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ナリタブライアン世代も在籍する人気クラブ 現役時代と変わらないサウザーのいま(2)

  • 2018年05月22日(火) 18時00分
第二のストーリー

▲ナリタブライアン世代のアイネスサウザー


世代の主役にはなれずとも


 皐月賞、日本ダービー、菊花賞を圧倒的な強さで勝利し、三冠馬に輝いたナリタブライアン。1994年、競馬界にはナリタブライアン旋風が吹き荒れた。「シャドーロールの怪物」と異名をとったナリタブライアンは6歳(旧馬齢表記)で引退。だが種牡馬生活2年目に8歳という若さでこの世を去った。

 ナリタブライアンが最も輝いたあの年から24年。皐月賞、日本ダービー含めて4戦ともに走った同期の1頭が、今も乗馬として元気に過ごしている。

 アイネスサウザー、セン27歳。現在の名をアクエリアスという。

 アイネスサウザーが生まれたのは、1991年3月17日。父バイアモン、母マルティチュード、母父Lyphardという血統で、北海道静内町(現新ひだか町)の岡田牧場で生まれた。1990年の日本ダービー馬アイネスフウジンを所有していた小林正明氏の持ち馬として、美浦の本郷一彦厩舎の管理馬となった。1993年7月、札幌の芝1200m新馬戦でデビュー。横山賀一騎手が騎乗して2着となり、2戦目の8月の新馬戦では横山典弘騎手に乗り替わって初勝利を挙げた。10月、舞台を札幌から東京に移し3歳(旧馬齢表記)オープンのアイビーSに優勝。続く府中3歳S(OP)にも勝って3連勝を飾った。ちなみにアイビーS、府中3歳Sでは、のちにフラワーC(G3)を制したオンワードノーブルも出走していた。

 12月には3歳王座決定戦の朝日杯3歳S(G1)に出走し、横山典弘騎手から乗り替わった現調教師の柴田政人騎手が手綱を取って4番人気に推されたが、ナリタブライアンの9着と敗れている。

 明けて4歳初戦は2月の共同通信杯4歳S(G3)。横山典弘騎手が再び騎乗して、2番人気で2着、続くアーリントンC(G3)で3着と好走を続け、皐月賞(G1)では柴田善臣に乗り替わる。逃げるサクラエイコウオーの後ろの2、3番手からと積極的にレースを進め、直線では先頭に立ちかけるも、うまく外に持ち出したナリタブライアンの脚色は凄まじく、あっという間に交わされ、追い込んできた後続の馬たちにも交わされたが、しぶとく6着に粘った。

 続く日本ダービーでも皐月賞に引き続いて柴田善臣騎手が鞍上だった。盛り上がった大観衆の中、アイネスサウザーのテンションも上がり、

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北海道旭川市出身。少女マンガ「ロリィの青春」で乗馬に憧れ、テンポイント骨折のニュースを偶然目にして競馬の世界に引き込まれる。大学卒業後、流転の末に1998年優駿エッセイ賞で次席に入賞。これを機にライター業に転身。以来スポーツ紙、競馬雑誌、クラブ法人会報誌等で執筆。netkeiba.comでは、美浦トレセンニュース等を担当。念願叶って以前から関心があった引退馬の余生について、当コラムで連載中。

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