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牝馬を無視できないアイビスSD

  • 2018年07月28日(土) 12時00分


◆伏兵をさがすなら外枠から

 新潟の直線1000米のスタート地点は、実況席からコースに向かって左手のはるか奥にある。馬群を正面からとらえることになるため遠近感がなく、スタートしてからの数百メートルは、10倍の倍率の双眼鏡でもどの馬が先頭なのか判別しづらい。

 そこで、走ってくる各馬の脚元を見ることにしている。どの馬が出ているか、そうすることで判断できるのだ。それでも各馬が内と外に大きく広がって駆けてくるから、油断はできない。

 アイビスサマーダッシュは開幕週にあるので、馬場コンディションが影響することは少ないが、使い込まれてくるとコースの内側は避け、なるべく外へ外へと進路を変える馬が多く、途中で馬が交錯する。

 内枠の馬がいつの間にか外を走っていることがあって、実況アナ泣かせのコースになっていくのだ。とは言え、直線競馬はやはり外枠が狙いというのが定説で、この10年、7枠と8枠の成績はその他の枠を圧倒しているというのが現実。アイビスサマーダッシュとて、連対馬の半分以上は、この外枠に集中している。特に伏兵をさがすならこっちの方だ。

 昨年の勝ち馬ラインミーティアは、その典型と言ってもいいだろう。格上挑戦だったので持ち味を引き出すことだけに西田騎手は集中し、とにかく切れ味を最大限に発揮することだけを考えていた。勝ちにいくのではないこの戦い方、如何にも伏兵らしい勝ち方だった。

 夏は牝馬を狙えと言われるが、その理由は様々。そのひとつが、平坦コースではないかと思っている。直線1000米は、多少の上り下りはあっても、ほぼ平坦と言ってよく、アイビスサマーダッシュも過去17回のうち11回、牝馬が勝っている。これは無視できない。この5年に限っては、2勝2着3回とパーフェクトに連対を果たしている。夏の牝馬はここでも生きているのだ。

 さらに無視できないのが、1番人気馬の成績で、4勝2着1回とパーフェクトに連対を果たしている。それも、不利と言われる内枠でも健闘していた。馬場が荒れていなかった証拠とも言える。

 1番人気馬に牝馬、外枠の伏兵馬、このスリーポイントにアイビスサマーダッシュは絞ってみたい

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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