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人気が割れそうな宝塚記念だが、あの人気馬は「おいしくない」?

  • 2018年06月22日(金) 18時00分


◆香港馬ワーザーは「ある意味ここへ本気で来ている」

 今年はこれといった存在がいない宝塚記念。かなり人気割れもしそうだ。

 それでも1番人気はやはりサトノダイヤモンドだろうか。フランス遠征から深みにはまったままだが、相手関係が楽ということではここは復活のチャンスでもある。ただ馬券的には、近況をふまえてなお人気というのはおいしくないように思う。

 ヴィブロスは今回貴重な前走好走馬。ドバイターフを2年連続好走という地力はやはり魅力だ。問題は距離で、2200mはエリザベス女王杯を人気で負けたままの距離。当時の敗因が距離だけというわけではないが、一応気になるところではある。

 サトノクラウンは昨年の覇者だが、近走内容が良くない。年齢的にピークを過ぎているという可能性も視野に入れなければならない。ただ、少しでも馬場が渋ればこの馬の適性が生きてくる。まずは当日の馬場状態を待ちたい。

 キセキはひどい競馬になってしまった日経賞以来の出走。間隔をあけてきたのはよいが、香港遠征で流れが変わってしまったようにも見える。個人的には、馬券は△でお茶を濁しておきたい馬だ。

 パフォーマプロミスはGIIを連続好走しての参戦。安定味を評価して買う人も多いことだろう。今回の課題は58キロの斤量と距離。単に斤量増というだけでなく、絶対値としてもはじめて。また、2200mで速い流れになると2400mや2500mとは全く異質な競馬になるので、そこも問題だ。

 ワーザーは今回十分チャンスがあると思う。大敗してから来るのは、ある意味ここへ本気で来ているということ。日本馬の想定情報もつかみつつの参戦でもあるはずだ。最近香港馬の好走が無いが、それを理由に嫌われるならこの馬は買ってみたい。

 ストロングタイタンは今回貴重な前走勝ち馬。格の高いレースでの好走歴はまだないし距離も未知数。ただ、昔の金鯱賞や最近の鳴尾記念は人気以上に走る馬を出してきた。その意味で個人的には関心を持っている。

 ダンビュライトはキレない馬だがハナへも行かないので、番手・3番手からどのように逃げ馬にプレッシャーをかけるかがテーマになる馬。5走ぶりの騎乗となる武豊騎手はそのテーマをよく理解している騎手だと思うので、今回はある程度持続力型の競馬になると読みたいし、この馬も穴馬としての魅力を持っている。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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