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人気すらも読みづらい今年の札幌記念

  • 2018年08月17日(金) 18時00分


◆モズカッチャンはハービンジャー産駒で買いやすいが…

 札幌記念はGI馬が意外と勝ちきれないレース。前走オープン特別以下から来た馬では厳しいが、GIII組ならば勝つチャンスまである。前走着順が悪くても着差がそこまで悪くはなく、今回内枠で差し馬というのがベスト条件なのだが、今回フタを空けてみたら内枠にそのようなタイプは入らなかった……。

 人気が読みづらいが、騎手人気もあってモズカッチャンが1番人気になるかもしれない。札幌は初めてだがハービンジャー産駒で買いやすいということもあるだろう。ただ今回は枠がだいぶ外なうえ、対牡馬の好走歴が無いまま上位人気というのが馬券的には微妙なところだ。

 実績ということではマカヒキ。ダービー馬なのでその後低迷したように思われているが、天皇賞秋でもJCでも掲示板に来ているのだからここでは格上だ。秋の大レースが控えているのでここからメイチということはないだろうが、一定水準以上のデキにあればいきなり勝ち負けにもなりうる。

 ミッキースワローは上がり馬タイプとして期待がかかる。この馬も課題は枠だろう。AJC杯も大阪杯も内枠だったし、今回は全く別な組み立てが必要になる。鞍上はこういう極端な条件を華麗にこなすこともあるし、ここで勝ち負けになるなら秋は相当楽しみな存在になる。

 距離が課題となるのはサングレーザー。ただ本来ディープインパクト産駒に生まれついてのスプリンター・マイラーというのはいないはずで、適距離が短めになっているとしたらそれは気性等によるもの。今回は馬群に入れやすい内枠を引いたし、そもそも札幌記念は内枠から穴が出やすい。距離で人気にならないなら逆に狙う手もあるかと思う。

 ネオリアリズムは年齢的なことからかあまり人気にならないようだが、モレイラでもあり、先行したらしぶといはず。もともと精神的な部分が課題の馬だけに、レースに集中できればまだまだチャンスはある。

 サクラアンプルールも7歳。力は落ちていないし、適性を証明済みというのは心強いところ。洋芝2000mは合うのだろうし、極端な前残り展開でなければ今年も面白い。

 キングカメハメハ産駒はコース相性自体が良いので、同じレースから来るスズカデヴィアスにもちょっと色気を持っていたのだが、枠が外になってしまった。このタイプが内枠にいると怖いのだが。

 あとは3歳馬ゴーフォザサミット。古馬と比較する基準がないぶん、オッズ次第では面白い存在になる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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