◆豊かな才能を示して、スワーヴリチャードを差し切った経験も
骨折での長期休養、関西への転厩などがあって持てる素質全面開花が遅くなった4歳ブレスジャーニー(父バトルプラン)が、ようやく軌道に乗るチャンスを迎えた。
前回の巴賞は、休み明け、初コース、出遅れなどの不利が重なったが、大外から突っ込んで0秒1差だけ。着順は5着でも、ようやく秘める資質発揮を予感させると同時に、平坦コースへの高い適性を示した。
2歳後半の東スポ杯で、スワーヴリチャード以下を下して鮮やかに勝ったのは、早熟性を生かしたものではなく、豊かな才能を示しての差し切り勝ち。3連勝した当時、一度も1番人気に支持されたことがないのは、おそらく父バトルプラン(その父エンパイアメーカー)の知名度や評価が関係したと思われるが、バトルプランは父と同じくアメリカ産馬ではあっても、ダート限定ではなく、また短距離タイプではないので最初から評価の高くなるタイプではない。
父エンパイアメーカーも、初期の産駒バトルプランも、出走レースは8ハロン以上であり、ダートの短距離戦から使い始める手法を取られると、評価が下がってしまうのである。
ブレスジャーニーの場合は、母の父タニノギムレット、祖母の父サンデーサイレンス。ましてや3代母は名牝ダイナカールとあって、芝の1600m、1800mで3連勝のスタートとなったから陣営の展望は正解だった。
たまたま骨折ブランクがあったが、素質全開はこれからだろう。エンパイアメーカー産駒も、バトルプラン産駒も、活躍するのは母の父を中心にアメリカ血統の色彩が濃い馬だけという不思議な傾向があり、これには特に理由はないが、夏の平坦コースは大歓迎に違いないという狙いができる。ブレスジャーニーはその典型になる可能性が高い。
デキのいいブラックバゴ、トリコロールブルー(この馬は人気になりすぎるが…)本線に、穴馬の筆頭ナスノセイカン。