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近走好調な馬の「勢い」に乗るべき!/CBC賞

  • 2018年06月27日(水) 18時00分

■CBC賞(G3・中京芝1200m)フルゲート18頭/登録18頭

【特注データ】〜レースデータより〜



 現在の条件で行われるようになって、今年で7年目となるCBC賞。目立っているのが、前走で「勝っていた馬」ならびに「僅差負け」だった馬の好成績である。当然といえば当然の話なのだが、意外にも前走1着馬の単勝適正回収値は220.3と非常に高く、狙ってみる価値は十分すぎるほど。ハンデ戦でもあり、「格」よりも「勢い」のレースといえる。

 前走で負けはしたが着差0秒5以内だった馬も、トータル[3-3-2-23]で連対率19.4%、複勝率25.8%となかなかの成績。それとは対照的に、前走が着差0秒6以上での負けだった馬はトータル[0-3-2-46]と、1頭も勝てていない。ほかに買い材料のある馬であれば2〜3着には狙えるが、アタマで買うのは避けたほうが賢明だ。

 前走が勝ち〜0秒5以内の僅差負けだった馬のなかでも、とくに「買い」といえるのが距離短縮組。前走も1200m戦だった馬が[1-1-2-16]であるのに対して、距離短縮組は[5-2-1-11]で勝率26.3%、単勝適正回収値239.3という好内容を残している。以上のデータから、「前走1着&距離短縮組」であるダイメイフジと、まったくの人気薄となりそうだが「前走着差0秒1&距離短縮組」であるトウショウピストを、特注データの対象としたい。

【コース総論】中京芝1200m Aコース使用

・コースの要所!

★1番人気ではなく2〜3番人気が非常に強いコース。中穴の好走率も高い。
★基本的には内枠有利&外枠不利。内枠と外枠では信頼度が大きく異なる。
★最後の直線は長いが強いのは先行勢。人気の差し馬を過信するのは禁物。




 G1の高松宮記念でも使用される中京芝1200m。スタート直後から最後の直線に入るまでが下り坂で、そこから直線の急坂を一気に駆け上がるという、メリハリのあるコース形態である。序盤から速い流れになるのは当然で、レースの流れは清く正しいスプリント戦に。開幕週でもあり、時計も速くなりそうだ。

 人気別成績で目立っているのが、2〜3番人気の強さである。1番人気よりもハッキリと好内容で、高松宮記念でも2番人気のファインニードル、3番人気のレッツゴードンキが、ともに好走している。あとは、4〜6番人気や7〜9番人気など、中穴ゾーンが強いというのも特徴。ふたケタ人気の超人気薄も来るには来るが、中穴狙いのほうが効率は格段にいいはずだ。

 次に枠番だが、信頼度の高さはキレイに「内>中>外」の順。内枠と中枠の差はそれほど大きくないが、外枠は明らかに低信頼度で枠番値も大幅マイナスと、かなり割り引いて考えたほうがいい。そして脚質も、ハッキリと先行勢が優勢。内枠から先行できる馬が基本的に有利だが、最近はエアレーションの影響で「開幕週のほうが外差しが決まる」ケースが見受けられる。その点については注意が必要だろう。

【レース総論】CBC賞(G3) 過去6年

・レースの要所!

★1番人気より2〜3番人気が強いのはコースデータ同様。穴なら7〜9番人気。
★コースデータとは対照的に内枠が弱く外枠が強い。判断が難しいところ。
★重賞らしくやや差し優勢も、逃げた馬がよく残っている点に注意したい。
★5歳馬が圧倒的に強いレース。ハンデは「背負っている組」を重視すべき。







 レースの平均配当は、単勝598円、馬連6288円、3連複2万3155円と、単勝平均だけが飛び抜けて低い結果となった。それもそのはずで、現在の開催条件となって以降の勝ち馬はすべて4番人気以内。昨年のように2〜3着が大きく紛れるケースもあるが、1着に関してはかなり堅く決まる傾向のようだ。

 1番人気が強いレースではなく、コースデータと同様に2〜3番人気のほうが好内容。3番人気以内馬はトータル[5-3-4-6]で連対率44.4%、複勝率66.7%という好内容だが、活躍しているのは2〜3番人気のほうだ。穴馬に関しては人気から絞り込みづらい印象だが、複勝率が16.7%と高い7〜9番人気がもっとも狙いやすそうである。

 判断が非常に難しいのが、コースデータと正反対の結果が出た枠番データだ。内枠である馬番1〜6番はトータル[1-0-3-32]で連対率2.8%、複勝率11.1%という信頼度の低さで、昨年の1番人気メラグラーナ、一昨年の1番人気エイシンブルズアイと連続して大敗。中枠や外枠のほうが明らかに優秀で、通常とは傾向の異なる馬場となっている可能性が高い。枠番に関しては、何よりも「土曜日のレース結果」を重視すべきか。

 脚質については重賞でもあり、コースデータよりも差し優勢。最速上がり馬も[3-1-1-4]で連対率44.4%と好成績だ。とはいえ、スプリント戦らしい流れになりやすいコースで前が全滅するとは思えず、先行勢と中団待機組が互角に張り合っている──という捉え方のほうがいいはず。基本的には前有利のコースであるのをお忘れなく。

 重視したいのが年齢別成績で、5歳馬が[5-4-4-18]と圧倒的な強さを見せている。高配当が出た昨年も、5歳馬によるワン・ツー・スリー決着だった。6歳馬はそれなりに来ているが、7歳以上馬はすべて4着以下。高齢馬については、相応の割引が必要といえる。前走クラス別では前走G1〜G2組が好成績だが、今年の登録馬はほとんどが前走オープン特別組で、該当例なし。例年よりもさらに「勢い」が問われることになりそうだ。

 最後にハンデだが、これは明らかに「背負っている組」のほうが強いレース。牡馬ならば、ハンデ56キロ以上であるのが望ましい。牝馬のほうが軽ハンデでの激走が期待できそうだが、こちらも基本的にはハンデ54キロ以上の「背負っている組」を買いたいところ。前走から斤量増であれば、モアベターだ。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 開幕週のAコースなので馬場状態は良好。エアレーションの影響に注意。

・天候予測
 ここから天候が大きく崩れる気配はなし。良馬場前提の予想でオッケイ。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、キングカメハメハ産駒○

 梅雨時でもあり、このところ週末にかけて天候が崩れるケースが多かったが、今週の中京開催は良馬場でやれそう。ビッシリと生え揃った芝でのスピード比べになりそうだが、気になるのがやはりエアレーションの影響である。どの程度「差せる」馬場であるかを、土曜日のうちに必ず確認しておく必要がるだろう。

 血統面は、ディープインパクト産駒とキングカメハメハ産駒をプラス評価。アドマイヤムーン産駒やヨハネスブルグ産駒もなかなかの内容だが、プラスに評価するほどではないと判断した。登録馬から考えるに、今年は血統というファクターを重視せずともよさそうな雰囲気。その他の予想ファクターに時間を割きたい。

★出走馬・総論×各論

 前走G1〜G2組どころか、重賞組でさえ数えるほどしかいない、今年のCBC賞。後にG1を制するモズアスコットを下したことで、ここはダイメイフジが人気に推されそうだ。それに続くのが3歳馬のアサクサゲンキや、牝馬のワンスインナムーン、ペイシャフェリシタあたり。いかにも夏のハンデ重賞というメンバー構成である。

 トップ評価は、いたって素直にダイメイフジ。冒頭の「特注データ」該当馬であるだけでなく、前走から斤量増でハンデ56キロであること、5歳以下馬であることなど、プラス評価となった項目がズラリと並んだ。短距離重賞で上位に食い込んだ実績もあり、ここはさらなる飛躍を期待できそうな一戦。人気に応える走りを期待する。

 二番手評価に牝馬のペイシャフェリシタ。こちらも期待度が高いパターンである「前走1着馬」で、前走から斤量増のハンデ54キロであること、非常に強い5歳馬であることなど、買い材料が非常に多い。実績的にもここでは上位といえる存在で、中京芝へのコース替わりや、速い時計になりそうな点も好材料といえる。

 三番手評価に、人気薄となりそうなトウショウピスト。不振が長く続いていたが、前走の安土城ステークスではダイメイフジから0秒1差の5着に好走と、ようやく復調を感じさせるレース内容を見せた。前走だけ走れば勝ち負けになっておかしくないはずで、7〜9番人気あたりになればさらに期待大。前走以上の結果を期待したい。

 以下はダイメイプリンセス、ワンスインナムーン、セカンドテーブル、ナガラフラワー、アクティブミノルという評価の序列。3歳馬のアサクサゲンキはプラス評価となった項目が少なく、あまりアテにはできないと判断した。あとは馬場や枠番次第だが、上位に評価した3頭の評価が、ここから大きく下がることはないはずである。


■総論×各論・先週の馬券回顧



阪神11レース 宝塚記念(G1)
1着 04ミッキーロケット
2着 13ワーザー
3着 02ノーブルマーズ

和田さんおめでとう(#^ω^)ビキビキ

トップ評価だった07パフォーマプロミスは、直線伸びず9着に大敗。「真ん中より内」を引いたので2〜3着付けの3連単フォーメーションで狙ってみましたが、何の見せ場もなかったのはさすがに悔しい(落胆)。でも、和田ジョッキーが超久々に中央G1を制したのは、ホントに喜ばしい。なんとか夏競馬で取り返さねば……!

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2012年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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