◆伏兵で上位に来ている馬の多くが6歳馬
下位人気馬が台頭する安田記念、それをどう見つけるか。是非チャレンジしてみたいレースになっている。この5年の1〜3着馬の人気をみると、3番人気までの上位人気馬が7頭、それ以下のものは8頭と、ほぼ半数が伏兵によって占められている。
こうした中で、ロードカナロア、ジャスタウェイ、モーリスの3頭は本命人気に応えて勝っているが、この3頭に共通しているのは、いずれも海外のビッグレースを勝っている点で、直前の国内の重賞でも勝利していた。
今年のメンバーでは、リアルスティールが2年前のドバイターフを勝っていて、今年は3着とギリギリ圏内にあると言ってもいいのかもしれない。
この2年、8番人気で1着と2着に入ったロゴタイプがどんな情況で好走したのか。2016年の勝利は皐月賞以来だったが、直前のダービー卿CT2着は軽いハンデ馬に遅れをとったもので、マイルの適性を示していた。
その後の秋以降は、天皇賞や香港マイルなど4戦して連対を果たせず、昨年の安田記念でも伏兵的存在だった。それでも3ヶ月の馬体調整をしてクビ差の2着で力は出せていた。このとき勝ったのが7番人気のサトノアラジンで、国内のGIは6、4、4、5着でやっとGI馬になれたが、良馬場で脚を伸ばし、トライアルは勝てるのにというジレンマから解放されていた。この2年の勝ち馬は、いずれも6歳馬というところが共通している。
さらに遡ってみると、伏兵で上位に来ている馬の多くが6歳馬なのだ。2015年の3着クラレントが12番人気、2014年は、2着グランプリボスが16番人気、3着ショウナンマイティは10番人気だった。これだけ6歳馬の伏兵が走っているのは、単なる偶然なのか。さらに加えれば、昨年2着のロゴタイプは7歳だったが、一昨年6番人気で3着に入ったフィエロも7歳だった。
1〜3着馬のほぼ半数が6番人気以下の馬たちで占められているこの5年間の実績を見ると、どうしても看過できない。これらの伏兵は、それまでにどこかでマイル重賞で好走していたという共通点があり、その辺から探りをいれてみたい。強い4歳馬もいるが。