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能力紙一重の大接戦、ハンデ比較は意味を持たない/白河特別

  • 2018年07月20日(金) 18時00分


◆コース適性がある“芦毛の牝馬”に注目

 夏の「福島→新潟」計20日間の開催のうち、1000万特別がメインレースになるのはこの日だけ。つまり、関東圏の本開催扱いで1000万特別が11Rとして行われるのは、1年間にこの「2回福島7日目」だけである。

 ふつう、1000万特別とはいえフルゲート16頭ともなれば、ハンデ「55〜57」キロが妥当となる馬が最低でも3〜4頭はいるものだが、7歳エルカミーノレアルが55キロ。54キロの牡馬が4頭いて、以下はみんな「50〜53」キロとなったハンデ戦。

 良くいえば、能力紙一重の大接戦。ふつうに形容すると、メインを飾る1000万条件の特別とすると「しかし、そのレベルは…」という力関係を示している。昨年の白河特別もたまたま同じようなハンデの組み合わせになり、結果は「52,50,53」キロの軽ハンデ馬の決着。わずか12頭立てなのに、3連単は60万円台だった。今年は、軽ハンデ53キロ以下の馬が11頭もいる。ハンデ比較はあまり意味を持たず、その馬にとってどのくらい軽いかがポイントか。

 人気の1頭シンボリバーグ(父ダイワメジャー)は、4歳牝馬。今開催初日に、この距離の500万特別を「1分07秒9」で快勝してみせた。ここまで3歳以上の芝1200m戦は「11鞍」行われたが、同日の1600万の1分07秒1に次いで2位。翌日の1000万特別が1分08秒4。先週のバーデンバーデンCが緩い流れだったとはいえ「1分08秒3」なので、シンボリバーグの500万勝ちの1分07秒9(自身33秒6−34秒3)は上々である。

 それは、春シーズンは1000万クラスだったこと、1000万下の芝1200mで3着があることのほかに、この芦毛の牝馬、夏の平坦に近いコースが合っているからだろう。

 芦毛は、祖母の父シベリアンエクスプレスから来ている。土曜日では、中京11Rの伏兵エルフィンコーブの父が、「アディオスチャーリー」→「インディアンチャーリー」→「インエクセス」→「芦毛シベリアンエクスプレス」→「芦毛カロ」→「芦毛フォルティノ」→「芦毛グレイソヴリン→」。シベリアンエクスプレスと同じ父系になる。

 まだキャリアの浅い4歳牝馬のシンボリバーグは、これからまだまだ力をつけること必至の上昇度があり、同じコースの、同じ距離で負担重量2キロ減の「53キロ」はストレートにハンデ有利に結びつくだろう。

 相手妙味は軽ハンデの3歳馬が主力。カイザーメランジェ、ラストプリマドンナ、ムスコローソを中心に流す。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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