スマートフォン版へ

カシアス改め「ケモノ」ら豪州移籍の日本馬3頭、初戦予定決まる

  • 2018年08月30日(木) 18時00分
ビクトリア競馬便り

▲カシアスの豪州での活躍に大きな期待が集まる(写真左)


(8月30日号 文=ポール・シムズ)

カシアスがいよいよ移籍初戦を迎える


 ダレン・ウィアー厩舎に移籍したカシアス(牡3)が、先週金曜日に行われたバリアトライアルと呼ばれる実戦式調教に出走した。ウィアー調教師は、「とてもビューティフルな走りでした。彼の状態には非常に満足しています」と喜びを見せた。

 豪州における登録馬名が「ケモノ」に変更されたカシアスは、メルボルン最大の春の競馬の祭典「スプリング・レーシング・カーニヴァル」の開催初日である今週土曜日、コーフィールド競馬場で行われる芝1100mのG3ザヒースステークスに出走予定であることが明らかになった。

 バリアトライアルは、ヴィクトリア州の南西にある海辺の街ウォーナンブールにあるウィアー調教師の調教施設で行われ、同じウィアー厩舎に移籍したトーセンバジル(牡6)とアドマイヤロブソン(牡4)もトライアルを行った。

 カシアスについてウィアー調教師は、「日本よりも時計のかかる重たい馬場を上手にこなして走っていました。今週末に初戦を迎えますが、その後は状態を見ながらジエヴェレストステークス(10月13日、芝1200m、2018年から総賞金が1300万豪ドルに増額)へ向けてレースを使いながら調整を行っていきたいと思っています。

 相手は強いスプリンターばかりですが、状態はとても良いと思いますし、レースへの準備はできています。1度使って、状態はさらに上向いてくるはずです」と話した。

 日本で重賞優勝の実績を持つカシアスの豪州での活躍に大きな期待が集まっている。

ビクトリア競馬便り

▲移籍初戦予定はG1マカイビーディーヴァステークスのトーセンバジル(C)netkeiba.com


 一方、トーセンバジルの移籍初戦は、9月15日(土)にフレミントン競馬場で行われるG1マカイビーディーヴァステークス(芝1600m)となる公算で、その後10月20日(土)のG1コーフィールドカップ(芝2400m)に向かう予定。

ビクトリア競馬便り

▲移籍初戦予定はG3ナチュラリズムステークスのアドマイヤロブソン(C)netkeiba.com


 また、アドマイヤロブソンは、9月22日(土)にコーフィールド競馬場で行われるG3ナチュラリズムステークス(芝2000m)が移籍初戦となる予定で、こちらも春の最大目標はG1コーフィールドカップということだ。

「スプリング・レーシング・カーニヴァル」の開催初日のメインレースであるG1メムジーステークス(芝1400m)には、ウィアー厩舎から3頭が出走を予定している。

 今年のコーフィールドカップのアンティポスト(前売りオッズ)で1番人気となっているキングスウィルドリーム(セン4)、2016年のメムジーS覇者ブラックハートバート(セン8)、そして昨年のG1コックスプレート(芝2040m)で、ウィンクスに僅差まで迫り2着と健闘したヒュミドール(セン6)である。

 今年の「スプリング・レーシング・カーニヴァル」は、主催団体であるレーシング・ヴィクトリアが大幅に賞金を増額した主要競走が多くあり、大変魅力的なプログラムが揃っている。

 総賞金が500万豪ドルにアップしたG1コーフィールドカップと、730万豪ドルに増額されたG1メルボルンカップ(11月6日、芝3200m)の登録が29日(火)に締め切られ、このコラムがアップされる頃には、登録馬が発表されている頃だろう。

1864年に創設された、オーストラリアのビクトリア州における競馬主催団体。メルボルンCなどの大競走が行われるフレミントン競馬場をはじめとした、ビクトリア州各地の競馬場で開催される競馬の運営・統括をしている。近年では日本調教馬の移籍も多数実現しており、日豪の関係に重要な役割を担っている。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング