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豪州で修業中の坂井瑠星騎手、主戦ジョッキーとして待望の初勝利!

  • 2018年06月21日(木) 18時00分
ビクトリア競馬便り

▲ウィリアムズ騎手とも交流のある坂井瑠星騎手


(6月21日号 文=ダニエル・ミルズ)

「必ずプラスになる」豪州でも評価は高く期待が膨らむ


 現在オーストラリアで修業中で、先月からサウスオーストラリア州アデレードにおけるトップトレーナーであるライアン・バルフォー厩舎所属となった坂井瑠星騎手が、20日(水)にバラクラヴァ競馬場で行われた一般レース(芝1600m)で、アーガス(5歳、セン)に騎乗し1着となり、自厩舎の馬で初勝利を挙げた。

 今年3月、アデレードを拠点とするフィリップ・ストーク調教師から騎乗依頼を受け、既にサウスオーストラリア州で騎乗経験があった坂井騎手は、ストーク厩舎所属のキャプテンダッフィー(4歳、セン)とイッツハンフリー(4歳、セン)で勝利し、彼の騎乗技術に対する評価は上がっていた。

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▲キャプテンダッフィー騎乗時の坂井瑠星騎手


 5月に日本に一時帰国をした際は、東京競馬場で行われた欅ステークス(ダート1400m)で矢作厩舎のドリームキラリに騎乗。昨年のG1コックスプレートで、ウィンクスとともに3連覇を果たし、2017年ロンジン・ワールドベストジョッキーに輝いたヒュー・ボウマン騎手騎乗のベストマッチョらを抑えて優勝した坂井騎手は、これまでJRA・通算70勝を挙げている。豪州での修行が身を結んでいるようである。

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▲豪州での修業が着実に実を結んでいる


 アーガスで勝利を挙げた直後、Racing.comのインタビューに対し、騎乗機会を与えてくれた関係者の皆様に謝意を述べた坂井騎手。

「ライアン(調教師)と私をサポートしてくださった全ての方に感謝の気持ちしかありません」

「こちら(サウスオーストラリア州)では毎回楽しく騎乗させてもらっていますし、もっと自厩舎の馬で勝ち星をあげられるように精一杯頑張ります。もちろん、英語も騎乗技術ももっとレベルアップできるように努力したいと思います」と語った。

 騎乗したアーガスについて坂井騎手は、「スタートも良かったですし、道中もとても落ち着いていました。反応も良く、最後の400mから良く伸びてくれました」と話した。

 バルフォー調教師は、早くから若手の坂井騎手に注目していたようで、「彼の乗り方をとても気に入っています。拳の使い方も上手ですし、左右どちらの腕でも同じような力でムチを使うことができるバランスの良さもあります。とても将来有望な騎手ですね」と語っている。

 冬の競馬シーズンは、若手の見習い騎手たちにとって騎乗機会を生かす絶好のシーズンであると話すバルフォー調教師は、坂井騎手のような若手の力は厩舎にとって必ずプラスになると高く評価している。

 坂井騎手は23日(土)にモーフェットヴィル競馬場でバルフォー厩舎の馬に4騎乗、翌24日(日)にポートオーガスタ競馬場で、他厩舎の馬に6騎乗する予定である。

1864年に創設された、オーストラリアのビクトリア州における競馬主催団体。メルボルンCなどの大競走が行われるフレミントン競馬場をはじめとした、ビクトリア州各地の競馬場で開催される競馬の運営・統括をしている。近年では日本調教馬の移籍も多数実現しており、日豪の関係に重要な役割を担っている。

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