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珍しいメンバー構成の七夕賞、例年のセオリーは通用しない?

  • 2018年07月06日(金) 18時00分


◆個々の長所と短所がどう出るか…

 今年の七夕賞は12頭と少なめの頭数に。しかも牝馬が3頭入る珍しいメンバー構成となった。過去10年の出走馬156頭のうち牝馬は13頭。このあたりからも、例年のパターンというかセオリーが通用しないレースになるような気がする。

 人気はサーブルオールだろうし、実際無難な存在かと思う。道悪も前走である程度こなす感じになっているし、距離も合う。初手の位置取りが後ろ過ぎると捲るか捌くかするときにややこしくなるが、今年の頭数ならリスクも低めだ。

 キャリアハイの高さということではプラチナムバレット。調教の内容も良くなってきたようで、復活の期待がかかる。ただ、前走でかなりの大敗を喫してきた直後というのは正直不安。それでいてある程度人気というのは馬券として筋のよいものではなく、買うにしても△で押さえる程度にしてみたいと個人的には思っている。

 そのプラチナムバレットに乗る岩崎騎手が前走まで乗っていたのがレイホーロマンス。牝馬重賞とはいえ2、3着がありながら準オープンとオープンの勝ち鞍が無いために51キロというのは明らかにお得なハンデ。内田博幸騎手ももちろんプラス要素だろう。問題は脚質で、いちばん後ろからになるとさすがに届ききらない可能性はある。

 ハンデのお得感はないが、福島で重賞勝ちがあり、しかも来るときはアタマで来る傾向があるのがキンショーユキヒメ。重馬場が未経験だが、メイショウサムソン産駒だけにプラスだった場合は他馬に比べて有利となる。ちょっと今回はハンデのわりに売れすぎそうな感じもあるが……。

 牝馬のもう1頭ワンブレスアウェイは両者の中間とも言えるタイプ。位置もとろうと思えばとれるし、1800mだが福島で準オープンも勝っている。ステイゴールド産駒なので道悪だとそれが追い風になる可能性も。ひところ低迷していたが、前走の好走で買いやすくなった。

 マイネル勢ではマイネルフロストに期待したい。完全な重はいやだが、もし止んで稍重くらいだとこの馬にはちょうどいい。前走の敗因を休み明けに求めれば、昨年に続いての好走が期待できる。

 マイネルサージュは前走の差しが鮮やかだったし、マイネルフロストと前後に分かれてどちらかに展開が向けば、という構えでいいだろう。マイネルミラノは侮れない馬だが、さすがに年齢面からしんどいようにも思える。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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