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【オークス】アーモンドアイが二冠!その裏で…熾烈な2着争いで見えた川田騎手と石橋騎手の明暗

  • 2018年05月24日(木) 18時02分
哲三の眼

▲単勝1.7倍の圧倒的な支持を集めたアーモンドアイが二冠達成 (撮影:下野雄規)


GIの舞台で単勝1.7倍の圧倒的な支持を集めたアーモンドアイが、桜花賞に続きオークスも勝利。「東京2400mの勝ち方を熟知している」と哲三氏が絶賛したルメール騎手の手綱で、見事二冠を達成しました。その一方で、熾烈だったのが2着争い。逆転を狙った2歳女王ラッキーライラックを退けて、2着に食い込んだのは川田将雅騎手騎乗のリリーノーブルでした。レース結果の明暗を分けた両騎手の騎乗と心理を、哲三氏の視点で分析します。(構成:不破由妃子)

完璧な騎乗でレースを支配したのが川田騎手


 先週のオークスは、1番人気アーモンドアイが圧倒的な強さを見せて二冠を達成しました。僕がクリストフの騎乗でさすがだなと思ったのは、ゲートを出していくという難しい勝ち方にトライしたこと。ただ強かっただけではなく、大いに意義のある1勝になったのではないでしょうか。リスクをリスクと思わず、さらに馬に頼り切ることなく、自信を持って自分の騎乗を見せる。このあたり、海外経験豊富な外国人ジョッキーならではだなと改めて感じました。

 そういった競馬がなぜ可能なのかといえば、ここで何度もお話してきた通り、クリストフ本人の体幹を馬の軸に合わせられるから。今回は出していったぶん、一瞬馬が行きたがるそぶりを見せましたが、向正面のここぞという場面にはしっかり軸を捉えて折り合っていて、いつもながら巧いなぁと思いながら観ていました。

 もうひとつ、クリストフの巧さが際立ったのが3コーナーのポジショニングです。前にも1馬身半、後ろにも1馬身半間隔を取り、馬がスピードアップしやすい状況をその時点で作り上げていました。これは、いわゆる“位置取り”ではなく、勝つための“自分の形”。3コーナーの時点でその形に持ち込んだあたり、東京2400mの勝ち方を熟知していますよね。

■5月20日 オークス(13番:アーモンドアイ、1番:リリーノーブル)

 アーモンドアイでいえば、相変わらず頻繁に手前を替えていましたが、今回改めて思ったのは、前脚をスキーのストックのように使いこなしているなということ。

 スキーでは、ストックを使って角度を変えたり、スピードを上げたりしますよね。それと同様、競走馬も前脚をバン! と踏み込めば、トモ脚の蹴りも強くなります。逆に、前脚が浮いたときは、今度はトモ脚で止めにかかるわけですが、そのときに自分が走りやすいように体幹を変えているからこそ、手前が頻繁に替わるのではないか……そんなふうに思いながら観ていました。これは人が教えられるものではなく、天性の才能。体が柔らかく、全身を使って走れるからこそ成せるワザなのかもしれません。

 クリストフの好騎乗とアーモンドアイの走りにもシビれましたが、今回のオークスで一番のファインプレーといえるのが川田君の騎乗です。若干距離の心配はあったとは思いますが、1番枠から一番いい走りができるポジションを取るために、まずはしっかりスタートを出していった。ラッキーライラックという強い先行馬が隣にいたわけで、その後ろにつければ楽に運べるだろう…と考えてもおかしくはないところですが、川田君の騎乗からは、ラッキーライラックの後ろにつけるという選択は微塵も感じませんでした。

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1970年9月14日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

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