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世代ナンバーワンの2億8000万円の値がついたサトノソロモン

  • 2018年08月01日(水) 18時00分
●オーサムウインド(牝 栗東・友道康夫 父ディープインパクト、母オーサムフェザー)
 サンデーサラブレッドクラブで募集価格7000万円。青葉賞(GII)3着馬スーパーフェザーの全妹。母オーサムフェザーは米2歳牝馬チャンピオンで、ブリーダーズCジュヴェナイルフィリーズ(米G1・ダ8.5f)、ガゼルS(米G1・ダ9f)など11戦10勝の成績を残した名牝。

 本馬はBlushing Groom、Mr.Prospector、Vaguely Nobleと、父ディープインパクトと相性のいい血が入り、これも父の成功パターンであるLyphardのクロス(4×4)を持っている。全兄スーパーフェザーは惜しくもダービー出走はならなかったものの将来性は十分。一般的に牝馬のほうが完成が早い傾向があるので、妹はPOG期間内で大いに期待できる。

●カウディーリョ(牡 美浦・堀宣行 父キングカメハメハ、母ディアデラノビア)
 ディアデラマドレ(14年府中牝馬S-GII、14年マーメイドS-GIII、14年愛知杯-GIII)、ディアデルレイ(17年マーチS-GIII・2着)の全弟、ドレッドノータス(15年京都2歳S-GIII/父ハービンジャー)、サンマルティン(17年小倉記念-GIII・2着/父ハービンジャー)の半弟にあたる。

 母ディアデラノビアはフローラS(GII)など3つの重賞を制覇し、繁殖牝馬としても大成功した。2代母ポトリザリスはアルゼンチンダービー(G1)、アルゼンチンオークス(G1)を制した女傑で、兄弟姉妹に3頭のG1ウィナーがいる(うち1頭は亜2歳牝馬チャンピオン)。活力あふれるファミリーに属しており、本馬も高確率で走ってくるだろう。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

●クラッシーチャチャ(牝 美浦・奥村武 父ハーツクライ、母ホットチャチャ)
 日本ダービー(GI)4着、青葉賞(GII)2着などの成績があるエタリオウ(父ステイゴールド)の4分の3妹。母ホットチャチャはアメリカ産の輸入牝馬で、現役時代は同国でクイーンエリザベス2世チャレンジC招待S(米G1・芝9f)など4つの重賞を制した。母の父Cactus Ridgeはアーリントンワシントンフューチュリティ(米G3・ダ8f)を含めて4戦全勝。

 母方にMr.ProspectorとDanzigを併せ持つハーツクライ産駒にはワンアンドオンリー(14年日本ダービー-GI)、ヌーヴォレコルト(14年オークス-GI)などの大物がいる。そのほか本馬は、父と相性が良いと思われる良質なアメリカ血統を豊富に抱えており、母のポテンシャルの高さから考えて高確率で走ってくるものと思われる。兄は2着が多いが、この馬は牝馬なのでもっと切れるはず。距離適性は幅広く、マイルから2400mまで幅広く走れるだろう。

●サトノソロモン(牡 栗東・池江泰寿 父ディープインパクト、母イルーシヴウェーヴ)
 セレクトセール当歳で落札価格2億8000万円。母イルーシヴウェーヴはフランスの桜花賞にあたる仏1000ギニー(G1・芝1600m)など重賞4勝。母方にElusive Qualityが入るディープインパクト産駒はJRAで5頭出走してすべて勝ち上がり、最優秀2歳牝馬ショウナンアデラ、NHKマイルC(GI)の勝ち馬ケイアイノーテックが出ているニックスといえるだろう。

 さらに、母方にMr.Prospector、Blushing Groom、Nureyevを併せ持つ配合はヴィルシーナとヴィブロスの姉妹、ミッキークイーン、アンビシャスなどと同じ。配合的な完成度は高い。全姉イルーシヴグレイス(現1勝)は馬体重が400kg前後の小柄な馬だが、本馬は逆に500kgを優に超える巨漢馬。芝中距離で大仕事を期待したい。

●ブランノワール(牝 栗東・須貝尚介 父ロードカナロア、母プチノワール)
 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)を勝ったローブティサージュの半妹。母プチノワールはアサクサデンエン(05年安田記念-GI、05年京王杯SC-GII)と同血(父が同じで母同士が全姉妹)で、Glorious SongとMachiavellianを通じたHaloクロスを持ち、Sadler's Wells(≒Nureyev)がサポートするという配合構成なので、ヴィルシーナ(13、14年ヴィクトリアマイル-GI)、ヴィブロス(17年ドバイターフ-G1、16年秋華賞-GI)、シュヴァルグラン(18年ジャパンC-GI)を産んだ名牝ハルーワスウィートと配合構成がよく似ている。

 母方にMachiavellianを持つロードカナロア産駒は2頭出走して1頭が勝ち上がり、その1頭は本馬と同じく母にHaloクロスを持つサンラモンバレー(2戦2勝)なので期待できそうだ。芝向きのマイラー。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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