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的場騎手が10度目の2着となった東京ダービー、日本ダービーでの最多2着記録は?

  • 2018年06月09日(土) 12時00分


◆さらに、複数回の2着があるのに勝てなかった騎手は…

 6日に行われた大井競馬の東京ダービー、2番人気のハセノパイロが勝って、手綱を取った矢野貴之騎手が同レース初制覇を果たしました。

 1番人気に推されていたのは船橋・矢野義幸きゅう舎の羽田盃馬ヤマノファイト。“矢野姓”の私としては、両馬のワンツーフィニッシュになったらいいな、と思っていたのですが…。そううまくは行きませんね。

 そして、またしても的場文男騎手が2着に敗れ、東京ダービー初制覇はなりませんでした。これで10度目の2着。そのうち、すでに同レースの優勝経験がある騎手に負けたのは2回だけで、あとの8回は、今回のように勝った騎手が初制覇を果たしています。勝負の世界の厳しさを改めて痛感させられました。

 東京ダービーで的場騎手が10回も2着になった、というのは、ひょっとしたら同一レースの最多2着記録かもしれません。それが本当かどうかを調べるのはタイヘンなので、こんな言い方にとどめておきますが…。

 それでは、日本ダービーの最多2着記録を持っているのは誰でしょう?

 正解は、岡部幸雄元騎手。1988年メジロアルダン、91年レオダーバン、93年ビワハヤヒデ、94年エアダブリン、95年ジェニュイン、2002年シンボリクリスエスで、あわせて6回、2着になっています。

 ただし、岡部さんの場合は1984年にシンボリルドルフで優勝していて、2着はすべてその後のこと。初制覇になかなか届かなかったわけではありません。

 初制覇するまでの最多2着記録は、横山典弘騎手が持っています。90年メジロライアン、2003年ゼンノロブロイ、04年ハーツクライで3度2着に甘んじた後、09年にロジユニヴァースで初制覇を果たしました。

 今年、悲願のダービージョッキーとなった福永祐一騎手は、07年にアサクサキングス、13年にエピファネイアで2着になったことがありました。いつかは勝ってほしい蛯名正義騎手も、12年にフェノーメノ、14年にイスラボニータで2度の2着を経験しています。

 ちなみに、これまでの日本ダービーで、2着に来たことはあるのに勝ったことがない騎手は、今年の戸崎騎手も含め全部で29人います。そのうち、複数回の2着があるのに勝てなかったのは、尾形景造(1932年=第1回と35年)、藤本勝彦(67年と71年)、田原成貴(85年と86年)元騎手と蛯名正義騎手の4人だけ。やっぱり、蛯名騎手にはそろそろ勝ってほしいと思っちゃいますね。

 最後に、日本ダービーの2着はあるのに優勝できなかった騎手の中で、ハナ差の2着で涙を飲んだ人は何人いるでしょう?

 答えは、高木良三(1940年にミナミでイエリュウの2着)、笹倉武久(74年にインターグッドでコーネルランサーの2着)元騎手の2人。85回の歴史の中で、この2例しかないというのもドラマチックだと思いませんか?

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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