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上半期も終わりを迎え本格的な夏競馬の到来!両重賞の注目馬を追い切りから徹底解説!

  • 2018年06月27日(水) 18時00分


デビュー以来最多の調教量ですこぶる順調なアサクサゲンキ


 今週から福島、中京競馬が開幕。いよいよ、本格的な夏競馬がスタートといった感じですが、栗東トレセンも今週から調教開始時刻が5時。本来なら涼しい中、調教ができるとイメージしますが、27日の調教開始時点での温度計は25℃。とても早朝とは思えませんし、かなり蒸し暑い感じ。

 今週に入って、特に蒸し暑さを感じるだけに、今週あたりから夏負けする馬は出てくるはず。そうなってくると体調の見極めは重要でしょう。でも宝塚記念では-27キロの香港馬が2着の好走。そういった現実を見ると、調子の良し悪しなんて見分けることができないと言われてしまいそうですが(笑)。それでも私の場合は調教捜査官なので、追い切りの時点での状態はきっちりウマい馬券に反映させて、結果を出せるように努力していきたいと思います。

【ラジオNIKKEI賞/ロードアクシス】

 栗東所属馬ですが、2走前に福島芝2000mでの勝利実績。これは人気する要因になりそうですが、気になるのは前走大敗によるダメージ。調教の履歴を見ると、前走は福島遠征後の中3週でかなり軽い調教内容になったことが敗因だと思います。よって、今回に対するダメージはほぼないと思っています。

 中7週で追い切り本数は最低限といった感じの4本。しかし、その1本1本は決して強い負荷ではなく、ここが判断の難しいところ。奥村豊厩舎自体がそういった追い切り内容で結果を出していますし、この馬自身も結果を出した時にあまり強い負荷はかけられていません。それを思えば、最終追いがDPで6F80.1秒、1F11.2秒は決して遅くない数字。しかし、最終追い切り場所がDPになった点は場所替わりという意味で評価できません。

ロードアクシス

数字自体は悪くないものの不安が残るロードアクシス(写真奥)


【ラジオNIKKEI賞/ケイティクレバー】

 目野哲也厩舎解散後に安田翔伍厩舎に移り、今回は杉山晴紀厩舎へ転厩になっての一戦。すみれSでは皐月賞5着のキタノコマンドールと3/4馬身差の競馬をしており、その実力はここでは一枚も二枚も上の存在だと思います。これまで手綱を握った小林徹弥騎手に鞍上が戻ることで逃げが予想されますから、その点も小回り福島芝1800mには合うはず。

 調教内容も中7週とレース間隔があいたことを考えれば、順調に消化しています。ただ最終追い切りもしくは1週前追い切りでCWでの速い時計を出して若駒Sを勝ったり、すみれSで好走した時よりは負荷が軽め。同型の存在も気になるところですし、馬券という意味ではあまり重い印を打つことはできません。

ケイティクレバー

転厩初戦の今回は負荷が軽めなケイティクレバー(6月26日撮影)


【CBC賞/アサクサゲンキ】

 前走は枠入り後に両サイドの牝馬が気になって出遅れ。しかし「行くだけの競馬じゃなくて、後ろからでも脚を使えることが分かったという意味では悪くない」と音無秀孝調教師。もともと控えてレースができると思っていた同師だけに、メンバー最速上がりを使えたレース内容を評価しています。

 前走後は在厩したままの調整。その分、坂路での追い切り本数は多く、これはデビュー以来初めての調教量。最終追い切りは小倉2歳S1着時と同じような4F時計で、なおかつ4F目が止まりすぎないラップ。状態に関してはすこぶる順調ですし、あとは調教師が願っていた偶数番が当たれば。

アサクサゲンキ

状態は申し分なくあとは運を味方につけたいアサクサゲンキ(6月26日撮影)


【CBC賞/ダイメイフジ】

 高松宮記念への出走に夢を託したオーシャンSは展開面もあって3着。しかしこのレース内容が強かったことを証明したのが前走の競馬。2着続きの時にメンバー最速上がりが続いていたのに対し、1着時はメンバー中2位の上がり。ちょっと小出しに脚を使うことが勝利につながっている印象です。

 そのちょっと脚を使う難しさがあるはずなのに、ここ最近は安定した成績。その理由は今回の最終追い切りにあるような気がします。坂路で2F24.5秒という数字。もともと脚力がある馬でしたが、ここにきて、それに磨きがかかった印象もあります。あとは中京芝1200mという条件でどんな競馬をするかでしょう。

ダイメイフジ

脚力に磨きがかかってきたダイメイフジ(6月26日撮影)


【CBC賞/セカンドテーブル】

 昨年の2着馬。昨年よりもレース間隔があいたローテーションですが、今年の方が調教量は少なくなっています。その点を心配した1週前追い切りでしたが、見た目の動きは全く問題なし。軽快なスピードにはこの馬らしさを感じることができました。

 そして最終追い切りはどんな動きを見せてくれるかと思いましたが、CWで単走の4Fからちょこっと時計を出しただけ。これまでCWで4F追いにした時は、昨春に二桁着順が2回あります。見た目は決してどこも気になるようなことはありませんが、調教の量や質を見ると、あまり強くは推せない今回の内容です。

◆次走要注意

・6/23 2歳新馬【ドゥシャンパーニュ】(1人3着)

 単勝1.7倍も納得の最終追い切りの動き。レースも追い切りと同じ走りだったと思いますが、さすがにあの位置からでは3着が精一杯。小柄な馬体ですが、滞在で競馬できる強みもありますし、次は楽勝でしょう。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]最終追い切り併せ先着なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳未勝利【ウエスタンマリーヤ】

 やればいくらでも動くタイプの馬ですが、前走は最終追い切りをCWにしたことが凡走の要因。今回は2走前と同じ坂路での最終追いに戻してきましたし、その動きも終い重点で文句なし。2走前の左回り経験も活きてくるでしょう。

ウエスタンマリーヤ

左回り経験も活きてきそうなウエスタンマリーヤ(6月26日撮影)



【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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