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実績上位の牝馬を信頼すべき一戦!/キーンランドC

  • 2018年08月22日(水) 18時00分

■キーンランドC(G3・札幌芝1200m)フルゲート16頭/登録20頭

【コース総論】札幌芝1200m Cコース使用

・コースの要所!

★2〜4番人気が非常に強いコース。10〜12番人気も侮れず意外に穴も狙える。
★やや過剰人気だが内枠である馬番1〜4番が好成績。基本的には内がベター。
★先行勢が優勢だが、最速上がり馬が好成績で意外に差せる点に注意すべき。




 2コーナー奥のポケットから出走して、バックストレッチをフルに使用する札幌の芝1200m。最初のコーナー進入まで約300mと距離があること、そして函館とは違って小回りではないというのが大きな特徴だ。最後の直線は約270mと短いが、そのわりには紛れがなさそうなコース形態。地力をキッチリ発揮しやすいコースといえる。

 そのわりには1番人気馬の信頼度が低めで、2〜4番人気を狙ったほうがオイシイ気配。10〜12番人気も連対率6.3%、複勝率10.6%と7〜9番人気と差のない結果を残しており、波乱傾向はけっして弱くはない。順当に決まりそうなイメージが強いコースだけに、その裏をかくような馬券戦略が有効に機能しそうだ。

 オーバルなコース形態もあって、枠番についてはやや内枠有利。馬番1〜4番は連対率16.7%、複勝率22.5%と、その信頼度の高さは頭ひとつ抜けている。ただし、枠番値はマイナス0.4と低水準であり、いささか過剰に人気している様子。基本的には内のほうがベターだが、外が極端に不利ではないという点を覚えておこう。

 脚質も基本的には先行勢が優勢なのだが、最速上がり馬が[13-7-8-26]で複勝率51.9%をマークしているように、イメージよりも差せる。これはやはり、小回りではないのでコーナー部分から加速できるというのが大きい。単勝適正回収値に関しては中団待機組がトップだというのも、けっこう差せるコースである証拠。道中の流れが厳しくなることや、開催終盤の馬場も加味すると、差し優勢と考えたほうがいいかもしれない。

【レース総論】キーンランドC(G3) 札幌過去10年(9回)

・レースの要所!

★人気サイドが強いが、内容が優秀なのは1番人気よりも2〜3番人気のほう。
★牝馬が猛烈に強いレース。騎手や厩舎は「西高東低」の傾向が非常に強い。
★コースデータとは異なり、内枠の成績がイマイチで前残りの傾向も強い。
★4歳馬の強さや「継続騎乗の人気馬」&「乗り替わりの人気薄」も要注目。







 レースの平均配当は、単勝2672円、馬連1万3551円、3連複1万5793円。堅く決まっている年もあるのだが、昨年12番人気のエポワスが1着に激走したように、荒れるときはけっこう荒れる。また、1番人気が[1-3-3-2]と、馬券にはよく絡むがぜんぜん勝っていないというのも、このレースの特徴。ちょっとひねって買うほうが面白いレースである。

 注目したいのが、5勝をあげている2〜3番人気の強さ。ここに限れば[5-2-1-10]とかなりの好成績で、単勝適正回収値も149という高水準。儲け優先ならば、1番人気よりもこちらを重視したいほどだ。人気薄に関しては大きな偏りは見られず、中穴〜超人気薄までまんべんなく来ている印象。軸を厳選して、そこから手広く流す買い方をオススメしたい。

 そして、かなり重視したいのが牝馬の強さである。トータル[5-3-4-31]で連対率18.6%、複勝率27.9%という高信頼度で、回収率ベースの数値も牡馬を圧倒。「牝馬が強いレース」と断言できる内容だ。また、西高東低の傾向が、厩舎だけではなく騎手に関しても強いという点もぜひ覚えておきたい。

 内枠が強かったコースデータとは正反対に、レースデータでは馬番1〜4番の信頼度が不思議なほど低くなっている。もっとも好成績なのは「やや内」である馬番5〜8番だが、単純に内外を比較したデータではハッキリと「外>内」であるなど、なかなか悩ましい内容。不可解な部分も多いので、枠番に関してはおそらく、コースデータを信頼したほうがいいと思われる。

 脚質面はスプリント重賞らしく、コースデータよりも先行勢優勢。差せなくはないのだが、4コーナーを先頭で回った馬の過半数が馬券に絡んでいることや、上がり上位馬の成績がそこまで優秀でもないことから、先行勢重視の姿勢のほうがベターだろう。年齢別では、4歳馬を筆頭に若い馬のほうが好調。昨年のエポワスや2008年のタニノマティーニのように高齢馬も勝っているが、やはりアテにはしづらい。

 別定戦なので斤量をそこまで気にする必要はなさそうだが、「斤量減の人気馬」と「斤量増の人気薄」が強いというのは、覚えておいて損はないはず。とくに顕著なのが前者で、5番人気以内に推された斤量減の馬は、トータル[2-4-3-6]で連対率40.0%、複勝率60.0%と超高確率で好走している。対照的に、斤量増となる人気馬はかなりの低信頼度。今回58キロを背負うムーンクエイクだが、けっこう買いづらい面がありそうだ。

 最後にジョッキー関連だが、こちらは「ひとケタ人気×継続騎乗」と「ふたケタ人気×乗り替わり」の2パターンに注目。要するに、人気馬に関しては継続騎乗のほうが、人気薄ならば乗り替わりのほうが期待できる──ということだ。これに関しては当日のオッズ待ちだが、乗り替わり想定であるナックビーナスやキャンベルジュニアよりも、継続騎乗の見込みであるムーンクエイクやレッツゴードンキのほうが買いやすい。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 Cコース継続。フラットで、前が残るも差しが決まるもペース次第という印象。

・天候予測
 台風の影響を受けそうで土曜日まで雨マーク。道悪が残るケースもあるか。

・注目血統
 キングカメハメハ産駒◎、タイキシャトル産駒○、アドマイヤムーン産駒▲、ダイワメジャー産駒△

 台風19号と20号が連続して到来しており、北海道もその影響を受けそうな雰囲気。天候自体はおそらく日曜日には回復すると思われるが、それでもパンパンの良馬場にはほど遠いはずで、先週の日曜日のような馬場コンディションになりそうだ。現在は大きな偏りのないフラットな馬場という印象だが、今後どうなるかはけっこう読みづらい。

 血統面は、キングカメハメハなど4種牡馬の産駒をプラスに評価。勝率や単勝適正回収値の高さから、キングカメハメハ産駒のコース適性はかなり高いはずで、人気サイドであれば信頼度はさらに高まる。逆に注意したいのがマンハッタンカフェ産駒の取り扱いで、[0-1-1-25]と信頼度はかなり低め。穴人気しそうなヒルノデイバローやデアレガーロは、血統データからは大幅マイナス評価となる。

★出走登録馬・総論×各論

 フルゲート16頭に20頭が登録と、確実にフルゲートとなりそうな今年のキーンランドC。今年は、この春に京王杯SCを快勝したムーンクエイクに、春のスプリント戦線でトップクラスの実績を残したナックビーナス、スプリント界のエース級にまで成長してきたレッツゴードンキなど、かなり面白いメンバーが顔を揃えそうだ。

 ハイレベルな一戦となりそうだが、当データ分析のトップ評価はレッツゴードンキ。プラス評価となった項目の多さは「断然」で、かなりの高確率で上位争いができるとジャッジしている。1番人気に推されても問題はないが、できれば2〜3番人気になってもらいたいところ。道悪や荒れた馬場にも対応できるので、なおさら安心感がある。

 二番手評価にナックビーナス。G1の高松宮記念で0秒1差の3着に好走し、前走の函館スプリントSでも僅差の3着。勝ち味に遅い部分はあるが、今年に入ってからの充実ぶりには目を見はるものがある。鞍上の乗り替わり自体はマイナス評価だが、「マジックマン」モレイラ騎手がどのようなレースを見せるのか、じつに楽しみである。

 三番手評価は、人気薄となりそうなクリーンファンキー。50キロの軽量でオープン特別のUHB勝を制して、ここに臨んできた。一気の斤量増と相手関係の強化で楽な戦いとはいかないだろうが、北海道シリーズの3戦はいずれも好内容で、その勢いには侮れないモノがありそう。今年のメンバーで一発があるとすれば、この馬だろう。

 以下はダノンスマッシュ、ムーンクエイク、ヒルノデイバロー、キャンベルジュニア、タマモブリリアン、ペイシャフェリシタという評価の序列。レッツゴードンキの評価が圧倒的に高いので、今週はここから手広く流す馬券で勝負する心づもりである。


■総論×各論・先週の馬券回顧


札幌11レース 札幌記念(G2)
1着 02サングレーザー
2着 05マカヒキ
3着 15モズカッチャン

馬単28.2倍的中!

安いけど久々の的中ッ(*^ω^)♪

トップ評価の02サングレーザーと二番手評価の05マカヒキで決まってるんだから、そこをもっと厚く買えばいいのに……こういう時に限って弱気にボックスで買ってしまうのが馬券下手というものデスヨネ。いちばん驚いたのが12サウンズオブアースの4着で、一瞬は勝ち負けになりそうな勢い。けっこうヒヤヒヤして見ていたのは秘密。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2008年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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