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「手で叩いても馬は反応するの?」ユーザーからの素朴な疑問特集

  • 2018年06月05日(火) 18時01分

流れに乗っている小牧騎手、今週はユーザーからの素朴な疑問にガッツリお答え


メイショウツバキを初勝利に導いたほか、サイモンラムセスで2連勝! 積極的な競馬で自ら流れを引き寄せ、さぁここから! といった気概を感じる最近の小牧騎手。レース回顧は次週以降にじっくりとお届けするとして、今回はユーザーからの質問特集です。「手で叩いても馬は反応するの?」「スローペースで動けば楽に先行できるのでは?」などなど、ユーザーからの素朴な疑問にガッツリ答えます!
(取材・文:不破由妃子)



「ペースが遅ければ動けばいい」…そんなに簡単なことじゃない


──今回はこんな質問から。「4月28日の秩父特別で、デムーロ騎手がムチを落としながらも手で馬(エイシンスレイマン)を叩いて勝利しました。ムチでなく手で叩いても馬は反応するものなのでしょうか?」。

小牧 いや、手で叩いたくらいでは反応せんよ(苦笑)。

──そうなんですね。でも、デムーロ騎手に限らず、ムチを落としたジョッキーが手で叩いている場面を何度か見たことがあるような。

小牧 僕も経験があるけど、何かせずにはいられないんやね。あとは、追っているときの癖みたいなもんで、どうしてもムチを持っている感覚で手を動かしてしまうというか。でも、馬に伝わっているかどうかはホンマに微妙やで。

──馬にしてみたら、蚊が止まったくらいの感覚だったりして…。

小牧 そうかもしれんね。まぁ、こっちの手は相当痛いけど(苦笑)。間違いなくいえるのは、手で叩いたところで、ムチを入れたときのような反応はないということ。馬にしてみれば、痛くも痒くもないと思うで。

──続いては、「スローペースでの乗り方について質問ですが、道中ペースが落ちたときにそのペースにお付き合いせず、自分だけほんの少しペースを上げることで息を入れながら楽々と先行グループや好位に付けられると思うのですが、無理なのでしょうか?」という質問です。

小牧 やってますやん、みんな。だからマクリがあるわけで。でも、馬混みに入っていたら当然動けんし、道中脚を使ってしまったらダメな馬もいるからね。“自分のペース”っていうのはその馬それぞれやから、なんでもかんでも動けばいいというものではないし。とくに芝の馬は、道中でダラダラと脚を使わせたらアカン馬がいっぱいいると思う。僕も道中で動くほうやと思うけど、明らかにダートのほうが多いし。

──そうですね。ダートで外から上がって行く小牧さんはけっこう見ます。

小牧 そうでしょ? でも、基本的にはみんな最後に脚を残したい。そのために道中は楽をさせるというのは、大事な技術やからね。それに、前にも言ったけど、最初に動くと大抵負けるねん。

──誰かが動くと、連れて動く人が出てきて、そこでレース自体が動くからペースが上がりますものね。

小牧 そうそう。だから、観てるぶんには「ペースが遅ければ動けばいい」って思うかもしれんけど、そんなに簡単なことじゃないんやで。

「ペースが遅ければ動けばいい」って思うかもしれんけど、そんなに簡単なことじゃないんやで


──去年のダービーでルメール騎手(レイデオロ)が途中から動かしていって勝ったじゃないですか。あれ以来、こういった質問が本当によく届くんです。

小牧 ああ、あのレースは極端にスローペースやったからね。それに、ダービー馬になるくらいやから、馬自体も走る馬やし。ああやって、動いてまた止めて…っていうことができる馬もいるけど、それを可能にするのはやっぱり騎手の技術やしね。まぁでも、極端なスローペースになった場合、後ろで引っ張り続けるより、ある程度その馬のペースでいい位置につけたほうが馬は楽だと思う。だから、動ける馬なら積極的に動いているつもりやで、僕は。

──そうですよね。続いては「園田競馬では向正面からスパートをかける“園田まくり”が名物となっていますが、ムチを打ちながらコーナーを全速力で曲がっていくのは怖くはないのでしょうか?」という質問です。

小牧 ジョッキーやったら、誰でもできることです。でも、“園田まくり”っていう言葉は初めて聞いた(笑)。園田の場合、だいたい2コーナーから動くんですわ。そこまではずーっと上りで、あとは4コーナーまで下りやからね。中央でいうと、京都みたいな感じかな。

──その下りでスピードに乗せるために、ムチを入れながらコーナーを回ると。

小牧 そうやね。なんせ直線が短いから、4コーナーの時点である程度の位置にいなければ勝てんから。まぁ、中央の場合は馬場が広いし、直線も長いから、ムチを入れながら全速力でコーナーを回ることなんてないけど、あくまでコース形態に合わせた“勝てる乗り方”をしているだけであって、怖いとかそういうのはないよ。

──園田といえば、移籍したピークトラムにマイラーズC(11着)で騎乗されていましたね。「1年ぶりに騎乗されましたが、馬に変化はありましたか?」という質問がきていました。

小牧 馬は全然変わってなかったよ。いい感じやったし、頑張っていたけどね。でも、やっぱりスピード慣れしていないから、テンに付いていけなかったね。行ければ行こうと思ってたんやけど。(マイラーズCに出走した時点で)まだ2回しか地方で走っていないとはいえ、中央で走っていた頃とはそのあたりが違ったかなぁ。そういえば、全然話は変わるけど、面白いことがあって。少し前に、僕の追っかけの少年がいるっていう話をしたでしょ?

──はい。いつも駐車場で小牧さんのお帰りを待っていて、本当はエンジンを切ってすぐに缶ビールをキューッと飲みたいんだけど、その子が見ているから飲めない…という。

小牧 そうそう。僕にとって至福の時間やからね(笑)。この前ね、いつものようにコンビニで缶ビールを買って帰ったら、またその少年が駐車場で待っていたから、飲むのを我慢してそのまま車を降りてん。そうしたら、「あれ? 今日は飲まないんですね」って言われてしまった(苦笑)。

──間違いなく『太論』を読んでますね(笑)。

小牧 間違いない! だから「キミ、読んでんねやな」って言うたけどね。「今日は飲まないんですね」って言われてもなぁ、やっぱり子供が見てる前では飲まれへんわ(苦笑)。

やっぱり子供が見てる前では飲まれへんわ(苦笑)

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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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