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岩手にアイドルホースを!「やっぱり血は争えない」それぞれの個性を活かせる新しい道へ(2)

  • 2018年08月28日(火) 18時00分
第二のストーリー

▲「アンナベルガイト」の由来は未来と希望、自由を象徴するパワーストーンの一種(画像提供:馬っこパーク・いわて)


上田さんと出会ったアイドル候補


 岩手競馬にアイドルホースを誕生させたい、できれば現在誘導馬不在の岩手競馬に誘導馬を復活させて、その馬をアイドルに…。ひらめいたアイデアをもとに精力的に活動を続けるアハルテケイオン代表の上田優子さんが誘導馬候補にと考えたのが、競走馬を引退したばかりのアンナベルガイト(牡3)だ。

 前回も少し触れたが、アンナベルガイトのプロフィールを改めて記しておく。2015年3月30日に北海道安平町のノーザンファーム産。父は今年の桜花賞とオークスと2冠を達成したアーモンドアイ、スプリングS勝ちのステルヴィオなど、初年度産駒から活躍馬を送り出したロードカナロア、母はアンナヴァン、母の父はエンドスウィープという配合だ。ちなみに母系を辿ると曾祖母にダービー馬フサイチコンコルド、皐月賞馬アンライバルドら活躍馬の母バレークイーンがおり、筋の通った血統背景を持っている。

 有限会社シルクレーシングの所有馬として栗東の池添兼雄厩舎の管理馬として、昨年12月17日に阪神の芝1800mの新馬戦でデビュー。その後、新規開業した栗東・高柳大輔厩舎に転厩した3戦目で5着と掲示板に載ったものの、5戦目6月23日のレース後に右橈骨手根骨の骨折が判明し、全治まで約半年を要するということもあり、引退が決まった。

 そして乗馬として移動した先が、上田さんがホースセラピー活動を行っている岩手県滝沢市にある馬っこパーク・いわてだったというわけだ。

 まだ去勢されていないので牝馬が視界に入るとブヒブヒと鳴いて反応はするものの、前回も紹介した通りとても人懐っこくて穏やかな性格のを持つアンナベルガイトを、できれば誘導馬としてデビューさせて、岩手のアイドルホースにしたいと上田さんは考えるようになっていた。

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北海道旭川市出身。少女マンガ「ロリィの青春」で乗馬に憧れ、テンポイント骨折のニュースを偶然目にして競馬の世界に引き込まれる。大学卒業後、流転の末に1998年優駿エッセイ賞で次席に入賞。これを機にライター業に転身。以来スポーツ紙、競馬雑誌、クラブ法人会報誌等で執筆。netkeiba.comでは、美浦トレセンニュース等を担当。念願叶って以前から関心があった引退馬の余生について、当コラムで連載中。

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