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ハンデにコンマ5キロの付く馬は……/京成杯AH

  • 2018年09月04日(火) 12時00分


◆「負けてもらった」2頭に魅力あり

 今年の京成杯AHには、ハンデに端数のある馬が3頭いる。56.5キロとなったヒーズインラブ、ロードクエスト、ロジクライの3頭だ。

 ヒーズインラブはダービー卿CTを55キロで勝ち、今回が56.5キロ。ロードクエストは一昨年のこのレースを55キロで勝ち、今年のシルクロードSではハンデ57キロになっていたが今回56.5キロ。ロジクライは中京記念を56キロで2着して今回56.5キロ。ヒーズインラブとロジクライは勢いのある中での56.5キロ、ロードクエストはこれまでより500グラム減っての56.5キロという印象だ。

 古馬のハンデGIIIで、コンマ5キロの斤量を課された馬は08年以降のべ239頭。牝馬でこのパターンは[6-2-5-17]で回収率も単176%・複131%と優秀。勢いのある流れで、本来背負うべきハンデでは酷ということから500グラム負けてもらった印象のレースが多い。

 牡馬セン馬は回収率が単72%・複73%であまり良くないのだが、前走も同格のGIIIに出走していて、かつ前走9着以内の場合だともう少し買いやすいグループになる。前走10着以下でコンマ5キロ付きは、近況手詰まりになっている馬が多いためかと思う。

 もうひとつ回収率が低いのは、実は前走GIII勝ち馬。持ちハンデが重くなって未知の領域に入るのだから当然といえば当然だ。前走勝ち馬も端折って前走GIIIの2〜9着だった馬に限定すると、[7-3-3-24]で回収率は単152%・複98%。これならかなり良い線だ。

 今回の3頭だと、ヒーズインラブは安田記念を挟んでいるものの、前々走を勝ってハンデの新領域に入る立場。残る2頭が馬券的には魅力ありということになる。ロジクライのように前走2着でハンデが増えるのは損に思えてしまうが、過去の類似事例はわりとよく走っている。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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