◆配合イメージはディープインパクト
これだけ暑い中、みんなの体調に不安がなく、そろって好調などということはあり得ないが、一見、有力どころはみんな好調のように映る。最初から波乱の要素が潜んでいる。
今年と同じように高速の芝でスタートした昨年は、最終日のこのレースは前後半バランス「46秒3-46秒9」=1分33秒2で決着。2番手から抜け出した今年も出走のウインガニオン(57キロ。父ステイゴールド)の前後半は推定「47秒0-46秒2」=1分33秒2だった。
実際には非常に楽なペースでの2番手抜け出しとなったが、今年はロジクライ(父ハーツクライ。逃げた前回の1600mの前半1000m通過57秒2)などもいる。そう単調な先行馬向きの流れにはならないのではないか。勝ちタイムもずっと速くなる可能性が高い。先週、3歳未勝利のマイルでさえ1分34秒0(レース上がり34秒7)だった。
2年ぶりの一戦をひと叩きした、5歳スマートオーディン(父ダノンシャンティ)の復活劇に期待したい。その前走、さすがに気負っていたため抑えずに行かせ、東京の坂の1400m通過地点は1分23秒台だったが、まだ先頭だった。いっぱいだったのでそこで止めて流したが、闘争心も失われていなければ、スピードも、活力も十分。復活に時間はかからないように映った。
3歳の春以来というと、現在種牡馬になっているあのペルーサは、青葉賞から5年以上もたって、8歳時に再びOP特別を勝ったという記録がある。脚部難や大きなスランプに陥っても、復活する馬はいる。カネヒキリは屈腱炎で2年以上も休みながら復活してG1を3勝もし、再度の脚部難でまた1年休んだあと、再びG1で快走している。
スマートオーディンは今回が初の1600mになるが、おそらくマイルは適距離。ここまでに1800mの重賞を2つ制しているが、上がりは32秒9と、32秒7。ともにハロン10秒台、11秒代前半の高速ラップを刻んで鮮やかに差し切る爆発力で勝っている。
父ダノンシャンティ(その父フジキセキ)は、わずか8戦しただけにとどまり、1600mに出走は一回だけだったが、NHKマイルCを1分31秒4(当時のJRAレコード)で完勝した。フジキセキ系はほとんどがマイラーでもある。
距離適性に対する考えは難しく、ベストの距離に関しては引退してからも答えが出ないことが多いが、スマートオーディンのマイル適性はきわめて高いと思える。サンデーサイレンス系の父に、母の父はリファール系のアルザオ。配合イメージはディープインパクトであることはいうまでもない。
グレーターロンドン、リライアブルエース本線。穴馬は高速レース向きのガリバルディ。