スマートフォン版へ

8月の北海道はナナコで熱い?!

  • 2018年07月10日(火) 18時00分


◆門別のみならず、ばんえい帯広にも初登場

 ばんえい十勝から、今年も8月20日(月)に『JRAジョッキーDAY』の実施が発表された。JRAのジョッキーが、ばんえいのエキシビションレースに騎乗するなどして、ばんえい競馬を盛り上げるこの企画も今年で12回目。武豊騎手もこれまで3回来場。一昨年、昨年に出場したC.ルメール騎手は、初めて見るばんえい競馬に興奮した様子だった。また今年も出場する勝浦正樹騎手は、ただひとり第1回から皆勤での出場となる。

 そして今年、初出場となる騎手で、ちょっとびっくりしたのは藤田菜七子騎手だ。当日の帯広競馬場は、相当な盛り上がりとなるのではないだろうか。

 それで思ったのは、藤田菜七子騎手の北海道での初めての競馬は、ばんえい競馬になるのか?ということ。今から1カ月以上も先のことなので、その間にもしかして函館・札幌競馬場で騎乗する可能性がないでもないが、7月8日現在、藤田菜七子騎手は、地方の門別も含め、いまだ北海道では競馬に騎乗したことがない。

 そのことを知ったのは6月、北海優駿の取材で門別競馬場に行ったとき、現地在住ライターY君から聞かされた。今年も全国で行われるヤングジョッキーズシリーズの概要が発表されて間もなくのこと。藤田菜七子騎手がトライアルラウンドの門別に出場することを話題にしたときだった。Y君いわく、「門別どころか、北海道で騎乗したことがないので、たいへんなことになりますよ」と。

 たしかに調べてみると、藤田菜七子騎手が中央の競馬場で騎乗したことがないのは札幌と函館だけ。地方でも、ばんえいを除いて現在開催されている競馬場で騎乗していないのは、門別、水沢、笠松のわずか3場。昨年のヤングジョッキーズシリーズ・トライアルラウンドの出場は川崎、盛岡、船橋だったので、門別での騎乗はまだなかったのだ。それにしても2016年3月にデビューしてまだ約2年半。中央・地方を通じて、それだけ多くの競馬場で騎乗しているというのはすごい。

 先のY君「たいへんなことになりますよ」というのは、スタンドなどのファンエリアが決して広いとはいえない門別競馬場に、たくさんのファンが押し寄せ、さらに競馬ではない一般マスコミの取材も来るのではないか、ということ。

 そうかなあ、と思ったが、たぶんそうなるのだろう。

 思えば藤田菜七子騎手がデビューしたころ、南関東の競馬場などでは、終了後の共同会見以外の取材は禁止、というような厳しい規制がなされていたのが懐かしい。もちろん今でも藤田菜七子騎手が騎乗するとなれば、パドックなどでカメラやスマホを構えるファンは圧倒的に多い。しかし最近では条件交流などで地方競馬で騎乗することは当たり前のようになり、取材の際に特別な扱いなどはなくなった。

 たしかに8月までの函館、札幌で騎乗する機会がなければ、8月23日、門別競馬場で行われるヤングジョッキーズシリーズ・トライアルラウンドが、藤田菜七子騎手にとっては北海道でレースに騎乗するのは初めてのこととなる。その3日前には、エキシビションではあるものの、ばんえい十勝・帯広競馬場で、多くのファンが訪れるであろう中で、ばんえい競馬のソリに乗ってコースを走る。藤田菜七子騎手にとって、ばんえい競馬は見るのもおそらく初めてのことではないだろうか。

 8月20日の帯広、23日の門別。8月下旬の北海道は藤田菜七子騎手で熱くなりそうだ。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング