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最後はキッチリ牝馬が締めくくる!/セントウルS

  • 2018年09月05日(水) 18時00分

■セントウルS(G2・阪神芝1200m内)フルゲート16頭/登録16頭

【コース総論】阪神芝1200m内 Aコース使用

・コースの要所!

★1番人気より2〜3番人気のほうが狙い目。激走率高い10〜12番人気も要注意。
★内のほうが強いコースで馬番1〜4番はかなりの好成績。枠番値もプラス圏。
★イメージ以上に前が残るコース。4角5番手以内でなければ勝つのは厳しい。




 向こう正面のやや2コーナー寄り地点からスタートする、阪神芝1200m内。スタート直後から下り坂というコース形態は、スプリンターズSの舞台である中山の芝1200mと共通している。最初のコーナー進入まで243mと短いので、ポジション争いで序盤がゴチャつくことが多い。また、内回りコースで最後の直線が短いのも特徴である。

 まずは人気別だが、1番人気の信頼度は並かそれ以下で、同じ人気サイドならば2〜3番人気のほうが内容は優秀。また、4〜6番人気の複勝率が28.8%と非常に高いのも注目すべきポイントだ。さらに、超人気薄である10〜12番人気の激走率も高め。波乱傾向がやや強めのコースといえるだろう。

 その要因となっているのがコース形態で、最初のコーナー進入までが短い影響もあり、ハッキリと内のほうが有利。単純に枠の内外を比較したデータでも、すべての項目で「内>外」という集計結果となった。なかでも内容のよさが目立つのが馬番1〜4番で、単勝適正回収値が高く枠番値も大幅プラス圏内。内枠を引けた馬はプラスに評価すべきである。

 最後に脚質だが、こちらはイメージ以上に先行勢優勢。先行勢と中団待機組の比較で、数値にここまで大きな差が出るコースは珍しい。下級条件であれば差しも決まるが、道中ハイペースでも止まらないトップクラスになると、なおさら前が残りそう。4コーナーを5番手以内で通過しないと、勝ち負けには持ち込めないと考えたい。

【レース総論】セントウルS(G2) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気の惜敗が多いレース。4〜6番人気から入る中穴狙いが儲かりそう。
★コースデータ以上に先行勢が強いレース。勝ち馬はすべて4角5番手以内。
★5歳以下馬と6歳以上馬で大きな成績差あり。前走アイビスSD組も要注目。
★牝馬が牡馬を圧倒。連軸には必ず「前走重賞×継続騎乗」馬を選びたい。








 レースの平均配当は、単勝1161円、馬連4417円、3連複2万7907円と高めの水準。1番人気は連対率70.0%、複勝率80.0%と好走率こそ高いが、1着にきたのは過去10年で2回だけと、惜敗するケースが多い。ここ2年は連続して1番人気が勝っているが、レース傾向的にはそろそろ負け頃。1番人気を1着で狙う馬券は、あまりオススメできない。

 人気別で目立っているのが4勝をあげている4〜6番人気の強さで、回収率ベースの数値も素晴らしい高さ。対照的に7〜9番人気は[0-0-2-28]と絶不調だが、さすがにこれは単なるデータの偏りだろう。なぜなら、10〜12番人気も[1-1-2-26]で複勝率13.3%と優秀な結果を残しているからである。傾向的には、ここは中穴狙いが面白い。

 次に枠番だが、こちらはコースデータとは大きく異なる結果が出ている。外枠である馬番13〜16番が、連対率20.0%、複勝率33.3%と非常に強く、複勝回収値187、枠番値プラス0.9と内容も超優秀。ただし、内枠である馬番1〜4番も勝率は10.5%とトップで、単勝適正回収値も125.0と文句なしの高さ。一概に外がいいとは言いかねるので、データの母数で勝るコースデータを信頼すべきだろう。

 脚質については、コースデータ以上に先行勢が優勢。4コーナーを5番手以内で通過した馬がトータル[10-7-6-34]で連対率29.8%、複勝率40.4%、複勝回収値155という素晴らしい成績を残している。対照的に、4コーナー通過が6番手以下だった馬は[0-3-4-84]と低空飛行で、好走しているのは上位人気ばかり。「きわめて」先行勢優勢のレースである。

 今回は「前走での」4コーナー通過順位別成績も集計したが、連対馬の半数が前走でも4コーナーを5番手以内で通過していた。とくに大きな差が出ているのが勝率で、前走での4コーナー通過が5番手以内だった馬は勝率13.0%と、それ以外を完全に圧倒。単勝適正回収値116.4、複勝回収値97と、回収率ベースの数値も文句なしだ。

 明暗ハッキリなのが年齢別成績で、5歳以下馬がトータル[10-7-5-63]で複勝率25.9%、6歳以上馬が[0-3-5-55]で同12.7%と、信頼度にはなんと2倍以上もの大差が出ている。6歳以上馬がまったく買えないわけではないが、プラスには評価できない材料であるのも、また事実。ここは、勝率の高い3〜4歳馬を高く評価したい。

 前走距離別では、前走芝1000m戦組──つまりアイビスSD組が要注目。出走数は少ないのだが、トータル[3-2-0-5]で連対率50.0%と絶好調で、ここ2年は連続して2着に好走している。あとは、前走2番人気以内馬が非常に強いことや、勝ち馬がすべて継続騎乗組であること、前走で重賞以外に出走していた馬はほぼノーチャンスであることなど、好走&凡走パターンがけっこうハッキリしているレースである。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 開幕週のAコースで絶好の馬場コンディション。エアレーションの影響は要確認。

・天候予測
 金曜日から日曜日まで雨マークが続く。降水確率も高く道悪となる可能性が大。

・注目血統
 アドマイヤムーン産駒◎、ロードカナロア産駒○、ヨハネスブルグ産駒▲

 今週から待望の秋競馬が開幕。馬場コンディション自体は絶好だが、気になるのが天候である。金曜日から再び下り坂になる模様で、金曜日〜月曜日まで傘マークがズラリ。降雨量によっては、いきなり道悪となる可能性が十分にある。また、開幕週の常である「エアレーションの影響確認」も、土曜日のうちにしっかりやっておきたい。

 血統面はアドマイヤムーンなど3種牡馬の産駒をプラスに評価。春のスプリント王で、昨年このレースを制しているファインニードルが出たように、アドマイヤムーン産駒のコース適性は非常に高い。それとタメを張っているのがロードカナロア産駒で、好走しているのが人気馬ばかりとはいえ、その強さはなかなかのもの。複勝率と複勝回収値が非常に高いヨハネスブルグ産駒も、侮れない存在である。

★出走登録馬・総論×各論

 秋競馬の開幕を告げるレースであると同時に、サマースプリントシリーズの最終戦でもあるセントウルS。もしここでラブカンプーが勝てば、アレスバローズを逆転してサマースプリントシリーズのチャンピオンとなる。また、春のスプリント王であるファインニードルがここから始動。夏競馬を使われてきた組との対戦が見物である。

 当データ分析のトップ評価は、レジーナフォルテ。人気薄となりそうだが、4歳牝馬で前走がアイビスSDで4着、鞍上が杉原騎手の継続騎乗想定であることなど、買い材料はじつに豊富だ。ここでも先行可能な速力があり、うまく流れに乗れれば一発が十分に期待できるはず。初の阪神や関東からの遠征も、今ならば問題なくこなせると思われる。

 二番手評価にダイアナヘイロー。前走の北九州記念では人気を裏切ったが、もともとムラッ気なタイプ。阪急杯を制している阪神芝へのコース替わりは大きなプラスで、武豊ジョッキーの継続騎乗や臨戦過程など、こちらもプラス評価となった項目の多さはかなりのものだ。別定で斤量が1.5キロも軽くなるのも、見逃せないポイントだろう。

 三番手評価にラブカンプー。前述したようにサマースプリントシリーズ制覇のかかる一戦で、しかも鞍上のM.デムーロ騎手も現在のところ、サマージョッキーズシリーズで首位をひた走っている。近走は惜しいレースが続いているが、古馬とも互角以上に張り合える能力があるのは既に証明済み。勝利にかけるモチベーションの高さに期待したい。

 以下はファインニードル、アサクサゲンキ、アンヴァル、ラインスピリット、ネロという評価の序列。枠番については土曜日のレース結果を待ちたいが、基本的にはコースデータを信頼して、内枠に入った馬をプラスに評価する方針だ。大きく荒れるケースはなさそうだが、チョイ荒れならば十分に狙えそうな雰囲気である。


■総論×各論・先週の馬券回顧



新潟11レース 新潟記念(G3)
1着 01ブラストワンピース
2着 05メートルダール
3着 04ショウナンバッハ

メッチャ追い込み決着やん(#^ω^)ビキビキ

単勝1倍台の圧倒的な人気に推された01ブラストワンピースが、「そこまで外ラチ沿いまで行かんでも」という直線でのコース取りで快勝。外が伸びるバイアスだったようで、そのへんも読み違えた感アリアリ。データ的にはメチャクチャ買いづらい人気馬だったんですけどねえ……つーか強いな現3歳世代(感嘆)。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2008年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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