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ダービーが似合う配合、サトノワルキューレの全弟サトノバリオス

  • 2018年06月27日(水) 12時00分
●サトノバリオス(牡 栗東・池江泰寿 父ディープインパクト、母ヒアトゥウィン)
 フローラS(G2)を勝ったサトノワルキューレの全弟。母ヒアトゥウィンは南米ブラジルで誕生し、南アフリカで芝1800mと芝1600mのG1を制覇。さらに北米へ渡ってザベリワンS(米G3・芝11f)を勝った。母の父Roi Normandは現役時代にサンセットH(米G1・芝12f)を勝ち、種牡馬として渡ったブラジルで5年連続リーディングサイアーとなった。米三冠馬Affirmedと同じくExclusive Nativeを父に持ち、母は「Luthier×Carvin」というスタミナ豊かなフランス血統なので、産駒は芝中距離を中心に幅広い距離で活躍した。代表産駒のRibolettaはブラジルのオークスに相当するディアナ大賞(G1・芝2000m)を勝ってアメリカへ渡ると、米G1を5勝して同国の古馬牝馬チャンピオンに選出された。Roi Normandがブラジルでしか通用しないローカル血統ではないことがうかがえる。母ヒアトゥウィンとRibolettaは母方にGhadeerを持つので血統構成が似ている。東京芝2400mが似合う血統。ダービーが楽しみ。

●ミッキーブラック(牡 栗東・音無秀孝 父ブラックタイド、母マラコスタムブラダ)
 2016年のセレクトセール当歳で野田みづきさんが6200万円で落札。母マラコスタムブラダは南米アルゼンチンでヒルベルトレレナ大賞(G1・芝2200m)を4馬身差で圧勝。このレースはサトノダイヤモンドの母マルペンサが勝ったレースでもある(同馬が勝ったときは芝2000mで施行)。マラコスタムブラダはNumber≒Sadler's Wells 3×3という4分の3同血クロスを持ち、デインヒルとSadler's Wellsを併せ持つのでヨーロッパの主流血統の影響が強い。ただ、母の父Lizard Islandは2歳時にレイルウェイS(愛G2・芝6f)を勝ちヴィンテージS(英G2・芝7f)で2着となった早熟のスピード馬なので重厚すぎるということはない。Lizard Islandの父系はDanehill Dancer→デインヒル→Danzigとさかのぼる。「ブラックタイド+南米牝系」は2年連続年度代表馬に輝いたキタサンブラックと同じ。母方にDanzigを持つブラックタイド産駒は、テイエムイナズマ、マイネルフロスト、マドモアゼルなど好成績を収めている。ブラックタイドの全弟ディープインパクトも南米牝系との組み合わせでサトノダイヤモンド、マカヒキなどのGI馬が出ている。当歳時のセリでは馬体の良さが評判だったので楽しみが大きい。芝向きの中距離タイプ。

●ウラノメトリア(牡 栗東・矢作芳人 父ルーラーシップ、母ミクロコスモス)
 日本ダービー3着馬コズミックフォース(父キングカメハメハ)の4分の3弟で、現在ダートで準OPまで出世しているアンティノウス(父クロフネ)の半弟でもある。3代母ArchimillionnaireはCiboulette≒Coqueluche 3×1というカナダ血統のユニークな凝縮がある。2代母ユーアンミーはVice Regentを入れることでそれらを継続し、現役時代にフォワードギャルS(米G3・ダ7f)を勝った。母ミクロコスモスは阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)で3着、秋華賞(GI)で5着と健闘したほか、重賞で再三入着を果たした活躍馬。競走成績だけでなくカナダ血統を緻密にクロスさせたファミリーは価値があり、この先発展していく可能性が高いと思われる。本馬の父はルーラーシップ。母方にサンデーサイレンスとMr.Prospectorを併せ持つルーラーシップ産駒は連対率24.1%、1走あたりの賞金額167万円。これはルーラーシップ産駒全体の18.9%、161万円を上回る。手堅い成功パターンだ。芝向きの中距離タイプ。4分の3兄コズミックフォースを上回る活躍を期待したい。

●クリソベリル(牡 栗東・音無秀孝 父ゴールドアリュール、母クリソプレーズ)
 クリソライト(13年ジャパンダートダービー-Jpn1などダート重賞を5勝)の全弟で、マリアライト(父ディープインパクト/16年宝塚記念-GI、15年エリザベス女王杯-GI)、リアファル(父ゼンノロブロイ/15年神戸新聞杯-GII)の4分の3弟でもある。母クリソプレーズは近い世代にSadler's WellsとRivermanを併せ持っている。北海道2歳優駿(Jpn3)を勝ち、UAEダービー(首G2)では強豪Thunder Snowの2着と健闘したエピカリスは、その母の父カーネギーが「Sadler's Wells×Riverman」なので配合構成がよく似ている。一族には他にジャパンCダート(G1)を勝ったアロンダイト、アメリカJCC(GII)を勝ったダンビュライトなどがおり活力旺盛。全兄クリソライトと同じくダートで大仕事を期待したい。

●ミッキーバディーラ(牝 栗東・音無秀孝 父ディープインパクト、母バディーラ)
 朝日杯フューチュリティS(GI)を制して2歳牡馬チャンピオンに輝き、種牡馬として南アフリカへ輸出されることが決まったダノンプラチナの全妹。父ディープインパクトはUnbridledと相性がよく、とくにその息子Unbridled's Songを母の父に持つ配合は、JRAで出走した10頭がすべて勝ち上がり、前出のダノンプラチナのほかにフェアリーS(GIII)3着馬レッドベルローズが出ている。Unbridled's Songの全妹から誕生したダコールは新潟大賞典(GIII)を勝ち、その4分の3同血ブランボヌールは函館2歳S(GIII)とキーンランドC(GIII)を勝った。優秀な組み合わせなので重賞で活躍することを期待したい。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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