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ニューフェイスか?実績馬の復活か?/スパーキングレディーC

  • 2018年07月04日(水) 18時00分


文字通り“新女王”の座をかけての戦い


 7月5日(木)、川崎競馬場で行われる『第22回スパーキングレディーC』。歴代優勝馬にはファストフレンド、トーセンジョウオー、ラヴェリータなど名牝の名前が並ぶ真夏の女王決定戦。

 3連覇を果たしたラヴェリータ(2009年、2010年、2011年)をはじめ2勝したトーセンジョウオー(2005年、2008年)、3年連続馬券圏内のメイショウバトラー(2007年1着、2008年2着、2009年3着)などリピーターの活躍が目立ち、昨年もタイニーダンサーが2年連続3着となりましたが、今年は有力馬のリピーター不在(昨年8着の川崎・ドンナディヴィーノ1頭のみ)で、文字通り“新女王”の座をかけての戦いになります。

 まずは魅力溢れる新顔、ダートグレード競走初出走となるJRAの2頭からご紹介しましょう。

久々のダート戦が鍵のラビットラン


 ラビットランは昨年9月のローズSを制した芝の重賞ウイナー。ダート戦は久しぶりになりますが、7馬身差の圧勝劇を演じた新馬戦(2016年11月京都・ダート1400m)を含めデビューから3戦ダートを使っていた馬。

 父タピットはご存知の通りテスタマッタ、ラニ等ダートの活躍馬を輩出している血統で適性に不安はありません。ローズS以来勝ち星から遠ざかっていますが、久しぶりのダート戦で水を得た魚のように激走する可能性も。初ナイター、小回りコースへの対応など克服すべき課題は多いですが、どんな走りを見せてくれるか非常に楽しみな1頭です。

ローズS以来の勝ち星を狙うラビットラン(写真は17年ローズS優勝時、(c)netkeiba.com)


 オウケンビリーヴもダートグレード競走初参戦。3歳時まで芝を使い、昨年4歳になってダートへ転向後9戦3勝【3-2-1-3】と好成績。オープン入り初戦だった前走・天王山Sの勝ち馬は続く北海道スプリントCを制したテーオーヘリオスで、他にもブルミラコロ、ニットウスバルら力のある牡馬との戦いで7着。牝馬同士なら改めて狙える存在。

 父クロフネ、母ビスクドール。全兄にバトードール(2010年ユニコーンS2着、ジャパンダートダービー3着、2015年報知グランプリC1着など)、半姉にアイスドール(2008年クイーン賞3着など)がいるダートで活躍馬を出している血統。伯母トゥザヴィクトリー、叔父サイレントディールもいて血統的魅力十分。これまでダートでは1200mしか経験がありませんが、距離延長も心配無さそうです。

牝馬同士の一戦で改めて狙いたいオウケンビリーヴ(写真は18年陽春S優勝時、(c)netkeiba.com)


 さらに復活の勝利に期待するダートグレード競走ウイナー2頭が参戦。

 リエノテソーロは2016年の全日本2歳優駿を制したJpnIホース。同年にはエーデルワイス賞も制していてダートグレード競走2勝。さらに2017年には芝のGI・NHKマイルCでも2着となった実力馬。近走は芝のレースで不振が続いていますが、JpnIを制した川崎の1600m戦で再び輝きを取り戻して欲しい1頭。

かつてJpnIを制した舞台での復活を狙うリエノテソーロ(写真は16年全日本2歳優駿優勝時、撮影:高橋正和)


 ワンミリオンスは2017年のTCK女王盃、エンプレス杯を制したダートグレード競走2勝馬で今回のメンバーでは格上の存在。

 エンプレス杯以来1年以上、人気に応えられないレースが続いているのは気になるところですが、ここ2走(栗東S6着、アハルテケS5着)は骨太の牡馬相手のレースでともに0.6秒差と大きくは負けておらず、復調の兆しあり。実績馬の底力を見せてくれるかもしれません。

実績馬の底力を見せたいワンミリオンス(写真は17年エンプレス杯優勝時、撮影:高橋正和)


 地方勢は昨年ララベルが、一昨年はブルーチッパーが2着に健闘。今年の地方勢にもチャンス十分の面々が揃っています。

 大井のブランシェクールは地方馬と言ってもまだ転入2戦目。2走前、JRA時代に参戦したTCK女王盃でミッシングリンクの2着。転入初戦だった前走・報知新聞皐月杯(川崎1600m)ではキングガンズラングの2着。キングガンズラングは続く京成盃グランドマイラーズを5連勝で制覇。相手を考えると立派な成績で、今回と同じ舞台を経験しているのも強く推せる材料。新女王の座に最も近いところにいる地方馬と言ってもいいでしょう。

“新女王の座に最も近いところにいる地方馬”と言ってもいいブランシェクール(写真は18年成田特別優勝時、撮影:下野雄規)


 大井のラインハートはJRAから転入初戦だった昨年のJBCレディスクラシックでいきなり3着。その後もクイーン賞3着、TCK女王盃でも3着と牝馬のダートグレード競走で上位の力を持っているところを見せてくれています。末脚が活きる展開になれば今回も上位争いを演じてくれそうです。

末脚が活きる展開になれば今回も上位争いを演じてくれそうなラインハート(写真は17年JBCレディスクラシック出走時、撮影:高橋正和)


 川崎のラーゴブルーはJRAから転入後6戦5勝【5-1-0-0】と絶好調で前走・しらさぎ賞を制覇。勢い十分で今回のメンバーでも軽視できません。祖母フェアリードールというのはオウケンビリーヴと同じで、血統的にも魅力があります。

ラーゴブルーは勢い十分で今回のメンバーでも軽視できない(写真は18年しらさぎ賞優勝時、撮影:武田明彦)


 血統といえばロジータの孫、船橋のオルキスリアンにも注目。4月のマリーンCで5着と掲示板を確保し地方馬最先着。祖母ロジータゆかりの地でそれ以上を狙います。

 魅力的な牝馬たちが揃った今年のスパーキングレディーC。ニューフェイスが戴冠するのか?実績馬の復活か?トーセンジョウオー以来となる地方馬の勝利なるか?今後の牝馬戦線を見据える上で大変重要な戦いになりそうです!

※次回の更新は7月10日(火)18時。翌日に大井競馬場で行われる「ジャパンダートダービー」のコラムをお届けします。


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埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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