スマートフォン版へ

【中京記念】“未完の大器”がレコード更新 随所で光った田辺騎手の頭脳プレイ

  • 2018年07月26日(木) 18時01分
哲三の眼

▲表彰式で笑顔を見せる田辺裕信騎手(中) (c)netkeiba.com


“未完の大器”とうたわれていたグレーターロンドンが、驚速レコードで中京記念を制覇!混戦模様のマイル戦線でニュースター誕生を予感させるなか、今回は随所で光った田辺裕信騎手の“頭を使った騎乗”を解説します。さらに先週の中京開催で人気薄の馬を好走に導いた津村明秀騎手にも注目。哲三氏ならでは(?)のマニアックな視点から健闘を称えます。(構成:赤見千尋)

技術とは「体と頭の両方がしっかりマッチしてこそ」


 中京記念はグレーターロンドン&田辺(裕信)君が、直線外から鋭く伸びて重賞初制覇を果たしました。1番人気馬の連敗が続いていたレースでしたが、人気に応え見事な走りを見せてくれましたね。

 今回のレースは、メンバーや条件などいろいろな要素を考慮すると、グレーターロンドンにとって展開がピタッとハマるのではないかと感じていました。おそらく田辺君もそう感じていたのではないかと想像しています。

 僕の経験上、重賞で展開がハマるというのは1年に1度あるかないかだし、平場のレースを含めても年に5回あるかどうかというところなんです。なので、田辺君がこの舞台でどんな風に乗るのかなと思っていましたが、さすがよく考えているし、頭がいいなと思わせる騎乗でした。

■7月22日 中京記念(16番:グレーターロンドン)

 スタートしてから最初のコーナーに向かうまでの扶助操作では、「折り合いをつけよう」という意識よりも、「流れに乗せてあげたい」という感じに見えました。終いの脚を活かしたいという意識が強かったら、スタートを出ても下げてもう少し内の方に潜り込んで行った可能性もあるけれど、外が伸びるということもあって、ずっと外を走ることを選択した。ただ、外を回る上に後ろに居過ぎたら届かないから、ちゃんと届く位置を取るところもさすがです。

 尚且つ、4コーナーを回り切るまで

続きはプレミアムサービス登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング