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前回書けなかったアメリカ競馬観戦旅行のみやげ話をお届け!

  • 2018年09月15日(土) 12時00分


◆デルマー競馬場は自信を持ってオススメします!

 北海道胆振東部地震から1週間あまり。どうやら2割節電の目標設定は取り止めになったようで何よりですが、まだあちこちで断水が続いているとのこと。おかげさまでばんえい競馬は再開されたものの、門別のホッカイドウ競馬は18、19、20日も中止になってしまいました。早く通常どおりの開催に戻れるよう、祈るばかりです。

 さてそれでは、前回書けなかったアメリカ競馬観戦旅行のみやげ話を。今回は、ケンタッキー州レキシントンのレッドマイル競馬場とカリフォルニア州サンディエゴ近郊のデルマー競馬場に行ってきました。

 レキシントンは馬の町。その周囲を大小さまざまな牧場が取り囲んでいるほか、空港の隣に平地のキーンランド、市街地近くに繋駕のレッドマイルという2つの競馬場を擁し、至る所に馬のオブジェや絵画、写真が飾られています。馬好き、競馬好きにとっては、とても居心地のいい町です。

 今回は、南関東初の女性騎手としてデビューした後、アメリカに渡って活躍された土屋薫さんと、現地でウィンチェスターファーム(http://www.winchesterfarm.com/jp/?pid=column_view&cid=38011)を経営されている吉田直哉さんにあちこちご案内いただきました。

 土屋さんに連れて行ってもらったのは、キーンランド競馬場のそばにあるThoroughbred Club of America(http://www.thethoroughbredclub.com/Home.aspx)。競馬関係者が集う会員制の社交クラブで、メンバーにはすでに引退した超大物ジョッキーたちも名を連ねているそうです。中にはバーやダイニングルーム、談話室などがしつらえられ、全米各地の競馬の馬券発売も行われていました。こんなクラブが日本にもあったら、ぜひ会員になりたいのですが(でも入会審査に通るかどうか…)。

 一方、吉田さんは、ご自身の牧場のほか、クレイボーンファームとスペンドスリフトファームを案内してくださいました。クレイボーンでは、ブレイム、ウォーフロント、データリンク。スペンドスリフトでは、マリブムーン、イントゥミスチーフという有力種牡馬を披露してもらい、その雄姿を見学。これは貴重な経験でした。どの種牡馬も将来有望とのことですから、しっかりと記憶にとどめさせていただきます。

 競馬場は、レッドマイルもデルマーもよかったですよ。レッドマイルのコースは、その名のとおり1周1マイル。繋駕競走の競馬場としては大回りなので差しや追い込みが利き、スリリングなレースが多く見られました。

 デルマーは、往年の名優ビング・クロスビーらが作ったリゾート立地型の競馬場。西海岸らしい明るさと美しさを兼ね備えた、とてもチャーミングなレーストラックでした。吉田さんは「あそこへ行くと帰りたくなくなる」とおっしゃっていましたが、まさにそのとおりです。海外競馬の中でも、ここは自信を持ってオススメしますよ!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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