◆偏りのある血統の傾向が今年も続くか気になる
今年のサマー2000シリーズは、1勝以上で合計得点が13点以上という規定から、最終戦の新潟記念でメドウラークが5着以上に来たときのみ、シリーズ優勝馬となる。
これまで優勝馬なしは一度もないが、果たしてメドウラークが掲示板に乗れるかどうか、少し気にしておきたい。この父タニノギムレットからは、牝馬でダービーを勝ったウオッカが出ているが、産駒はスタミナはあるが少し時計のかかる方がいい。七夕賞を54キロで2分0秒8で勝ってきたが、速いペースで上がりのかかるレースだった。
新潟記念のこれまでの傾向からは、前半はまず速くなることはない。この5年の5Fのタイムを見ると、どの年も59秒前後。それでいて、4F、3Fの上がりは速い。外回りの直線が659米と長いため、道中はスローでも、上がりは極端に速くなっているのだ。良馬場なら1分57秒台の走破タイムで、スピードだけでなくスタミナも求められる。特に、あと400米の最後の2Fは、どのレースも23秒台を記録しているのだから、最後までスピードが持続しないとこのレースは勝てない。
新潟記念で求められるものが分かってくれば、自然とその馬の血統が気になる。
この5年の連対馬の父を見ると、2013年がゼンノロブロイとステイゴールド、14年はいずれもディープインパクト、15年はディープインパクトとステイゴールド、16年はいずれもディープインパクト、そして昨年は1着タツゴウゲキで父がマーベラスサンデー、2着アストラエンブレムの父がダイワメジャーだった。
全てがサンデーサイレンス系の種牡馬でスタミナのあるタイプばかり。これだけ血統に偏りがあると、気にならない筈がない。今年もかなりの出走馬が該当しているので、この傾向が続くかどうか注目したい。
まだこの時期での3歳馬の挑戦は少ないが、ダービー5着以来のブラストワンピースが登場している。デビュー3連勝してダービーでは2番人気で5着だったが、父がハービンジャーで新鮮だ。かつては新潟記念で4勝もしているトニービンを思い出す。さらには、ストーンウェアの父バードストーンなど欧州の血がどう通用するか、この一戦で何かをつかめるだろう。