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第46回北海優駿は番狂わせ、3連単はなんと100万近くに

  • 2018年06月27日(水) 18時00分
生産地便り

北海優駿の口取り風景



せっかくの「馬産地ダービー」なんだから、さらなる盛況を


 6月20日(水)、ホッカイドウ競馬の3歳王者を決める“道営版ダービー”北海優駿が行なわれた。数えて46回目となる北海優駿は、名古屋から遠征してきたスギノハヤブサを含む14頭が顔を揃えた。

 終日、東寄りの強風が吹き、右回りの門別コースでは直線が向かい風になるのに加え、乾いた力の要る馬場状態でもあり、出走各馬にとっては過酷な条件であった。

 人気は、前走の北斗盃(3冠の第一弾)を快勝し、存在感を示したサザンヴィグラスに集中した。1.2倍まで支持を集め、後は「どのような勝ち方になるか」という点だけに興味が集まったようなムードであった。

 サザンヴィグラスが圧倒的な1番人気となったことで、他の出走馬はいずれも二桁以上のオッズになり、2番人気は名古屋からやってきたスギノハヤブサ(10.1倍)、3番人気はドラゴンハート(11.0倍)、以下マッドドッグ(12.8倍)、ビジネスライク(13.2倍)と、2番人気以降は拮抗していた。

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北海優駿のパドック風景

 発走時刻は午後8時40分。距離2000mなので、4コーナーポケットにゲートが設置される。順調に枠入りが進み、定刻通りにスタートした。厳しい向かい風の中を各馬が一団でスタンド前を進んで行く。先頭はニッポンダエモン(阿部龍騎手)、サザンヴィグラス(五十嵐冬樹騎手)はその直後につける。1〜2コーナーを過ぎ向こう正面になっても、ニッポンダエモンが先行し、直後にクロスウィンド(坂下秀樹騎手)、サザンヴィグラスという展開である。

 3コーナーを回りかけたあたりで、先行するニッポンダエモンの行きっぷりが鈍り、代わって先頭に立ったのはクロスウィンドであった。果敢にサザンヴィグラスがクロスウィンドの外側からスパートをかけようと迫る。

 しかし、4コーナーを回ったところで内がポッカリ空いた隙を狙って、それまで最内の経済コースを我慢しながら待機していたカツゲキジャパン(桑村真明騎手)が一気に先頭に立ち、直線ではクロスウィンドとのマッチレースとなった。

 3番手のサザンヴィグラスは直線で徐々に失速し、最後は馬群に沈んで7着に敗退した。

 カツゲキジャパンとクロスウィンドはほぼ馬体を併せるように激しく争いながらゴールイン。カツゲキジャパンがクビ差クロスウィンドを抑え、優勝であった。

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北海優駿は波乱の結果に

 クロスウィンドから4馬身遅れで3着にはストロングキック(石川倭騎手)が入り、上位3頭が8番人気、9番人気、7番人気という波乱の結果となったために、配当金もかなり大きくなった。単勝は3390円、複勝が430円、1240円、720円。馬番連単は10万1060円、3連複で12万8820円、3連単では実に96万1000円という結果であった。

 勝ったカツゲキジャパンは、父アドマイヤジャパン、母アメリカンハット(母の父ホスピタリティ)という血統の牡鹿毛馬。廣森久雄厩舎の所属。馬主は野々垣正義氏。生産者は新ひだか町静内農屋の朝野勝洋氏。

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廣森久雄調教師とカツゲキジャパン

 カツゲキジャパンは、昨年8月に門別でデビューし、11月まで8戦を消化し1勝、2着3回の成績を残した後、名古屋に転じ、今年3月までさらに10戦(1勝、2着3回、3着4回)のキャリアを積んで今春から再び門別に戻ってきていた。北海優駿は出走馬中最多の22戦目で、タフな使い減りしないスタミナが栄冠をもたらしたと言えるだろう。

 通算成績は22戦3勝2着8回、獲得賞金は758万8000円。

 一方、惜しかったのはクロスウィンドで、最後の最後までカツゲキジャパンと激しく競り合ったが、クビ差届かずの2着であった。

 なお、サザンヴィグラスは圧倒的1番人気に支持されながら、今回は初の2000mで、深い馬場に向かい風という悪条件も災いし、最後はずるずると後退してしまった。結果論とはいえ、やはり2000mはこの馬には少し長いようだ。

 なお、この日の門別競馬場は、入場人員が730人。普段よりはやや多い数とはいえ、ダービーデイとしては少し寂しい風景ではあった。

 売り上げは3億6686万円余。参考までに記すと昨年の北海優駿当日(6月1日)は、5億4778万円を売り上げていたので、こちらもやや物足りない数字になった。

 昨年も今年も、この北海優駿の出走馬はすべて日高管内の生産馬で占められる。文字通り「馬産地のダービー」であり、日高の牧場関係者にとっては唯一仕事が終わってから現地に行き観戦できるダービーということになるが、場内に華やいだ雰囲気があまり感じられないのはちょっと残念だ。

 1着賞金も、2007年(旭川)に現在の500万円に増額されて以来、これで12年間据え置かれたままである。3歳の3冠路線の頂点を決めるレースとしてはいかにも少ない気がする。1着賞金500万円は、佐賀(九州ダービー)、金沢、岩手、高知と同額だが、有力馬を集めるにはまず賞金の増額が最も効果的で、せめて3歳3冠路線くらいは思い切った上乗せを求めたい。

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岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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