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この組み合わせなら候補NO.1は間違いない/レパードS

  • 2018年08月04日(土) 18時00分


◆ふつうは明らかに不利な枠だが…

 人気のグレートタイム(父キングカメハメハ)は、2勝してオープンランクになって以降、「4,2,2,3」着。エース格のルヴァンスレーヴにもいくらも負けていないから、この組み合わせなら候補NO.1は間違いない。

 ただ、ユニコーンSも、ジャパンダートダービーも勝負どころの反応が悪く、勝ち馬が決まったあとに思い直したようにゴール前で差を詰めただけの完敗で、機動力に欠けるところがある。新潟のダートコースはコーナーがきつく、かつ幅員も狭いから、不器用な差し馬に合うコースではない。大丈夫だろうか。引いた枠順もふつうは明らかに不利な大外枠になった。

 だが、もともと先行力に欠けるグレートタイムにとっては、なまじ内枠で最初から馬群のインで揉まれ通しのレースになるよりはいい可能性が生じた。そのうえ、たまたま先行タイプの大半が内枠を引いたので、最初から馬群が固まることなく中団以降は少しばらけた展開になるだろうから、自分で動くことができる。

 少なくとも、昨年の1番人気だったエピカリス(5番、ルメール)のように、直線に向いて馬群のインに入ったままスペースを探せないうちにレースが決着することはない。力任せの荒い騎乗をしないルメールは、欧州育ちにしてはインをこじ開けて割って出るようなレースはしないので、接戦では外にまわったときにいい結果が出ているイメージがある。

 母ミラクルレジェンド(父フジキセキ)は、10年のレパードSを手始めにダート12勝。またその4分の3弟ローマンレジェンド(父スペシャルウィーク)は、東京大賞典など10勝したダート巧者の一族出身。ただ、その2頭ともに最初からポンポン連勝したわけではなく、台頭したのは3歳の夏以降なので、グレートタイムがどうももたもたして勝ちみに遅いのは仕方がないのだろう。本格化はこれからである。

 グレートタイムの5代母は、1970年生まれの仏産馬サンタキラ(父サンクトゥス)。この未出走の牝馬はG1レース10勝の名牝ミエスク(1984年、父ヌレイエフ)の祖母にあたる。

 グレートタイムの父は、芝、ダートを問わない日本のチャンピオンサイアー=キングカメハメハ。その父キングマンボ(父ミスタープロスペクター)は、名牝ミエスクの代表産駒であることが知られる。

 輸入牝馬パーソナルレジェンド(ミラクルレジェンドの母)のファミリーの牝馬には、これまでなぜかキングカメハメハが配されることは一度もなかったが、グレートタイムには牝馬サンタキラのクロス「5×5」が成立した。

 内から先行しそうな馬の中では、のびのびしたフットワークが光るアルクトス(父アドマイヤオーラ)と、苦しいパワー勝負に向いていそうなアドマイヤビクター(父ルーラーシップ)に魅力がある。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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