですけどね。

小牧 うん。でも内が開かんもんね。あれで開いていたら、勝ってるレースやけど。まぁそれは結果論やから仕方がないね。

──でも、リンクスナナこそ1番人気でしたが、ジェスロは11番人気、アドマイヤロマンは7番人気ですから、際どい勝負に持ち込んだのは小牧さんの腕ですよ。実際、4月14日から5月6日の集計では、小牧さんの複勝を買い続けると回収率は126%ですから。

小牧 買い続けてそれはすごいね! ま、僕は2、3着じゃうれしくないんやけど(苦笑)。

──そうですよね。ただ、最近の小牧さんには、注目している穴党が多いです。

小牧 そうなんや。なんにせよ、あとは勝つだけやね。またこの話になるけど、早く勝たんかったから900勝の記念品が…(苦笑)。もう発注してしまっているので、店の人が困ると思うわ。あと、その記念品を「小牧太カップ」でも提供しようと思ってんねんけど…。

──たしか毎年9月でしたっけ?

小牧 そう、今年は9月14日の予定。そこに間に合わんかったら、太カップ用に何か作らんとダメやね(苦笑)。

──では最後にひとつ質問を。「毎週コラムの更新を楽しみにしています。先日のアーリントンCでは、急きょアリアに騎乗されましたね。コラムを毎週読んでいる身としては、一発重賞制覇に期待してしまいました。厩舎のコメントでは、“タメればマイルも持つ”とのことでしたが、本番は番手の競馬を選択されました。結果的に、直線で抜け出して強気に先頭に立った場面は見応えがありました。あの競馬をしてコンマ7秒差というのは、小牧さんから見て距離はいかがでしたでしょうか?」。

小牧 距離はやっぱりちょっと長かった印象やなぁ。僕としても、あんまり前に行きたくなかったんやけど、なんせスタートが良すぎてね。かといって、出たら無理に下げる必要はないから、あの競馬になったんやけど。折り合いも付いて、上手く乗れたと思うんやけどね。パタッとは止まっていないし、これからもチャンスはあるんちゃうかな。それより、斤量がギリギリで、もうちょっとで乗れへんところやった(笑)。

──そうだったんですね(笑)。

小牧 アーリントンCは54キロだったでしょう。本来なら、その日はもう54キロのレースは終わっていて、ちょうどなんか食べようかな…と考えていたところに話をもらってね。ホンマにギリギリやったわ(苦笑)。

小牧太

なんか食べようかな…と考えていたところに話をもらってね。ホンマにギリギリやったわ(苦笑)

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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