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「夏は牝馬」の格言はこの酷暑でも通用するのか!?

  • 2018年08月04日(土) 12時00分


◆ここ2週間の笠松、園田競馬を分析

「命に関わる暑さ」が続いている折、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

 この酷暑は人間ばかりに襲いかかっているわけではありません。競走馬にとってもツラい暑さになっているはずです。

 今年ほどではなかったものの、何年か前、猛暑が続いた時に、「夏は牝馬」というけれど、実際はどうなのかを調べて、当コラムのネタにした記憶があります(アーカイブを見ればわかるんですが…)。

 今回はその“リメイク版”。ここ2週間の笠松、園田競馬(いかにも暑そうなところ、ですよね?)の結果をおさらいしてみました。

 まずは笠松競馬。7月25、26、27、8月1、2日に行われた全60レースのうち、58レースが牡牝混合で行われていました。

その中で、牝馬が勝ったのは32レースで全体の55.2%。牝馬による1〜3着独占は8レースあったのに対し、牡馬の1〜3着独占は3レース。58レースの1〜3着馬全174頭中、牝馬は97頭で55.7%を占めていました。

 一方、7月25、26、8月1、2日の園田競馬(つまり昼開催の日です)。この4日間に、牡牝混合戦は43レースありました。

 43戦中、牝馬は17勝(39.5%)。牝馬の1〜3着独占は4回、牡馬の1〜3着独占は6回。1〜3着馬129頭のうち牝馬は63頭(48.8%)でした。

 ウーン、笠松では牝馬優勢の傾向が現れていますが、園田では明らかに牡馬が優勢です。この結果からすると、一概に「夏は牝馬」とは決めつけられないようですね。

 それじゃぁ、去年はどうだったか?何しろ今年の暑さは尋常じゃないので、去年とは違う傾向になっていたかもしれません。

 去年8月2、3、4日の笠松競馬では、牡牝混合戦全30レースのうち、牝馬が22勝していて、割合にすると73.3%に達しています。牝馬の1〜3着独占は7回、牡馬は2回。1〜3着馬90頭中、牝馬は56頭で62.2%を占めていました。今年は5日間、去年は3日間のデータなので、単純比較はできませんが、去年のほうが牝馬優位の傾向が強かったようです。

 そして園田。去年7月26、27、8月2、3日(これも昼開催)の4日間で、牡牝混合戦は41レース行われ、牝馬は17勝(41.5%)。牝馬の1〜3着独占は5回で牡馬のそれは4回。1〜3着馬123頭中、牝馬は61頭で49.6%を占めました。こちらは、ほぼ同じ時期の同じ4日間を調べた数字。園田は、今年とほぼ同様の成績になっています。

 笠松の数字を見ると「夏は牝馬」なのですが、園田のほうは格言どおりとは言えませんね。

 でも、これだけのサンプル数では、結論を出すわけにいかないでしょう。酷暑が続く今年、もうちょっと様子を見てみようと思います。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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