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回を重ねて変化してきた関屋記念

  • 2018年08月11日(土) 12時00分


◆中京記念組の成績は気になるが…

 スタンドに腰を下すと、コースの広大な敷地の向正面に大きく広がる五頭連峰の稜線が迫ってくる。新潟競馬場の天候は、この稜線がどう見えるかで予測がつく。くっきり見えれば晴れ、ぼんやりなら雨の前触れと承知してきた。スタンドの裏手、パドック側からは日本海が目の前に広がり、天気のいい日には遠く佐渡島が。ずっと手前の駐車場の縁にそってサルスベリの木が並び、ピンクの花をつけている。暑さから気をまぎらしてくれるのは、この景色だ。

 そんな真夏のマイル戦、関屋記念も回を重ねて53回目になったが、2000米で始まりマイル戦になったのが第10回から、さらに、右回りのコースが改修され現在の左回りになったのが第36回からと、その様相を異にしてきた。その変化を無視しては考えられないのだが、さらに加えて、第47回からサマーマイルシリーズの第2戦に指定され、関屋記念を取り巻く環境に大きな影響を与えている。

 この2012年からのこのレースをどう考えるか、それこそが肝心と誰しもが承知しているが、このシリーズの第一戦中京記念との関連がまず気になる。6年が経過したが、毎年中京記念組の出走は多い。だが、その点から見ていくと迷い道に入ってしまう。確かに中京記念組の成績は、2勝2着3回、3着2回と目立ってはいるが、中京記念の成績が関屋記念に確実に反映しているかというとそうでもないのだ。

 2015年の勝ち馬レッドアリオンは、スタートの悪かった中京記念は8着だったが、関屋記念はじわっとハナに立ちスローに落とし逃げ切っていた。そう、関屋記念のポイントは、位置取りとペースなのだと思っている。毎年必らずと言っていいほど速いペースにはなっていない。人気馬が大敗しているときは、必らずと言っていいほど位置取りが悪い。昨年のメートルダールが12着に大敗したのは行きっぷりが悪かったからで、勝った7番人気マルターズアポジーの逃げ切りとは対照的だった。

 それにいつも必らず、長い直線の400米を切ってからのひとハロンが、一番速いラップになっているのだ。いくら末脚に自信があっても、このラップ配分を上回るには、余程の力が必要なのだ。近走、先行していて好枠の馬、探してみたい。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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