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ナリタブライアン世代も在籍する人気クラブ 目の輝きが物語るアクエリアスの第二の馬生(3)

  • 2018年05月29日(火) 19時00分
第二のストーリー

▲パートナーをねぎらいながら丹念にお手入れする森島さん


アクエリアスと積み重ねた日々


 京都産業大学から茨城県のヨシザワライディングファームにやって来たアクエリアスことアイネスサウザーは、新しい環境にもすぐに慣れた。

「元気で扱いが難しいと聞いていましたので、暴れたりして怪我もしやすいのかなと思っていたのですけど、 怪我も病気もしませんでした」

 都内在住の森島さんは平日はOLとして勤務し、毎週末、茨城県に通ってアクエリアスとともに練習を積んだ。年間最低5回は試合に臨み、経験を重ねた。そして2011年9月に兵庫県の三木ホースランドパークで開催された全日本障害馬術大会 Part11の中障害D(110cmクラス)にも出場を果たした。

 しかし残念ながら落馬。

「私が下手だからなんです。技術のある人が乗れば満点(減点0)で帰ってきます。現在ヨーロッパに拠点を置いてオリンピックを目指している吉澤彩(ひかり)さん(ヨシザワライディングファームの吉澤誠子代表の長女)に乗ってもらって公認試合で良い成績を収めていましたし、馬は良いんです。でも私が乗ると、すぐに掛かってしまうんですよね。ユーチューブで見たダービーでも引っ掛かっていたのを見てすごく納得しましたけど、上手な人が乗れば折り合いをつけられるのだと思います。残念ながら私の技術ではそこまでは難しかったですね」

 競走馬時代はわずか10戦しかしなかったアクエリアスだが、馬術競技馬としては森島さんとともに数々の試合をこなし、優勝を飾ったこともあった。

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北海道旭川市出身。少女マンガ「ロリィの青春」で乗馬に憧れ、テンポイント骨折のニュースを偶然目にして競馬の世界に引き込まれる。大学卒業後、流転の末に1998年優駿エッセイ賞で次席に入賞。これを機にライター業に転身。以来スポーツ紙、競馬雑誌、クラブ法人会報誌等で執筆。netkeiba.comでは、美浦トレセンニュース等を担当。念願叶って以前から関心があった引退馬の余生について、当コラムで連載中。

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