開幕週だが追い込みも利く、この馬の切れに期待したい/京成杯AH
◆短い直線も、坂もそれほどの不利ではない
2014年から3年連続1分33秒台の勝ち時計になったあと、昨年は一転して「45秒8-45秒8」=1分31秒6の高速決着だった。エアレーション作業、部分的なエクイターフの導入で、2012年に1分30秒7のJRAレコードが記録された当時の軽い高速の芝ではなくなり、外からの追い込みも決まるが、開催1週目の芝コンディション(勝ち時計推測)は読みにくい。刈り揃えられた印象もあるので、たしかに以前の軽い芝ではないものの、今年は推定「1分32秒台前半」の時計か。
それでも外に回った差し=追い込みも利く芝なので、ワントゥワン(父ディープインパクト)に注目。前走の関屋記念を1分31秒6で2着し、1600mで自身4度目の上がり「32秒台」を記録している。関屋記念のレース全体の流れは「45秒7-45秒9」=1分31秒6。1000m通過は57秒2だった。
レース上がり「11秒2-11秒0-12秒2」=34秒4に対し、
ワントゥワンは「10秒7-10秒3-11秒8」=32秒8。
同馬のハロンラップはもちろん推定だが、過去にマイルで上がり32秒台を記録したレースと同様、スパートした部分で2ハロン連続「10秒台」で伸びているのはほぼ同じ。ほかの馬もそうだが、切れるタイプは平均バランスの1600mだと勝負どころから2ハロン連続して10秒台のラップを刻めることが多い。その典型がマイルで上がり32秒台が4回もあるワントゥワン。
当然、初めての中山は死角だが、この切れ味が絶妙の部分で発揮されるなら、短い直線も、坂もそれほどの不利ではない。昨年1000万条件当時のものではあるが、坂のある阪神1600mでも上がり「32秒2(連続10秒台を含む)」を記録している(スローだったが…)。ワントゥワンは、短い直線のほうがかえって追い込みが利く可能性はある。現在の芝になり、スプリンターズS連覇を決めているレッドファルクスのような追い込みに期待したい。
ワントゥワンは決して早熟系の牝馬ではなく、短距離タイプだった母ワンカラットは(早世したため産駒はほかに4歳牝馬キスミーワンスがいるだけ)、6歳の春、引退レースとなった中山のオーシャンSを勝っている。