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ハンデよりも展開がカギとなるラジオNIKKEI賞

  • 2018年06月29日(金) 18時00分


◆人気のフィエールマンはもちろん有力馬の1頭なのだが…

 3歳限定のハンデ戦になったときには違和感もあったラジオNIKKEI賞だが、年数とともにファンも慣れてきた。ハンデは気になるところだが決定的なファクターではなく、オープン勝ちの56キロ(牡馬)に対して1,2キロ貰っているくらいの馬が良い印象。同じ2勝馬で53キロと54キロに分かれるケースでは、見込まれた後者のほうがこれまでのところはむしろ買いだ。

 人気は2戦2勝のフィエールマンだろうか。負けていないうえに2勝馬なのでハンデが54キロという点から馬券は売れそうだ。もちろん有力馬の1頭だが、初手が速いタイプではないので、どこからどう仕掛けるかが問題。ごちゃついたり、自身に不利な展開になることも視野に入れておかねばならない。

 イェッツトも人気になりそう。プリンシパルSでタイム差なしの3着ながら、それがハンデに反映されないところにはお得感がある。こちらは差し構えで展開待ち。今回は積極的に仕掛けたいタイプも多いし、展開が向いてあっさりのシーンもあるのではと思う。

 メイショウテッコンはハンデ差が問題にはなるが、一方でスタミナの余裕はあるタイプ。他の先行タイプに付け入らせない積極的な仕掛けが良い結果に繋がる馬だ。ただ、今回はケイティクレバーもいる。互いに譲れない状況だし、結果として差し馬勢に漁夫の利をさらわれる可能性もあるのではないだろうか。

 キューグレーダーは安定味と自在性が魅力。位置を取って残すこともできるし、瞬発力勝負もできる。今回やろうとする競馬と展開がかみ合えば、勝ち切るところまであると思う。

 キボウノダイチは同じ500万でも強いメンバーとやってきた経験が武器だが、この馬も他の先行タイプとの折り合いが問題に。この馬まで参入しての逃げ争いになると全員末を失うかもしれないし、かといって控えると悔いを残しうるので難しい。

 グレンガリーはコース経験があるし、速い決め脚こそないものの今回それは要求されない可能性も高い。あまり人気にはならないようだが、馬券的魅力はある馬だと考える。

 ロードアクシスも距離違いだが福島経験のある馬。前走はGIIだしノーカウントと考えれば、今回の人気落ちはむしろ魅力と映る。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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